ビジネス書の要諦

「厳選されたビジネス書の名著を1分で読み返し復習する。繰り返し繰り返し日々読み返すことで自分のものにする」

考える技術・書く技術(バーバラミント)

2013年05月26日 22時39分00秒 | ビジネス書
○考える技術・書く技術

●ピラミッド構造について
・まず全体を要約する考えを述べ、全体の枠組みを明らかにし、次に個々を説明する。メッセージ同士の関係を分かりやすく表現する。
・ピラミッド構造の原則:①メッセージは下位グループを要約②グループ内メッセージは同じ種類③グループ内のメッセージは論理的に順序づけ。
・論理的な順序づけは4つのみ。演繹の順序:大前提、小前提、結論。時間の順序:1つめ、2つめ。構造の順序:北から南。比較の順序:1番、2番、3番目。
・読み手が既に知っている状況があり、その状況に複雑化が生じ、これにより疑問が生まれ、その疑問に後の文章で答える。
・主部と述部で構成される一つの文章がピラミッドの頂点にくる。これが文章全体のテーマになる。
・メッセージは必ず読み手に疑問を生じさせ、その疑問は1段下のレベルにて横並びで答える。
・グループ化に使う方法:帰納、演繹の2つ。①演繹的グループ化:普遍的状況を述べる→その普遍的状況の主部か述部について具体的に述べる。→2つの記述から導かれる結論を述べる。②帰納的グループ化:メッセージを同レベルの内容を表す事柄でくくる。(いくつかの理由、いくつかの問題点等)
・ピラミッドの内部構造
 ・主ポイントと補助ポイントの縦の関係 (Q&A形式)
 ・補助ポイント同士の横の関係     (演繹法か帰納法)
 ・導入部のストーリー展開(状況→複雑化→疑問→答え)
 ・頂上ポイントは読み手の疑問に答える
 ・導入部は読み手に疑問を思い出させる。
○ピラミッドを作る手順
 ・テーマを明らかにする。
 ・疑問を決める。
 ・答えを書いてみる。
 ・状況と複雑化によって、その疑問が導かれるかどうか確認する。
 ・答えが妥当か確認する。
 ・キーラインを埋める。

●導入部について
○導入部のパターン
 ・状況:(ご存知の通り)○○は××だ。
 ・複雑化:(しかし)□□は△△だ。  (ところが)□□は△△だ。 (そこで)□□が必要だ。 など  起承転結の「転」
 ・疑問:(では)いったいどうやって▽▽すべきだろうか?
○導入部
 ・状況を述べる。(議論の余地のない部分。読み手が納得すること。読み手が知っていること。歴史的事実)
 ・その状況で複雑化が発生し、  (状況の中で同意しながら言うこと。疑問の引き金。「問題」)
 ・その複雑化が疑問を引き起こし、 (主題についての読み手の疑問)
 ・その疑問に対して、文章が答えを出す。  (答え:疑問に対する答え。メインテーマ。ピラミッドの頂上)
○導入部の注意点
 ・導入部を考えることを手抜きするな。導入部に属すべき情報と本文で述べる情報を区別しろ。
 ・導入部では読み手が知っていることだけを伝える。
 ・導入部は、「状況」「複雑化」「解決」の三要素を必ず入れる。順番はこの通りでなくてもよいが必ず「状況」からスタートする。
 ・導入部は常にストーリー形式。主題に関する物語を伝えることで、読み手に関心を呼ぶ。合意することから伝える。
 ・読み手の最初の「疑問」。これが文章全体の中心軸。
○各ポイント
 ・状況:読み手が知っていること、議論する余地のないこと、既に一般的に受け入れられている知識。読み手を特定の時間と場所に誘い込む。
 ・複雑化:「問題」。伝えようとしている物語の中でおきる状況の複雑化。緊張を発生させ、疑問の引き金。
 ・疑問:仕事で使う4パターン。我々は何をすべきか?我々はそれをどのようにすべきか?我々はそれをすべきか?なぜそれが起きたのか?
 ・キーライン:主ポイントに発せられた疑問に対する答え。メッセージを書け。単なるポイントの羅列ではダメ。分類を書くな。それぞれのキーラインにも導入部
  (SCQ)で始めろ。

●演繹的理由づけ
○演繹法の形:2つの前提から結論が導かれる。①まず世の中に実在する状況を述べる②もう一つ世の中に実在する関連状況を述べる。(最初の記述の主部か述部を注釈)③上記の二つの状況が意味することについて述べる。
・文章全体像は帰納法を使う。演繹法を使うのはできるだけピラミッドの下層部。

●帰納的理由づけ
・帰納法:何らかの似ているものをグループにまとめて、類似の意味について意見を述べる。
・一般的な意味を見出す。帰納法は単なる羅列や情報提供ではない。「情報」と「考え」は違う。創造的な頭の働きが必要。
・帰納法の仕組み:それぞれのメッセージをグループ化して一言で表す。
・ボトムアップで質問を繰り返し、理由付けをチェックする。
  ・下位のメッセージから不適切な結論を導いていないか?
  ・他にも理由はあるのにその3つ4つからしか結論を導いていないか?(ほんとは数段上にあるべきメッセージでないか?)

