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「減価償却に関する当面の監査上の取扱い」の改正について(公開草案)(日本公認会計士協会)

監査・保証実務委員会報告第81号「減価償却に関する当面の監査上の取扱い」の改正について(公開草案)

日本公認会計士協会は、監査・保証実務委員会報告第81号「減価償却に関する当面の監査上の取扱い」を改正する公開草案を、2011年2月24日付で公表しました。

企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」等の適用及び平成23年度税制改正において減価償却資産に係る定率法の償却率の見直しが行われることに対応するための改正です。

ただし、「平成23年度税制改正大綱」(平成22年12月16日 閣議決定)等をもとに取りまとめたものであるため、政令等の内容次第では、大きく変更される可能性があるとされています。

また、この改正により、監査第一委員会報告第32号「耐用年数の適用、変更及び表示と監査上の取扱い」(昭和54年4月10日公表)がこの報告書に統合されます。

税制改正関係は「平成 23 年度税制改正に係る監査上の取扱い」という項目でまとめられており、基本的な考え方については、以下のように述べています。

「平成23年度税制改正後であっても、会計上は平成19年度税制改正前の減価償却方法である旧定額法及び旧定率法並びに平成19年度税制改正後の定率法(いわゆる250%定率法)を引き続き採用することも容認される。」

「したがって、期間を費用配分基準とする会計上の減価償却の方法に関しては、平成19年度税制改正前の旧定額法又は旧定率法平成19年度税制改正後の定額法又は定率法(250%定率法)、平成23 年度税制改正後の定率法(200%定率法)の5通りの選択肢があることになる。」

減価償却方法については、さまざまな変更パターンがありうるわけですが、改正案では、それぞれについて、監査上の取扱いが明らかにされています。

例えば、49項では以下のように規定しています(法令等の改正に伴う変更に準じた変更)。

「従来、法人税法に規定する普通償却限度額を正規の減価償却費として処理している企業において、既存資産のうち平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産がある場合に当該資産に旧定率法を採用し、かつ平成19年4月1日以後取得した減価償却資産がある場合に当該資産に定率法(250%定率法)を採用していたときに、新規取得資産について(B)の定率法(200%定率法)を採用する場合には、同一種類で同一用途の資産について、類似の減価償却方法を採用するものと認められるため、法令等の改正に伴う変更に準じた正当な理由による会計方針の変更として取り扱う。」

一方、51項では以下のように規定しています(自発的な会計方針の変更)。

「・・・法人税法上、上記の定率法(250%定率法)から定率法(200%定率法)への既存資産の減価償却方法の変更は、企業の選択により決定できるものであることから、当該変更を含め、既存資産について減価償却方法を変更する場合には、会計上、法令等の改正に伴う変更に準じた会計方針の変更とは認められず、自発的に会計方針の変更を行うものとして取り扱う(過年度遡及会計基準第5項(2)、過年度遡及適用指針第6項、第17項)。このため、会計方針の変更に係る変更理由の合理性(変更の適時性等)に留意し、単に法人税法の改正を理由とするだけでは正当な理由に該当しないことに留意する必要がある。」

(実務上やむをえないのかもしれませんが、償却率は会計上の見積りにすぎないのに、それを会計方針の変更扱いにしているところに無理があります。前回の改正と同様に、税務上の限度額どおりに償却している企業の償却率変更理由を用意するという趣旨なのかもしれませんが、理屈が非常にわかりにくくなっています。どうにかならないものでしょうか。)

その他、臨時償却の規定の削除などの見直しがなされています。
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