傾奇魂 -かぶきだましい-

猫道一家の猫道が日常の諸々を斬る!

宮崎ますみLOVE!

2007-04-14 17:04:15 | 作品レビュー
「私はもともと死刑台の上で生まれたようなものだった。」

自分は誰か?誰のつもりか?本当は誰か?
誰になりたかったのか?誰になれなかったのか?
劇中劇の連続の中、飛び散る血飛沫と、繰り返されるセックスと、
めまぐるしく動く宮崎ますみの眼!眼!眼!



園子温監督の作品『奇妙なサーカス』を観た。
一秒たりとも目が離せない超強力な磁場を持っていた。
映画を観てこんなにも監督のシュミに、エモーションに共感したのは
久しぶりで、豊田利晃監督の『空中庭園』以来ではないだろうか。
こんな作品を創れる人、こんな作品に主演できる人を
心底羨ましく思い、尊敬する。

主演 宮崎ますみの女の魅力を徹底的に搾り出し、美しい映像に絡めて出す。
まさしく活き造りであった。「近親相姦」・「奇妙なセット」・「血液」・
「アコーディオンの音色」ばかりが夢魔的に残り香を振り撒き、観る者を
幻惑して去っていくが、そんなんは枝葉でしかない。
「お前は誰だ?」をがっつり問う作品。サァカスのような嘘っぽい煌びやかに、
このストレートパンチが隠されている。チゲ鍋を喰ってたら、自分の遺骨が
浮いてきちゃったような、いろんな意味で辛口の120分。

深~い、不~快、自問自答の渦に根こそぎ洗濯され、
観終わった後、何もしてないのに生まれ変わった気になった。
そして、役者 宮崎ますみに惚れた。猫道が自信をもって推奨する逸品。


  *  *  *  *  *  *


唯一残念だったのは、大事な場面でのいしだ壱成の安いプレイであった。
柄(声とルックス)はピッタリだが、エモーションのゲージが足りない。
狂気の説得力や破壊力が足りない。もしくは、足りてても安く見える。
同じく園子温監督の作品『自殺サークル』では、ローリーが
狂ったフェイクスターを貫禄たっぷりにはしゃいで演じていたが、
いしだ壱成にはモデルとしての魅力しかなかったように思える。
彼がもっと芝居できたら、この映画は宮崎ますみだけの作品では
なくなり、面白味が増したであろうだけに残念である。
(一方で、彼が出演したことでこの作品が多くの人の目に触れたであろう
ことはめっちゃ喜ばしいことである。)

映画の趣味ちょいかぶってて、エログロも結構イケそうな
堀奈津美・待村朋子・西村岳志に特に観て欲しー。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (通りすがりの淡水魚)
2007-04-14 23:59:40
あれは面白かった。



けど確かにあの新人編集者は興ざめだね。
Unknown (猫道)
2007-04-15 00:21:07
てめぇ、名を名乗れ!
通りすがりの淡水魚 (ふな蔵です)
2007-04-15 00:52:31
ワシです。
たはは (猫道)
2007-04-15 02:01:28
俺の周りに淡水魚は2人だけだと思ってたんだけど、あんたも淡水魚っ(笑)!3人目だ。
がおー(顔ー) (ナツナツナツナツ)
2007-04-20 14:06:00
そぃつぁ観なくちゃ☆最近刺激が足りないの。刺激がホシーノ。
Unknown (猫道)
2007-05-17 18:47:59
芝居も終わったことだし!
是非観て!是非!
あ、でも恋人や家族や友人と観ちゃダメ。
ワインでも呑みつつ独りで観ること。

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