●正しい順番で並べろ
・グループ内の考えは論理的順序に従って配置しろ。メッセージは偶然に集められたものではない。グループ化した根拠がある。
○配置の順序3種類
 ①時間の順序:ある結果の原因となるステップをプロセスの順に並べる。
 ②構造の順序:全体を部分に分けて、構造に対応する形で並べる。
 ③重要度の順序:その特徴を有する度合いの強さの順に並べる。

○時間の順序:時間の順序で並べ方:①実際の行動ステップ、②プロセスから導かれるもの。
 ①どれが原因でどれが結果か。因果関係をはっきり区分する。 (行動とその結果を同じグループに入れるな)
  ・グループ化する場合、中のポイントは5つを超えない。 (時間の場合だけの話ではない) 5つを超えると関連性が薄くなり、考えがぼやける。
  ・因果関係の間違いを防ぐコツはイメージ化。実行している姿をイメージし、ステップの実行終了時点でえられる成果を言葉にする。
 ②グループ化した理由になっているプロセスをはっきりと認識する。
○構造の順序
・構造の順序とは、目に見える様子を反映した順序。モノ、概念、プロセスなど。はっきりと適切に区分されていること。
・単純に図に表れるままに構造の部分部分を表現する。但しMECE に分けろ。
・構造の順序の例:時間の順序、構造の順序、度合いの順序、機能が遂行される順序、上から下、左から右など表れる順序、プロセスの順序、読み手が目を追う順序、説明しやすい順序、など。
○度合いの順序  (何も考えずにグループ化する傾向がよくある)
 ・グループ化した根拠をはっきりと認識し、その根拠を順序づけに反映しろ。
 ・共通の特徴を持つものをグループ化した時に用いる。(3つの問題。5つの要因、など)
  ①共通してもっている特徴を具体的に定義する。
  ②その特徴をもっている項目全てをグループに含んだか確認する。
  ③その特徴を備えている強さの度合いによって配列する。
○行動の考え方を配置
 ・各ポイントは最終成果物をイメージできる表現とせよ
 ・同一結果を導くアクション群を一つのグループとせよ
 ・グループ化の根拠となるプロセスや構造を明らかにし、順序に従い配置せよ
 ・見落としたポイントがないかチェック
○状況の考え方を配置
 ・同じ種類で表現される考えをひとつのグループとせよ
 ・グループ化の根拠となる構造や分類を明らかにせよ
 ・各ポイントを主語、述語を備えた文章形式に書き直し、配置の順序をきめろ。
 ・見落としたポイントがないかチェック
○グループの考えを要約
 ・行動を要約する場合、それらのアクションを実行することにより直接得られる成果を述べろ。
 ・状況を要約する場合、それらのポイント群の類似性の意味を述べろ。

●正しくグループ化しろ (論理的な推論をしろ)
・グループ化した正しい要約メッセージを導け。帰納的なグループ化の要約メッセージは下部メッセージの関連性が何を意味するかについて述べろ。種類を述べるだけの白紙の主張はやめろ。共通する特性の重要性を幅広く一般化して論じろ(つまり新しい考えを創り出す)。
・考えには2種類しかない。①行動(読み手は何かをすべきだ)②状況(こういう状況だ)
○適切な要約メッセージを作るために必要なこと。
 ・グループ化の根拠となる考え方の確認。それがMECEになっているか:プロセスによる順序か、構造による順序か、分類(度合い)による順序か。
 ・自分が作成しようとする「ポイントの種類」を考える。①行動:一連の行動によって得られる成果を記述する。②状況:各ポイントの類似性が何を意味するのかを述べることにより状況の考えを要約する。
○考えの類似性を発見せよ。:それぞれがすべて同じテーマについて述べている。それぞれがすべて同じアクションを必要としている。それぞれがすべて同じ対象に対するアクションについて述べている。それぞれがすべて同じ洞察結果を意味している。

〈行動〉
○ポイント
 ・各ポイントを裸にして類似のキーワードでグループ化せよ。
 ・各グループの階層の違いを明らかにせよ。明白な因果関係で構成する。。行動のレベルを階層化する。①この行動の前にする行動、②この行動を生み出す行動をはっきり区分する。
 ・各ポイントは最終成果物をイメージできる表現とせよ。それぞれの行動を具体的な言葉で表現する。:行動の終了が確認できる表現にする。
 ・アクションの実行により直接得られる結果を書け。
○総論
・グループ内の各行動は一つの結果を達成すること意外大きな関連性はない。
・次は逆にリストアップされた行動で何がもたらされるかを考えろ。(必要な行動のリストアップ後、モレをチェック)
○自分の考えを整理し分かりやすい表現のテクニック。各ポイントを最終成果物として具体的に書く。要約のレベルを階層化する。行動から直接得られる結果を書く。(具体的、階層化、直接的)

