コノハズク(木葉木菟、木葉梟、学名 : Otus sunia)は、鳥綱フクロウ目フクロウ科に分類されるフクロウ。
インド沿岸、ヒマラヤ山脈、東南アジアから中国東部、朝鮮半島、南樺太、日本列島にかけて生息する。日本では九州北部から北海道にかけて夏鳥。
形態は全長20cm。日本で見られるフクロウ目では最小。頭部には小さい外耳のように見える羽毛(羽角)がある。虹彩は黄色。
日本列島には5月頃に飛来し、6月頃から抱卵する。一度に抱卵するのは4-5卵で、期間は24日前後。雛は約3週間で巣立つ。
主に山地の森林に生息する。夜行性で昼間は樹上に止まり休む。樹洞やキツツキの古巣で営巣する。
食性は動物食で主に昆虫類を食べる。
コノハズクは奥深い山で夜鳴き、夏鳥で5-6月頃にしか鳴かないので「ブッ・ポウ・ソウ」の鳴き声の正体は、長年明らかにならなかった。
ただし、「ブッ・ポウ・ソウ」の鳴き声の主がコノハズクであると考えた者がいなかったわけではない。
平安から江戸初期に描かれた「仏法僧」の絵がいくつか現存しており、そこに描かれているのは明らかにコノハズクだったからである。
近代になり改めて「ブッ・ポウ・ソウ」がコノハズクの鳴き声であることが明らかにされたのは、ラジオ放送がきっかけであった。
1935年(昭和10年)6月7日、日本放送協会名古屋中央放送局(現在のNHK名古屋放送局)はブッポウソウの鳴き声で有名な愛知県南設楽郡鳳来寺村(現在の新城市)の鳳来寺山で
ブッポウソウの鳴き声の実況中継を午後9時(21時)55分から30分間全国放送で行った。
その後、この放送を聴いていた人の中から「うちの飼っている鳥と同じ鳴き声だ」という人が現れ、その飼っている鳥を見せてもらうとその鳥はコノハズクであった。
そのコノハズクは東京・浅草の傘店で飼われていたもので、生放送中、ラジオから聴こえてきた鳴き声に誘われて同じように鳴き出したという。
鳴き声も「ブッ・ポウ・ソウ」と確かに鳴き、長年の謎だった「ブッ・ポウ・ソウ」の主はコノハズクだということが、ようやく確認された。
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