「私はもともと死刑台の上で生まれたようなものだった。」
自分は誰か?誰のつもりか?本当は誰か?
誰になりたかったのか?誰になれなかったのか?
劇中劇の連続の中、飛び散る血飛沫と、繰り返されるセックスと、
めまぐるしく動く宮崎ますみの眼!眼!眼!
園子温監督の作品『奇妙なサーカス』を観た。
一秒たりとも目が離せない超強力な磁場を持っていた。
映画を観てこんなにも監督のシュミに、エモーションに共感したのは
久しぶりで、豊田利晃監督の『空中庭園』以来ではないだろうか。
こんな作品を創れる人、こんな作品に主演できる人を
心底羨ましく思い、尊敬する。
主演 宮崎ますみの女の魅力を徹底的に搾り出し、美しい映像に絡めて出す。
まさしく活き造りであった。「近親相姦」・「奇妙なセット」・「血液」・
「アコーディオンの音色」ばかりが夢魔的に残り香を振り撒き、観る者を
幻惑して去っていくが、そんなんは枝葉でしかない。
「お前は誰だ?」をがっつり問う作品。サァカスのような嘘っぽい煌びやかに、
このストレートパンチが隠されている。チゲ鍋を喰ってたら、自分の遺骨が
浮いてきちゃったような、いろんな意味で辛口の120分。
深~い、不~快、自問自答の渦に根こそぎ洗濯され、
観終わった後、何もしてないのに生まれ変わった気になった。
そして、役者 宮崎ますみに惚れた。猫道が自信をもって推奨する逸品。
* * * * * *
唯一残念だったのは、大事な場面でのいしだ壱成の安いプレイであった。
柄(声とルックス)はピッタリだが、エモーションのゲージが足りない。
狂気の説得力や破壊力が足りない。もしくは、足りてても安く見える。
同じく園子温監督の作品『自殺サークル』では、ローリーが
狂ったフェイクスターを貫禄たっぷりにはしゃいで演じていたが、
いしだ壱成にはモデルとしての魅力しかなかったように思える。
彼がもっと芝居できたら、この映画は宮崎ますみだけの作品では
なくなり、面白味が増したであろうだけに残念である。
(一方で、彼が出演したことでこの作品が多くの人の目に触れたであろう
ことはめっちゃ喜ばしいことである。)
映画の趣味ちょいかぶってて、エログロも結構イケそうな
堀奈津美・待村朋子・西村岳志に特に観て欲しー。
自分は誰か?誰のつもりか?本当は誰か?
誰になりたかったのか?誰になれなかったのか?
劇中劇の連続の中、飛び散る血飛沫と、繰り返されるセックスと、
めまぐるしく動く宮崎ますみの眼!眼!眼!
園子温監督の作品『奇妙なサーカス』を観た。
一秒たりとも目が離せない超強力な磁場を持っていた。
映画を観てこんなにも監督のシュミに、エモーションに共感したのは
久しぶりで、豊田利晃監督の『空中庭園』以来ではないだろうか。
こんな作品を創れる人、こんな作品に主演できる人を
心底羨ましく思い、尊敬する。
主演 宮崎ますみの女の魅力を徹底的に搾り出し、美しい映像に絡めて出す。
まさしく活き造りであった。「近親相姦」・「奇妙なセット」・「血液」・
「アコーディオンの音色」ばかりが夢魔的に残り香を振り撒き、観る者を
幻惑して去っていくが、そんなんは枝葉でしかない。
「お前は誰だ?」をがっつり問う作品。サァカスのような嘘っぽい煌びやかに、
このストレートパンチが隠されている。チゲ鍋を喰ってたら、自分の遺骨が
浮いてきちゃったような、いろんな意味で辛口の120分。
深~い、不~快、自問自答の渦に根こそぎ洗濯され、
観終わった後、何もしてないのに生まれ変わった気になった。
そして、役者 宮崎ますみに惚れた。猫道が自信をもって推奨する逸品。
* * * * * *
唯一残念だったのは、大事な場面でのいしだ壱成の安いプレイであった。
柄(声とルックス)はピッタリだが、エモーションのゲージが足りない。
狂気の説得力や破壊力が足りない。もしくは、足りてても安く見える。
同じく園子温監督の作品『自殺サークル』では、ローリーが
狂ったフェイクスターを貫禄たっぷりにはしゃいで演じていたが、
いしだ壱成にはモデルとしての魅力しかなかったように思える。
彼がもっと芝居できたら、この映画は宮崎ますみだけの作品では
なくなり、面白味が増したであろうだけに残念である。
(一方で、彼が出演したことでこの作品が多くの人の目に触れたであろう
ことはめっちゃ喜ばしいことである。)
映画の趣味ちょいかぶってて、エログロも結構イケそうな
堀奈津美・待村朋子・西村岳志に特に観て欲しー。
けど確かにあの新人編集者は興ざめだね。
是非観て!是非!
あ、でも恋人や家族や友人と観ちゃダメ。
ワインでも呑みつつ独りで観ること。