〈状況〉
○ポイント
・主語、述語、目的語、テーマ、状況、意味するもの等の類似点を発見せよ。
・各ポイントを出来るだけ狭くグループ化せよ。なぜこの考えをグループ化したか?他の考えではく、これらをグループでくくっているのか?を自問しろ。⇒どちらかになるはず①ある特性を有しており、特性で関連づけられる考え方だから。②ある結果を達成するために一緒にとるべき行動だから。
・そのグループ化が何を意味するのか述べよ。グループ化は考えの関連性を反映したもの。その関連性を定義して読み手に述べよ。(推論)
○各ポイントの共通する特性の重要性を一般化して論じ、新しい考えを創り出すために必要なこと。
 ・考えを結びつける構造上の類似点を見出す:主部が同じならグループ化する類似点を述部で探す。行動や目的、対象が同じなら類似点を主部で探す。主部も述部も同じでないなら、各ポイントが意味する判断に類似性を探す。このリストアップで要約表現を生み出す考えを発展できるか?
 ・類似点の中により深い関連性を見出す:第三の枝を見出せ。(例:情報はある。しかも的確。これで終わりか?フォーマットが適切か?もあるやろ)

●問題解決の手順
 ・問題定義:①問題はあるか?②問題はどこにあるか?
 ・原因発見:③問題はなぜ存在するか?
 ・解決策発見:④問題に対し何ができるか?⑤問題に対し何をすべきか?

●問題の定義  
・事前に問題を定義し、データの収集や分析を構造化しておく。
・読み手の疑問を導入部で展開(SCQ)する。
・読み手が直面する7つの問題。(メインは1~3)①解決の方法を知らない(what)②方法を知っているが確信がない③やり方を知らない(how)④実行したが上手くいかなかった⑤どれを実行すべきかわからない⑥どうあるべきかがわからない⑦そもそも問題があるのか?
・問題定義フレームワーク (ステップ)
 ・スタートポイント/オープニング:問題が発生したある時点のある場所での顧客。その構造やプロセスを図式化しろ。
 ・懸念される出来事:今までの安定を覆す出来事。(新たな競合の出現、新たな技術の転換など)
 ・R1(望ましくない結果):読み手が解決しようとしている問題を明らかにする。
 ・R2(望ましい結果):R1にかわって生み出したいもの。成果を出来る限り具体的に数値で述べる。(それができたか測定する)
 ・その問題を解決するために、今までアクションがとられたか明らかにする。
 ・分析の目的(分析により答えるべき疑問)を明らかにする。

●問題の分析(問題分析のフレームワーク(診断フレームワークとロジックツリー) )
○要点(問題のステップ)
 ・問題を定義する。
 ・診断フレームワークを用いて、問題の詳細構造を明らかにする。
 ・問題の原因を仮説的に設定する。
 ・設定した仮説の妥当性を証明するデータを収集する。
○イントロ
・調査する前の作業が重要。データを収集する前に問題分析を構造化する。データ収集の作業をこれらの理由の検証に集中する。
・仮説を設定。仮説を検証する方法を考える、仮説を証明する明確な結果が出るまで妥当性を確認する。証明された仮説に基づき提案する。
・分析のツールは診断フレームワークとロジックツリーの2つ。

〈診断フレームワーク〉
○診断フレームワークの例:問題となっている領域で今実際に何が起こっているのかを図式化する。集中して分析すべき要素を明らかにする。
 ①その仕組みが機能している状況を図示する。  (ビジネスプロセス)  構造を明らかにする。
 ②因果関係をたどる:(財務構造、タスクの構造、望ましくない結果を引き起こすか活動の構造)
 ③ありうる原因を類似性で分類する:
 ④選択しで分類する:あり得るべき原因かどうかの判定に確信が持てるまで単純に2つの選択肢を作り続ける。
・イエス、ノー質問の答えを求める。
・もし問題があるならどんな現象が存在するかを具体的に仮説設定し、その立証に向けてデータ収集する。

〈ロジックツリー〉
○ロジックツリー:問題解決に向けて複数の選択肢を考える。選択肢のインパクトを明らかにする。問題解決につながる活動を論理的にリスト化する。
・課題:イシュー:一つのポイントについて二つの主張があり、どちらかが最終的に受け入れられる。十分吟味され結論を出す段階にあるもの。

〈ルール、ケース、結果の順序〉
 ・演繹法(ルール→ケース→結果):値上したら売上が減る(ルール)。明日値上する。(ケース)。売上減るだろう。(結果)。
 ・帰納法(ケース→結果→ルール):値上した(ケース)。売上減った(結果)。値上げしたら売上減るのだろう(ルール)。
 ・不明推測法(結果→ルール→ケース):売上減った(結果)。売上減の原因は値上げ(ルール)。実際に値上が売上減らしたかチェックしよう(ケース)。