日本監査役協会は、第6回適時調査「監査調書」を、2025年3月31日に公表しました。
同協会では、「適時調査」として時宜にかなった概要調査をし、速やかにかかる結果を公表しているそうです。
「今回実施した第6回目の適時調査では、監査調書の重要性がさらに増していることから、本テーマを設定し調査を行いました。」
調査項目は...
Q4.貴社では、監査調書を作成していますか。
Q5.監査調書を作成する主な目的は何ですか。(複数回答可)
Q6.監査調書に記載している事項をお選びください。(複数回答可)
Q7.監査調書を作成する監査対象項目を以下からお選びください。(複数回答可)
Q8.直近事業年度における監査調書の年間での作成件数はおおよそどれくらいですか。
期中就任の場合、おわかりになる範囲でご選択ください。
Q9.監査役等以外で、監査調書の内容を共有している場合の宛先をお選びください。(複数回答可)
Q10. (Q9で「幹事証券会社」を選択した方のみ。)幹事証券会社へ監査関係書類を提出する場合、業務執行経由または監査役等のどちらから提出していますか。
Q11.業務執行から監査調書の共有を依頼されたことはありますか。
Q12.監査調書作成をめぐる問題点、トラブル等はありましたか。
Q12にはこういう回答もあったそうです。
「かつて管理部門より幹事証券や監査法人に連携する必要があるので監査調書を提出するように求められ、これを信頼して提出したところ、幹事証券に提出する前に管理部門の担当役員(CFO)にその内容が筒抜けとなった。内容的にはCFOの善管注意義務違反や社費流用の嫌疑について調査していた監査調書であったため、その後、CFOを通じて組織的な監査妨害を受けることとなった。」
「昨今のIPO準備の審査や公開指導の中で監査調書は「使い勝手が良い便利な資料」と安易に位置付けられ、コーポレートガバナンスを危うくしていると感じる。例えば当社では、監査調書で記載した事項を幹事証券会社がIPO上の問題点として社長に指摘したため、社長から事前に監査調書の内容を検閲させるよう強い要請が数回あった(全部断りましたが)。」
監査調書のサンプル事例集もついていますが、「当協会で作成した「ひな型」ではありません」とのことです。