*** june typhoon tokyo ***

一十三十一@Billboard Live TOKYO

■ 一十三十一@ビルボードライブ東京

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 “媚薬系”シンガーとも呼ばれる一十三十一(ヒトミトイ)のライヴ@ビルボードライブ東京。この3月の上旬にPUNPEEとトークボックスのBTBをゲストに迎えた〈~Welcome to“Snowbank Social Club”~〉と題したステージを開催していて、そこでは新作『Snowbank Social Club』からの楽曲を中心に披露したと思われるが、今回は江口ニカ、Dorian、西寺郷太、Saigenjiをゲストに迎えた〈~Special Night~〉ということで、一十三十一の盟友やコラボ・アーティストとの楽曲をセレクトしたステージ。月曜夜ということだが、8割くらいは埋まっていた。2ndショウ。

 アーバンをキーワードにしたホイチョイプロダクション的なコンセプトの三部作『CITY DIVE』『Surfbank Social Club』『Snowbank Social Club』をリリースした彼女だが、2010年代のシティ・ポップを再現。このスペシャル・ナイトでは、クニモンド瀧口のオウン・ユニット“流線形”のナンバーからスタート。この公演は“Guest:江口ニカ”とアナウンスされていたのだが、流線形が2006年に発表した初となるフル・アルバム『TOKYO SNIPER』に参加していた21歳の謎の美大生ヴォーカリストが江口ニカ。その正体が一十三十一だったという訳。序盤は膝丈くらいのグレー系のシックなワンピース姿の江口ニカとして登場。3曲目には江口ニカがゲストのSaigenjiを呼び込んで「TOKYO SNIPER」を披露したのだが、本人いわく「ゲストがゲストを呼ぶ」展開で江口ニカ・セクションは終了。
 「TOKYO SNIPER」のアウトロでステージ・アウトした江口ニカが、今度は両肩を露わにした丈も短めのピンク系の色の衣装を着た一十三十一として登場。早速、Dorianを迎えての「DOLPHIN」とダンスがキュートな「恋は思いのまま」をアーバンなグルーヴに乗せて演じてくれた。

 その後はレーベルメイトとなる西寺郷太とのデュエット「GOLDEN CITY」も。関西弁でのトークで場を和やかにして、楽しげなアクセントを加えてくれた。バンド・メンバーのうち、ギターの奥田健介、ドラムの小松シゲルは西寺とともにノーナ・リーヴスのメンバーで、キーボードの富田“YT”謙はサポートと、ほぼノーナ・リーヴス・バンドを中心とした布陣だったが、西寺が「(バックは同じなのに)ヴォーカルが代わるとこうも違うものか……」とこぼしていたのも可笑しかった。

 本編ラストは再びSaigenjiを迎え入れての「ウェザーリポート」。一旦ステージ・アウトし、ステージの背後のカーテンが開いて外の夜景が見えるなかでアンコールを開始。ユーミンの「シンデレラ・エクスプレス」をカヴァーし、最後は「DIVE」で締め。この時はフロアの観客もスタンディングでシャレたグルーヴの波を浴びながら身体を揺らしていた。

 最初の流線形の2曲くらいまでは声の出もちょっぴり不安定なところがあったが、以降は“媚薬系”に違わぬ、蜜のような甘さと揺らめきを持った何とも言えない艶っぽいヴォーカルで魅了。また、キュートなルックスとともに、恥じらいをチラリと垣間見せながら色香をふりまく、“思わせぶり”感たっぷりなパフォーマンスが、観客の胸をキュンとさせる。そして、バブルやリゾートを背景とした時代観にフィットしたシティ・ポップ・サウンドは、彼女のヴォーカルをより華やかに彩り、甘酸っぱさを増幅させる。青春との近接性も感じさせるが、汗臭さがあまり感じられないところがミソで、スタイリッシュでソフィスティケートなムードが一瞬にしてフロアに生まれるのは、まさにマジック。混沌とした社会が続き、不透明な事柄が多い昨今、あえてここまで振り切ったアーバナイズな姿勢は、かえって潔くていいし、もっと評価されていいのではないか。ただ、それらを実現しうるのは、単にシティ・ポップを嗜好しているからという訳ではなく、一十三十一自身がしっかりと70年代以降の(松任谷由実や山下達郎ほか)ニューミュージック、シティ・ポップがバックグラウンドにあり、それらをしっかりと咀嚼しているからこそ生み出されるものだ。アンコール一発目にユーミンの「シンデレラ・エクスプレス」をチョイスしたところにも、その意識が隠されているのではないだろうか。

 アーバンなスタイルの完成形はどうなるのか、実に興味が尽きないところ。今後の彼女(やその周辺)の動向に注目したい。 

Hitomitoi_citydive


Hitomitoi_surfbanksocialclub


Hitomitoi_snowbanksocialclub








◇◇◇


<SET LIST>

00 INTRODUCTION
01 スプリング・レイン(Original by 流線形)
02 レインボー・シティ・ライン(Original by 流線形)
03 TOKYO SNIPER(Special guest with Saigenji)(Original by 流線形)
04 DOLPHIN(Special guest with Dorian)
05 恋は思いのまま(Special guest with Dorian)
06 プラチナ
07 Awaking Town
08 GOLDEN CITY(Special guest with 西寺郷太)(Original by NONA REEVES)
09 ウェザーリポート
≪ENCORE≫
10 シンデレラ・エクスプレス(Original by 松任谷由実)
11 DIVE


<MEMBER>

一十三十一/江口ニカ(vo)

Saigenji(vo,g)
西寺郷太(vo)
Dorian(key)
奥田健介(g)
南條レオ(b)
冨田謙(key)
小松シゲル(ds)
ヤマカミヒトミ(sax,fl)


◇◇◇ 
 
 
 開演前は次のPVが流れていましたよ。スクリーン映像が終了した後や終演後のBGMは、メイヤー・ホーソーンでした。


一十三十一 - DIVE



一十三十一 -『Surfbank Social Club』MV



一十三十一 -『Snowbank Social Club』 MV


ああ、こんな青春時代をオレも送りたかったナー。(涙目)

一十三十一みたいな顔立ちの人は、自分とは相性は合わなそうなのは解かるんだけど、気になって仕方なくなっていくうちに、向こうからあっさり「キミには興味ないんだ……」とか言われちゃうような、そんな女子かも。(謎)
まあ、あのショートな髪形が似合う女子に惚れてしまうのかもってことでしょうか。(爆)


恋は思いのまま


この曲のダンスがキュートでした。
それにしても、この衣装をシラっと着てきちゃう小悪魔性も、彼女の魅力でしょうか。(笑)










 

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