*** june typhoon tokyo ***

林田健司@表参道FAB

2008 今年2月末に6年ぶりのオリジナル・フルアルバムをリリースした林田健司の“2008年春 林田健司 The Vagabond 独虎ツアー スペシャル!!”@表参道FABに行ってきた。バックは、林田の別ユニット、エロティカオのリーダー兼キーボードの伊藤薫とTOKO a.k.a. 吉川智子 from Amazonsの美形2名を含む、おなじみの安定感あるメンバー。TOKO姐さんはバッサリ髪をショートに、ドラムの玉ちゃんこと玉木氏は太い腕っ節をみせたタンクトップで気合入ってました。こまっちゃんこと小松氏はやはり後ろでクールに、べーやんこと林部氏は、相変わらずのアルフィー坂崎風でした。(笑)

 表参道FABということで、入場者数を考えると「んー、ちょっと狭く感じるんじゃないか」と思ったのですが、予想通り満員状態でした。まぁ、広い会場でスキスキガラガラよりも狭い会場でギュウギュウの方が熱気もやる気もあがるってもんですけど。
 
 本日のトピックとしては、“武道館を目指そう!”という発言が聞けたことと、2ndアンコールがいつものダラダラなアコギ・ヴァージョンではなくて、しっかりと2曲歌って終えたこと、でしょうか。
 あとは、アルバム『FLASHING』のリード曲ともいえるダンサブル・チューン「Y.T.O」を演らなかったことでしょうか。ただ、ライヴ終了後、“そういえば演らなかったな…”と気づいたくらいで、なかったからといってライヴの質が落ちたという訳ではなかったのですが。そう思えたのも、既発表曲の安定感ある演奏と2ndアンコールでバッチリと決めたアコギ語りの歌唱が素晴らしかったということなのかもしれません。また、ニュー・アルバム収録曲と既発表曲とのバランスが良かったこともありますか。

 今作は一聴した時は、久しぶりのオリジナル・フルアルバムという期待もあってか、それほど響いたものではないというのが正直な感想でした。ただ、聴いていると、突き抜けたキャッチーさやインパクトの強さは高くないが、しっかりと音に気持ちを練り込んだ楽曲が揃っているのに気づいたのも確かで。「Lady Man Eater」のChokkakuのアレンジや、「赤と黒」のクニちゃんこと田中邦和の妖艶なサックスの音色、「One Day New Days」「滂沱の涙」での梶原順のギター、そして何より多くを手掛けた林田自身のサウンドに、暗闇から曇り空から差し込む一筋の光を頼りにしてた頃を経て、進むべき道をはっきりと感じながら行く姿や気持ちを感じることが出来たというか。「Flashing Bus」なんて「運命はノン・ストップ GO GO GO」「Crime of god」が収録された『Oil Men+』の頃の匂いが感じられたりするし、林田健司たるべきファンクネスを活かした新鮮な音作りをしているなぁと。
 そういった感覚がライヴを体感することでより深まったというか、ようやくネクスト・ステップへとアップ出来るのではないかなという思いを、覚えました。 

 MCでTOKO姐とのデュエットが「Loose-Room Showtime」というだけなのもなんなんで、他にもデュエット曲をと言ってましたが(TOKO姐本人はもっと“愛”のある歌がいいわと言ってましたが…笑)、TOKO姐との相性もいいし、ぜひそれは実現して欲しいところ。そして、このバンド・メンバーは素晴らしいサウンドを奏でるし(そこに田中邦和のサックスなどが入ったらもっといいけど)、MC通りぜひこのメンバーでアルバム収録をして欲しいところですな。
 今日はいつも以上にバンドに耳を傾けつつ観ていたのですが、実際に出すサウンドはもちろんなんだけど、サウンドを奏でるチューニングというかコントロールというか、そういう手許でのちょっとした調整術を全体のバランスを瞬時に考えて行なえるフットワークと、サウンドをエンタテインメントの色を含んだものとして届けるというエモーションのエネルギーにみなぎっているのが、ことに素晴らしい。そういうバックに負けない歌唱を林田には望みたいところです。(武道館が実現したら、歌詞台はなしで!)
 いや、林田の歌唱は素晴らしいですよ。でも、元来素晴らしいヴォーカリストであるとわかっているだけに、ファンの求めるものは自然と高くなります。それをキープすることは大変辛いことだけれど(ときどきあれれっていう時があるから、それがまたファンの気持ちを落ち込ませたかと思うと素晴らしい歌唱を復活させ喜ばせたりという母性に訴えかけてるのかもしれないけど…)、林田の場合は技術というより精神の充実をいかに整えるか、だけだと思うので。
 
 別ユニット、エロティカオや夏には林田名義の対バンスタイルのライヴ(本人いわく「基本はオレメインだ!」…笑)もあるらしいし、ますます精神を充実させて、より多くの人々にそのグレイトな歌唱とファンクネスを体感させて欲しいところです。

 ところで、このツアータイトル“独虎”って“どっこ”or“どくこ”だとばかり思ってたら、“ことら”というらしい。本人が“このことらツアーも…”っていってたので。なぜ“ことら”?
 まぁ、でも、ライヴはよかったからいいのか。(ってそんなオチかよ…)



<SET LIST>

01 Flashing Bus *
02 紅いマボロシ
03 踊るパッション・ダモーレ
04 あらかじめ失われた恋人
05 Loose-Room Showtime
06 赤と黒 *
07 特別なひと・・・ *
08 Giri Giri Rope Down *
09 遠い日の二人
10 Long Distance Love
11 Silk Red Road *
12 Wedding Road *
13 Lady Man Eater *
14 Jealousy In Love
15 Funky!Ship
16 ティンクの囁き *
17 花に水やるラヴ・ソング
18 Cool
≪ENCORE #1≫
19 レッド・メガホン
20 彼女はDancer (独虎Ver.)
≪ENCORE #2≫
21 滂沱の涙 * (Acoustic Ver.)
22 One Day New Days * (Acoustic Ver.)

* : アルバム『FLASHING ~RAPHLES 16~』収録曲

<MEMBER>
林田健司 (Vo, G, Per)
林部直樹(G)
小松秀行(B)
玉木正昭(Dr)
伊藤薫(Key)
吉川智子(Cho)

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コメント一覧

野球狂。
ノッペさん、コメント有難うございました。
http://www3.to/jtt
ノッペさん、コメント有難うございました。
今回のは、レポというより単なる感想文ですよ…(/ω\)ハズカシーィ
ノッペさんのレポは情熱が凄いじゃないですか。細かいところまでちゃんと書かれてあるし。

> 少しは私の叱咤激励が効いたのか
さすが!影響与えてますよ、絶対。(笑)

コトラおねだり…そうなるといいですね!
ノッペ@candlevoice
こちらこそお久しぶりです!
こちらこそお久しぶりです!

いつもながらすばらしいレポに感激です。
(私のは単なる事実の羅列・・・)

後半に書かれている、精神力!
私も本当にそう思います。
今まで売れなかったのは、そこじゃないのかな。

少しは私の叱咤激励が効いたのか、最近ちょっとは
強くなってくれているようですね。(笑)
独虎(コトラ)東京もおねだりしてきたので、その節は
ぜひそちらにも参加なさってくださいね。
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