中小企業関係者等が主体となって設置された「中小企業の会計に関する検討会」(中小企業庁と金融庁が事務局)によって、「中小企業の会計に関する基本要領」が取りまとめられ、2012年2月1日付で公表されました。
この基本要領は、「中小企業の実態に即した新たな中小企業の会計処理のあり方を示すものを取りまとめる」という目的に沿って、昨年2月から検討されてきたものです。昨年11月に案が公表され、パブリックコメントの募集が行われました。
今回の確定版は、基本要領策定の経緯に関する記述が付け加えられ、「中小企業の会計に関する検討会報告書(中間報告)」というかたちになっています。
要領自体は、総論、各論、様式集から構成されており、30ページ弱のボリュームです。
各論では、以下の項目を取り上げています。
1.収益、費用の基本的な会計処理
2.資産、負債の基本的な会計処理
3.金銭債権及び金銭債務
4.貸倒損失、貸倒引当金
5.有価証券
6.棚卸資産
7.経過勘定
8.固定資産
9.繰延資産
10.リース取引
11.引当金
12.外貨建取引等
13.純資産
14.注記
プレスリリースの資料として、パブリックコメントへの対応も示されています。「本要領は、中小企業の経営者に理解しやすく、本要領の利用を想定する中小企業に必要な事項を簡潔かつ可能な限り平易に記載したものである」、「本要領は、本要領の利用を想定する中小企業の実務において一般的に必要と考えられる会計処理について取りまとめたものである」などというだけで、意見に対するきちんとした回答になっていないものが多いように感じました。
(細かい点ですが、「取得価額」と「取得原価」の違いにこだわっている箇所は残っていました。何冊かの書籍を調べてみると、「取得価額」は税務の用語、「取得原価」は企業会計原則で使われる用語というだけで、実質的な違いはないと思うのですが・・・)
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当サイトの関連サイト「「中小企業の会計に関する基本要領」の手引き」も確定版に合わせて改訂しました。
↓
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