写真は俳句と似ているとよく言われる。
いかに省略するか、余分なものを捨て去るかなどと。
しかし微妙に表現方法の違いがあるように思う。
蓮の花の季節である。
蓮池にカエルが飛び込む、
と、蓮の花がはらりと落ちた。
蓮の花の落ちる様は瞬間である。
写真の場合、同時間にシャッターを切らないと、
その時に自分が感じた気持ちを写真に表現しにくい。
俳句の世界では、落ちた花びらのことを「散蓮華」と表現するらしい。
五七五の短い文章ではあるが「散蓮華」という素晴らしい言葉があるし、
後で創造することが可能である。
写真と俳句の違いの一つに、
写真は自分が感じた同時間に、瞬時に表現する
俳句の場合は、瞬時に表現するか、後に時間をたどって表現することの違いがあるのではないか。
浦和くらしの博物館民家園
大黒柱
2005年7月15日撮影