ジュエリーでコーヒーブレイク!

ジュエリーは人にパワーを与え、邪気から守る奇跡の鉱物。アクセサリーとは違います。もっとジュエリーを知り、楽しんで下さい!

サントリーニ島に高級ジュエリー屋さんがたくさんある訳は・・・

2021年06月02日 | ちょっと面白いお話

 コロナが世界に蔓延して以降、どこの国の人も「外国を旅する」という、つい1年半前までは当たり前に楽しめたことが「夢物語」になってしまいました
 外食することでさえ難しいご時世です。いったいいつになったら、以前のように旅を楽しめるようになるのでしょうね・・・そんな日を夢見て、今日はちょっと「なるほど~」と思っていただけるお話を。

 ギリシャのエーゲ海に「サントリーニ島」という島があります。エーゲ海と聞いて、すぐに思い浮かべる「青い海、白い壁、真っ青な教会のドーム」という写真の多くは、そのサントリーニ島で撮られた写真です。でもね、その島はむかーし昔からそういう観光で賑わう島だったわけではありませんでした。
 1956年、サントリーニ島はマグニチュード7,8という大地震に見舞われ、島の多くの町が大打撃を受けたのでした。その壊滅的な惨状から立ち上がるため、力を入れたのが観光。そこで、今の姿の「イメージ」に変身したのがサントリーニ島の町々なんですね
 コロナ前は、夏のトップシーズンには、島にはたくさんのクルーズ船が停泊。毎日毎日、世界中からエーゲ海の青い海、そこに浮かぶ遺跡の残る島々を楽しむために訪れた豪華客船の観光客で賑わいました。

 港に停泊した客船から降りた観光客は、長い長い坂道を徒歩か、ロバに乗ってか、それともあっさりゴンドラに乗るか、で島の中心の町「イア」までやってきます。このあたりのことは、是非ぜひ、様々なサイトで観て、楽しんでくださいね

 そろそろイアに到着するかな?というあたりになると、いろいろな小さなお店が、階段状の狭い道の両側に並びます。お土産屋さん、レストラン、ジェラート屋さん、民族楽器屋さん、手作りのアクセサリー屋さん、そして、高級宝飾店

 

 ここは、「アレクサンドロス」というお店。
ウインドウを眺めただけで、そこに並ぶジュエリー達が、ヨーロッパ中から集められた洗練された最新のジュエリーであること、そして、ギリシアの香りのするオリジナルの高級ジュエリーであることがよくよくわかります
 興味津々でお店のご主人にたずねてみると・・・「なーるほど~~~」と合点がいきました。
豪華客船に乗って、サントリーニ島にやってくる世界各国の富裕層達。そういう人達の「サントリーニの記念、おみやげ」は、決して貝殻のネックレスやピアス、じゃないんですよ~、はっはっは 旅の間は、いつもよりも気も大きくなっているものですしね。

   

 下の写真のジュエリーは、このお店のオリジナル。上の写真のおじさんがデザインし、作られたネックレス、ブレスレット、リング、です。
 台は18金。ルビーとダイヤモンドをセンターに入れた、小さな円と四角のパーツをつなぎ合わせたデザイン。非常に手の込んだ、技術の必要な一品ものです

      

 少しビザンチン風のデザインですよね。
 ジュエリーから、新しい「なるほど~」を知るのも楽しい時間、でしょう?

  

 

 


ダイヤモンドって?

2021年05月19日 | かなり真面目なお話

 ダイヤモンドに限らず、宝石は鉱物です。ダイヤモンドは、鉱物学的には「C(炭素)」で表されます。そう、現代、地球温暖化の原因として、世界中から嫌われ者となっている「CO2」の「C」です
 ダイヤモンドは、10億年以上前、地下120~180キロあたりで、1200℃以上、大気の45,000倍という超高温超高圧のもと、誕生しました
 その後、地球の活発な火山活動により、ダイヤモンドはマグマに乗って音速以上のスピードで、一気に地表近くまで押し上げられます 急上昇したダイヤモンドを含む炭素の岩「キンバーライト」。この垂直に押し上げられた筒状のキンバーライトは、上昇スピードが速かったために一気に冷やされました でもね、もしその冷えるスピードが遅かったならば… ダイヤモンドはダイヤモンドではなく、真っ黒な石炭や黒鉛(グラファイト、鉛筆の芯の材料)になっていたのですよ 石炭やグラファイトも、ダイヤモンドと同じ炭素「C」由来の鉱物なのです。鉱物としては同じ!ちょっと信じがたいけれど、ふふふ

