宇宙哲学の対話室

"宇宙"、"生命"、"人間"に関する問いかけと自然観察や奉仕活動について対話を繰り広げます。

人間は自分を知る量までしか人を理解できない

2018-08-23 16:36:26 | 近況報告
8月19日のセミナーの振り返り
安積氏の講義の始まる前、教室のホワイトボードには
人間って自分を知る量までしか人を理解できないんですね
と書かれていた。

この言葉が発せられた経緯から安積氏のお話は始まった。
その経緯を簡単にいうと、安積氏がかつて校長を務めていた高校の1年生が将来の進路について、ある先生に相談したところ全く的外れの答えを言われ、失望して1ヶ月学校を休んでしまった。休んでいる間は、学校の誰とも会わなかったが、登校するようになってからは以前と全く変わらない様子だったという。
登校するようになって1週間位して、その生徒が安積校長のところに相談に来て、学校を休んでしまった事情を話した。
当の先生の的外れの答えによって傷ついた気持ちを癒すのに一ヶ月かかったと言い、さらに付け加えたのがこの言葉だったとのこと。
安積氏は、この生徒の相談内容について具体的な事は言えないが、当の先生は真面目に生徒の話を聞き、決してありきたりの答えをした訳ではなかったのだが、この生徒の深い思いには全く届かない事を言ってしまったのだ、と語った。

安積氏は「辛い思いをしたとはいえ、この生徒は人間の理解力について深い洞察をした。高校1年生でもこのような洞察力を持つことができる、ということを思い知らされた」と語った。
この事件について具体的な説明がされていないので、思い違いや言葉の誤解釈があったかどうかは検証できないが、安積氏は両者の話を聞いて、当の先生の理解力不足があり、生徒が深い洞察をしたということを確認したのだと思う。

安積氏は「高校1年生でも深い洞察力を持つことができる」ということ強調していたが、この事件の背景を裏返して解釈すると「教職に就いている人間は深い理解力を持つ必要がある」と言いたかったのだろう。
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