今さらという感じもしますが、日本版SOX法を批判した論説記事。元神戸大学の有名な経営学者が書いています。
見出しにもなっている5つの問題は以下のとおりです。
・導入に大変大きなコストがかかる
・日本の場合、このような制度は不要である
・企業の内部に官僚主義を蔓延させる
・日本企業の独自の強みが失われてしまう
・内部統制システムが組織の風土を劣化させてしまう
J-SOXを推進した人たちに反論してほしいものですが、制度には問題はない、監査法人やコンサルタントの指導が悪いだけだというふうにとばっちりが来るだけかもしれません。
これは当たっているかもしれません。
「規制当局には、投資家にとって望ましくない不祥事が起こらないようにしようとする姿勢がある。不祥事が起こったときに規制当局者の責任が問われるからである。規制当局には、企業価値を高めるという任務はないのである。そのために、不祥事が起こるたびに企業に課せられるルールが厳しくなっていく。」
以前取り上げたこの本からの抜粋のようです。
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![]() | 経営はだれのものか 協働する株主による企業統治再生 加護野 忠男 by G-Tools |
こちらは、欧米流企業統治を推進すべきというまったく逆の立場の記事です。
外国人投資家の「日本株売り」が止まらない
かぎは「コーポレートガバナンス」の強化にある(日経ビジネス)
「・・・海外投資家、特に年金基金や投資ファンドの関係者たちが最も注目しているのが日本のコーポレート・ガバナンス(企業統治)の改革の行方だ。日本企業は底力があるにもかかわらず、手元の資金を投資に回さず、低収益に甘んじているというのは海外投資家の共通した見方である。」