 最初にダイヤモンドが歴史上に登場するのは「インド」です
紀元前3,4世紀の頃と言われています。ダイヤモンドに限らず、多くの鉱物は高密度なために風化しにくく、地上近くにあったキンバーライトから分離したダイヤモンドの原石は、長い時間をかけて水の流れに入っていきます。
 こんな映画やアニメを観たことありませんか?一獲千金を夢見た男達が、ザルのようなものを持って、川で砂金を探す… これは「金」のお話ですが、宝石も同様に最初は「水の流れの中」から見つかることが多かったのですよね。ダイヤモンドも、まさにその通りで、インドの河岸で見つけられます。
 けれど、これはあくまでも「分離した原石」が川の流れに入って流れてきた、というだけですから、いつまでもそんなことが続くわけではありません そこで、やがて人は「宝石の原石がもっとたくさん眠るであろう鉱脈」を探して「掘る」という時代がやってきますが…それはずっと後世のお話。この手のお話は、また別の機会に。

 さて、話を元に戻しましょう。
インドで見つけられたダイヤモンド。しかし、ダイヤモンドはあまりに硬く、割ることは出来ても加工することが出来なかったため、その後、ながーい間、装飾品の宝石というよりも「非常に硬い鉱物」「未知の東方からやってきた神秘の石」として「魔除け、厄除け、お守り」のようなものとして、権力者達に大切にされたようでした

 古代ローマの有名な政治家でもあり、軍人でもあり、博物学者でもあった「プリニウス」は、彼の著書「博物誌」の中で、ダイヤモンドを鉄などと同様に「硬質な物質」として分類しています。
 ダイヤモンドの語源は、ギリシャ語で「征服できないもの」「無敵のもの」という意味の「adamas(アダマス)」という言葉の言葉です。この「adamas」の否定を表す「a」が取れ、イタリア語では「diamante」、フランス語では「diamant」、そして英語の「diamond」となります。

 さて、神秘的な魔除け、厄除け、お守りであったそのダイヤモンドに、大きな大きな転機が訪れます ヨーロッパ、混沌とした時代である1400年代。時の権力者ブルゴーニュ公シャルルは、ダイヤモンドを魔除け、厄除けとしてだけではなく、権力の象徴として「より価値あるものにしたい」と考え、ベルギーのアントワープに住む宝石の研摩師ルドウィック・ヴァン・ベルケムに一層の研究を依頼するのです。
 そして、1475年 ついにルドウィック・ヴァン・ベルケムは『ダイヤモンドを、ダイヤモンドで磨く方法』を発明したのでした。ここから、ダイヤモンドの「研磨・カット」の歴史が本格的に始まります。

 当時の最先端のカットは「ローズカット」。カット面は三角形で、ドーム型に24面にカットされ、裏面は平面です。バラの蕾に形が似ていることから、この名前が付きました。
 ラウンドブリリアントカットに比べると、カット面が半分以下ですので、光の反射は少なめで、光がダイヤモンドの中に取り込まれてしまうため、内包物までよく見えます 
 現代のラウンドブリリアントカットであれば光の反射によって輝きを助けてもらえるので、わずかの内包物があっても、「それなり」のダイヤモンドとなりますが、ローズカットではそうはいきません
 しか~し。当時は「ろうそくの光」が唯一の照明でしたからね。ろうそくの淡くて優しい光を受け、ローズカットのダイヤモンドが、どれほど美しく輝き、貴婦人達を優美に装ったことか…

