*** june typhoon tokyo ***

FC東京×広島@味スタ

■ FC東京×広島@味スタ

 1ヵ月の中断期間を経て、久しぶりのリーグ戦は、ホーム味スタで広島を迎えての一戦。FC東京はリーグ戦の試合感を取り戻せるか。また、中断期間に修正した箇所を出せるか。一方、広島は、ナビスコカップを戦っていて連戦となるため、多少の疲れも考えられる。梅雨明け宣言も出された蒸し暑いなかで、熟練した広島はどのようにゲームを運ぶか。
 FC東京はチーム得点王の渡邉がふくらはぎを痛めた関係でベンチ外、ルーカス1トップ、三田がリーグ初先発、韓国代表でもこなしたボランチにチャン・ヒョンスが入る布陣となった。

 FC東京はこの期間、まず守備の修正に力を注いだのかもしれない。だが、それを意識しすぎたのか、攻撃の糸口をなかなかつかめないまま、広島の熟達したサッカーについていくのがやっとという印象の出だしだった。
 まず、とにかく動きが遅い。パススピードしかり、判断しかり。相手からボールを奪ってカウンターに移ろうにも、ハーフライン過ぎあたりでスピードダウン。パスを出すポイントを探したり、横パスやバックパスをしているうちに相手が戻ってしっかりと守備のラインを作られてしまい、スペースを埋められてしまう。
 それに対して広島は、FC東京が攻撃の糸口を探しながらパスを回しているなかでパスミスを見逃さず、ボールを奪うと一気に前方へボールを供給。高萩を中心に手数を少なくボールを散らして中央から、あるいは右サイドのミキッチの積極的なオーヴァーラップを活かした攻撃を展開。東京ゴールへ襲いかかる。東京がやらなければならない攻撃を徹底して実行していたのは、アウェイの広島だった。

 東京がチャンスを作ったのは、いずれも三田がドリブルやスピードに乗ってゴールへ迫った時ばかり。つまり、攻撃のチャンスとみるやすばやく走り込んでいったカウンターでは、相手の脅威となっていたということだ。それ以外は、ボールを奪って攻めていっても、バイタルエリアで横パスの交換ばかり。5人がきっちり最終ラインを形成した広島にとっては、対応しやすい戦術でしかなかった。

 そもそも何がいけないかというと、ほとんどチャレンジをしないことだ。ボールを奪って一気に攻めても周囲をうかがうばかり(に見えてしまって)で、積極性が見えない。パス交換をして相手を完全に崩したゴールばかりを目指しているのか。それにしてはシンプルにすばやいパスは出ないし、その精度も決して高いとはいえない。

 縦にすばやく楔を入れたらそこへすばやくサポートに入りボールを受けるとか、相手がラインを敷いて出てこないならば、ミドルレンジからもどんどんタイミングを見計らってシュートを打つとか、相手を翻弄するフリーランニングをしてかき回すとか、逆サイドへ素早く展開して打開をはかるとか……そういう積極的な攻撃のヴァリエーションを組み込んでいくなかで、得意とする戦術、狭いエリアでのパスでエリア内へ進入していくという攻撃も活きていくというものだろう。

 そして、ベンチもチャレンジをしていなかった。後半途中から、ルーカスや東、長谷川などやや動きに精彩を欠いた選手が少なからずいたが、80分までは選手交代を行なわず。確かに、0-0の拮抗した状況で交代をするのは、バランスが崩れる可能性もあり勇気がいることではある。だが、試合をものにするための積極的な交代は、結果を恐れずするべきだろう。最終的にはヴチチェヴィッチ、武藤と2枚を使ったが、いずれも短い時間で、試合に入る以前の段階で決して効果的な起用とはいえなかった。

 その後手が、試合終了間近の広島のFKからのゴールに繋がってしまったともいえなくもない。得点を奪いにいっての負けでもなく、勝ち点を獲得するための守備固めをしての無失点でもなく、結果は別として、非常に疲労と精神的ダメージが残る敗戦となってしまった。

 明るい材料といえば、リーグ初先発となった三田が推進力を活かしてチャンスや決定機を作っていたこと。この試合では、三田が唯一チャレンジしていたといってもいいだろうか。

 これからは2週間で4試合というハードスケジュール。しかも次節はアウェイでの浦和戦という難敵だ。もちろん上位に食らいつくためにも結果は欲しいが、結果は別として、チャレンジする気概を見せなければ、今後に繋がらなくなってしまう。タレントは豊富ながらメンタルが、と言われ続けているFC東京だが、それもそろそろ脱却しなければ、優勝争いやACLなどは、口だけの砂上の楼閣でしかなくなってしまう。

 苦しいときこそ前へしかける、とにかく相手を翻弄するくらいに走り回る。目に見える動きがなければ、今節スタジアムに集まった27000以上の観客は、この先戻ってくることはないかもしれない。

 リーグ順位とは関係なく、FC東京というチームにとっての正念場。湿度も高く、暑苦しい季節だが、ここで意地を見せられるかどうか。必死の戦いに期待したい。


◇◇◇ 


≪J1 第14節≫

【日時】2013/07/06 18:34
【会場】味の素スタジアム
【観衆】27,852人
【天候】晴れ、弱風
【気温】28.8度
【湿度】67%
【審判】(主審)扇谷健司(副審)越智新次、手塚洋

【結果】
FC東京 0(0-0、0-1)1 広島

【得点】
(東):
(広):パク・ヒョンジン(90+4分)



【FC東京メンバー】

GK 20 権田修一
DF 02 徳永悠平
DF 03 森重真人
DF 05 加賀健一
DF 06 太田宏介
MF 07 米本拓司
MF 30 チャン・ヒョンス
MF 36 三田啓貴
MF 38 東 慶悟 → MF 40 武藤 嘉紀(90+2分)
MF 08 長谷川アーリアジャスール → MF 32 ネマニャ・ヴチチェヴィッチ(87分)
FW 49 ルーカス

GK 01 塩田仁史
DF 16 丸山祐市
MF 04 高橋秀人
MF 17 河野広貴
FW 13 平山相太


監督 ランコ・ポポヴィッチ

 
◇◇◇

03/02(土) ○FC東京 2-1 大分(A)
03/09(土) ○FC東京 3-0 柏 (H)
03/16(土) ●FC東京 0-1 C大阪(A)
03/30(土) ●FC東京 2-3 横浜FM(A)
04/06(土) ●FC東京 0-1 大宮(H)
04/13(土) ●FC東京 1-2 仙台(A)
04/20(土) ○FC東京 3-1 名古屋(H)
04/27(土) ○FC東京 2-0 川崎(H)
05/03(金) ○FC東京 3-2 鳥栖(A)
05/06(月) △FC東京 2-2 磐田(H)
05/11(土) ●FC東京 2-3 湘南(A)
05/18(土) ○FC東京 2-0 清水(H)
05/25(土) ●FC東京 2-3 鹿島(A)
07/06(土) ●FC東京 0-1 広島(H)

07/10(水) FC東京 × 浦和(A)
07/13(土) FC東京 × 新潟(A)
07/17(水) FC東京 × 甲府(H)
07/31(水) FC東京 × 清水(A)
08/03(土) FC東京 × 大分(H)
08/10(土) FC東京 × 川崎(A)
08/17(土) FC東京 × 横浜FM(H)
08/24(土) FC東京 × 磐田(A)
08/28(水) FC東京 × 鳥栖(H)
08/31(土) FC東京 × 広島(A)


◇◇◇  


 

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