痛ましい事件

　何とも表現のしようがない残忍な事件です。２６日の未明、「津久井やまゆり園」で４５人が元職員に襲われ１９人が殺されるという残忍な犯行・・・。許せません。しかも、犯人の男は「障害者は生きていてもしょうがない」という差別的な言動を繰り返し、「家族が大変」、「税金の無駄」など、障害者の家族・親族の実情を何も考えない言動や障害者施策を否定する言葉まで発していました。このような思想は絶対に間違っています。
　事件は防げなかったのか・・・・。これは今後の捜査や事件の究明の中で問われていくとは思います。
　今回の事件の犯人の男は異常な性格、思想を持つ人物だと思います。しかし、この事件をそのことだけで終わらせてはいけないと考えます。
　障害者への差別、偏見が男の思想の根本にあります。しかし、その考えは多かれ少なかれ、社会に蔓延っていると私は感じます。障害者だけでなく、高齢者に対してもです。「高齢者福祉はお金がかかる。だから無くして負担させれば良い」「高齢者に税金をつぎ込むのは無駄」。残念ながらこうした言葉を直接聞いたことがあります。あまりにも悲しいことです。
　誰も自ら願って障害を持って生まれてきたわけではありません。高齢になるのも自然の当然の流れです。人類は仲間でお互いの弱いところを補いながら発展してきました。障害を持とうが高齢になろうが尊い命を守るために助け合う。当たり前のことだと思います。しかし、格差社会となり、何か高齢や障害を持つこと、弱い立場に陥ることが悪いことのような考え方が蔓延しています。「障害者につぎ込む税金は無駄」この言動が、今の格差社会と無縁とは思えません。
　どんな障害を持とうがそれは個性です。その人の命が本当に尊重される社会をつくらなければいけません。