 さあ、今日はこれくらいにしておきましょうか
ダイヤモンド愛が生まれましたか?今までとは、ほんの少し、ダイヤモンドが違って見えるようになっていたらいいな


ダイヤモンドの知識

2021年05月17日 | かなり真面目なお話

 宝石、と聞いて、真っ先に思い浮かべるのは「ダイヤモンド」ではありませんか?
その宝石の代名詞「ダイヤモンド」ですが、日本に輸入されているダイヤモンドの約80%は「工業用」のダイヤモンドなのですよ
 工業用のダイヤモンドと聞いても、ピンと来ないかもしれません
でもね、天然資源の中で、最も硬度を持つ物質であり、電気を通さず熱伝導にも優れているため、「切る」「削る」「磨く」「穴をあける」など、私達の暮らしに役立つものを生産する上で、無くてはならない工具として、工業用ダイヤモンドは幅広く使われているのです ダイヤモンド=高価な宝石、ではないのですね
 これが今日の一つ目の豆知識でした、ふふふ

 でも、ここで工業用ダイヤモンドについて、詳しくお話をしても、それほど楽しくはないと思うので、話を宝石のダイヤモンドに戻しましょう 
 今さらですが、あらためて「ダイヤモンドの4C」について。
カラット Carat」、「カラー color」、「カット Cut」、「クラリティー Clarity」この頭文字をとって4Cと呼ばれます。
 一つ目のカラットは、重さ
じつは、1カラットは0,2グラム、200ミリグラム、です
このようにカラットは重さですので、ダイヤモンドだけではなく宝石全般に「重さを表す言葉」として使います。例えば、「このルビーのリングは、センターのルビーが0.3カラットで、まわりのダイヤモンドの合計は0.5カラットです」このように表現します。

 次は、カラーですね。
そう「色」です。ダイヤモンドは、希少性の高い極々一部のカラーダイヤ(これはまた別の機会にお話ししましょう)を除いては「無色」の宝石ですが、実際にはグレードが落ちていくと、だんだん無色透明ではなくなっていきます。最も透明に近いものが「D」というカラーで表現され、ワンランクずつ下がって、E、F、G、H、I、J、K・・・と続きます。下になればなるほど黄色みがかっていきます。なぜかABCはありません。

 次はカット、です。
カットと聞くと、真っ先に思い出されるのが舌を噛みそうな「ラウンドブリリアントカット」かもしれません。
 ラウンドブリリアントカットは58面体。ダイヤモンドに注がれた光が、光学的に最も効率よく反射する形として考え出されました でも、このラウンドブリリアントカットに似たカットでも、そのダイヤモンド企業が独自に「我が社のこのカットが最高」と考えられてカットされる「フランダースカット」や「アッシャーカット」というものもあります。
 他には、ハートシェイプ、マーキースカット、ペアシェイプ、エメラルドカットなど、「カット」と聞くと、ダイヤモンドの形と思われがちですが、実際には「カット」と呼ばれている4Cのうちの1つの「C」は、じつはダイヤモンドの形(カットやシェイプ)ではなく、「カットグレード」と表現されるもの、です
 これは、カット面やカットの角度がどのように研磨されているか?ダイヤモンドと光が如何に相互作用するか?を評価するもの、なんですね。
 このカットグレードは5段階評価。もっとに優れたカットグレードは「Excellent」。次は「Very Good」、「Good」、「Fair」と続き、最後が「Poor」です。
 カットの良し悪しは、ダイヤモンドの輝きを大きく左右します。カット面同士の角度や対称性がベストのバランスを取っていなければ、十分な量の光が反射されず、美しい輝きが放たれないのです。
 想像してみてください
ラウンドブリリアントカットは58面もあります。その一面一面それぞれに光が入り、光学的にすべての面が効率的に光をはね返す・・・だから、あのダイヤモンドの「キラッキラ!」の輝き、になります。
 ところが、そのカット面がいびつだったり、カットの角度が決められた角度ではなく、少しでも歪んでいて、正確でなければ、光学的に計算された最高の反射は起こらない 確かに鉱物としてはダイヤモンドだけれど、極端に言えば輝きはガラス程度、ということもあり得るのです

 最後は、クラリティー
ダイヤモンドの透明度を表します。もしダイヤモンドの中に、たとえ小さくとも傷があったり、内包物があったとしたら、透明度が低くなります
 最も内包物のないものが「VVS1」。その次が、「VVS2」。そのあとは「VS1」「VS2」「SI1」「SI2」となります。
 「VVS1」って、何のアルファベットなのかな、って思いませんか?これは記号ではなく、単語の略です。VVS1は、「very very slighty included 1」の略です。「ほんとに、ほんとに、わずかな 内包物 1」(1,は内包物が1個、という意味ではありません)です。「V」が一個なくなるとvery が一つなくなるってことです
 
