激しい点の取り合いとなった土曜のFC東京対浦和戦。審判団のジャッジに眉をひそめる人たちも多かったと思うが、それでも首位・浦和の意地と変化と成長を見せつけたFC東京という熱の入った試合展開に、数多くのファン、サポーターが面白さを感じたはず。
ただ、その試合の前で、どうやらちょっと悲しい出来事があった模様。
浦和の応援のため味スタに駆けつけた男性がドロンパに向かって飛び蹴りをしようとして警備員に注意されたという一幕があったとのこと。
※“浦和の応援のため味スタに駆けつけた男性”……まぁ、端的に言えば浦和サポーターとなるが、そうすると十把一からげというか、一事が万事というか、僅かな人たちの過ちがまるでその全体の印象であるかのようになってしまうので、回りくどい書き方に。そもそも悪事を働くのはクラブ、チームにとってサポートとなっていない(むしろ足を引っ張っている)ので、サポーターと呼ぶに値しないんですが。
以下、次のようなツイートも散見。
ドロンパへの飛び蹴り未遂。 あたしの後方から男性がドロンパに向かって走り抜けて行き飛び蹴り…でもドロンパはローラーシューズ?をつけてて偶然かよけたのかはわからないけどスーッとかわし、その後警備員に注意される男性。— hiromi (@Nyan2Goku)
正直かなり怒りを覚えました。 でも、周りのレッズサポの方々がドロンパを可愛い~とかすごーいと言っている姿を見て収まりました。 やっぱりたちが悪いのは1部の人で私が初めてレッズサポの方々にお会いした印象はすごくいい人たちでチーム愛のある人たち。— hiromi (@Nyan2Goku)
その後もドロンパへ近付いて狙ってるのか…? 結局不気味な笑いを浮かべて離れて行きました。 私の目の前で起こったから鮮明に覚えてます。 あえてレッズサポの人とは言いません。他のサポの方に失礼なので。マナーの悪い男性のはなしです。— hiromi (@Nyan2Goku)
マスコット虐めとか万死に値するわ RT @urawa0624: 先ほど、東京ドロンパに飛び蹴りしようとしてるやつがいました。係員に止められましたが、同じ浦和サポとして情けない限りです。— 羊 (@GP_02A)
今シーズン、ドロンパがアウェイゴール裏への挨拶を回避したのは浦和戦が初めて。昨年も、唯一マスコットにブーイングしたチームだし、賢明だったと思うよ~。— 青赤自転車 (@aoakamiiko)
@aoakamiiko 試合前、青赤横丁でドロンパに跳び蹴りをしようとしたやつがいたというつぶやきを見ていたのであっちには行かないだろうなって思って注視してました。でもゴール裏一番左はじまでは行き、深々とお辞儀してたのを見て、あらためてうちのマスコットはできた子だと感心しました。
そのほか、FC東京と浦和のそれぞれのグッズを身に着けて一緒に歩いていた二人組や、浦和サポーターながらドロンパとの写真撮影をしようとしていた人たちに対して、浦和を応援しに来たと思われる男性が石を投げたとか、酔っぱらっていたのか暴言だか狂っているのか解からない言葉を言い放っていたなどのつぶやきもあった模様。
浦和の応援スタイルとして、マスコットが挨拶しに来てもブーイングして迎えるというのは、一つのネタとして見える部分もあるだろうから、まだ許容は出来るところだと思う。だが、相手も同意の上でのノリとしてならともかく、相手のものであれば何もかもが気に食わないとばかりに自分の身勝手な感情にまかせて悪意ある行動をしてしまうのは、本当に情けない。たとえ、そう思ってもグッとこらえて、むしろ、仮にそのようなことをやろうとした子供たちがいたなら、それを諌める立場であるはずの大人が子供たちでもわかりそうなことを平気でやろうとしてしまうという……。
マスコットはスタジアムにやってくるファン、サポーターたちを楽しませようと、次もまた来てもらえるようにと頑張っている存在。それは味方だろうが敵だろうが同じこと。鳥栖戦の記事でも書いたが、サッカーは相手があって初めて成立するもの。それが解からないような輩は、単純に相手を貶し、罵倒し、自己満足な振る舞いをしたいのであれば、相手が同席しない自分の家とかでTVの画面に向かってでも思う存分やってもらいたい。生観戦しなきゃ意味がないっていうなら、せめて自分のクラブのホームゲームで。アウェイの地までわざわざやってきてすることではないし、そんな輩はスタジアムに来てもらわなくても全く構わない。
そして、これは、人の振り見て我が振り直せということでもある。横浜F・マリノス対川崎戦での横浜のコアサポーターと思われる19歳の少年が川崎のレナトに対してバナナを使って挑発行為をしたなど(そもそも黒人のレナトに(黄色人種を揶揄するための)黄色いバナナを差し出す意味が解からない)、今季の浦和の一件があったにも関わらず、そろそろ喉元過ぎれば熱さを忘れるようなことになってきたのであれば、非常に悲しく、猛省が強いられてしかるべきこと。東京サポーターも“お調子者”気質があるだけに、相手のことも考慮しつつ、越えてはならないラインをしっかりと意識してハジけることこそが“粋”だということを肝に銘じないといけない。
今回のことでめげるドロンパではないはず。これからもその愛嬌ある笑顔(?)を見せてもらいたい。
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