 さあ、これでダイヤモンド博士になりましたね
ダイヤモンドには、このようにしっかりとした基準が世界的な機関で決められているので、宝石としての価値が最も分かり易い宝石と言えるでしょう。価格も、これら4Cによって決まっていきます。

 では、実際に考えてみましょうか。
Aさん。「私は、とにかく大きなダイヤのリングを装うのが夢だったの。そこが私の基準大きなダイヤモンドをお願いします」という場合。
 Aさんの予算と照らし合わせながら、「大きさを優先して、Jカラーのもので、カットはFair。クラリティーはSI2・・・さあ、こんなのはどうでしょう?」ということになります。
 Bさんは、Aさんと予算は同じです。でもBさんは、こんなふうにおっしゃいました。「私は大きさよりも、ダイヤモンドの宝石としての価値を重視したいです小さくて良いです。」
 それでは、「大きさは0,3カラット。でもカラーはF、カットはGoodで、VS2。これはいかがでしょう?」

 このように、パズルのように4つの「C」を組み合わせながら、いろいろと考えるのも1つの楽しみ、ですよ
「おー、そういうことだったのね」とわかっていただけましたか?
見た目だけ・・・や、勧められるがままに・・・ではなく、最低限、自分で「わかって」眺める、選ぶ、は、新しい楽しさになること、まちがいなしです


宝石を知る!

2021年05月13日 | かなり真面目なお話

 「宝石は高価でしょう。そんな高価なものには縁がない」「縁のないものには、興味を持っても意味がない
 そういうふうに感じている人・・・少なくないかもしれません。

 確かに、宝石(宝石を使った装飾品は、ジュエリー)はアクセサリーと比較すると非常に高価です。でも、その「高価さ、がゆえに興味が持てない」のだとすれば、とてもとても残念でなりません

 このブログでは「宝石は高価なもの」ということはしばし横っちょに置いて、宝石、ジュエリーそのものに興味を持っていただければいいな、と思っています

 例えば・・・「犬や猫など、ペットは実際には飼わないけれど、でも、ワンちゃんもネコちゃんも好きです」、ということはありますよね。
 今はこんなコロナ禍にあるので、旅行に行くなんて簡単には考えられないご時世ですが、でも「頻繁にハワイに行くわけではないけれど、ハワイはだ~い好き」ということもありませんか?

 私は、自己紹介欄にも書いていますが、小さな頃から宝石が好きでした 当時はまだまだ子どもでしたから、実際に身に付ける、という年齢になるまではかなり待たなければいけませんでしたが、宝石を見たり、いろいろな話を聞いたりするとワクワクしました。そんな風に知識が増えていくうちに、宝石とアクセサリーとは「根本的に違うもの」ということを強く感じるようになったのです。

 宝石、ジュエリーが良くて、アクセサリーは良くない、ということではありません。良し悪しではなく「違う」ということ。

 宝石は、地球が「今の地球」になる過程で、自然の中でいくつもの、いくつものの偶然が重なり、誕生した「鉱物」です。そして、その鉱物がずっとずっとず~~~~~っと後世になって人の目に留まり、またまたいくつもの、いくつものその時代、その時代の技術によって、単なる鉱物から「ジュエリー」として生まれ変わり、私達の目の前にやってきた

 ちなみに・・・ダイヤモンドが誕生したのは、今から10億年以上前、と言われています。
 私達が一番よく知っている恐竜「ティラノサウルス」が地球上を闊歩していたのが、約6700万年前の中生代白亜紀の末期です。
 そして、私達「ホモ・サピエンス」が誕生したのが、およそ20万年前。
 今、指輪やピアスとなって私達の目の前に登場するダイヤモンドさんが、どれほど長く地中に眠っていたのか?ということ、わかっていただけたでしょう。

 いかがですか?
少しだけでも「宝石のことを知るって、おもしろい」と思っていただけたでしょうか?
 これからも、なるべくたくさん、宝石についての「いろんなこと」をご紹介したいと思います。乞うご期待です