なぜか、おかみさんは私の名前を知ってた。
「え～？おかみさん、私名前言ったっけ？」
「ええ、おっしゃいましたよ。アパレルのお仕事されてるでしょ。お友達はデザイナーの方で。」
記憶にないよ。やっぱり、かなりあの夜は酔ってたんだ～・・・
「高橋さんも楽しそうでしたね。今度来られたら、ふーさんがまた寄ってくれたって伝えときますね。」
「よく来られるの？高橋さん、きっと覚えてないですよ。かなり、いい気分でしたし。」
「いいえ、ああ見えてあの方覚えてますよ～。月に３～４回は来られます。」
覚えてる？まずいよ、それ。私、高橋さんを「高橋～！」と、呼び捨てにしていた・・・
その事ははっきり記憶にある。
しかも、団塊世代の殿方に説教した
恐ろしい～・・・・
「ふーさん、きっとこちらの方と気があいますよ。」
と、紹介されたのは、カウンターに座ってた一人の女性。50代後半くらい。
「しーちゃんって言うの。広島の方。」
髪型も雰囲気も田嶋陽子に似てる。
「しーちゃん、こちらの方関西の方。」と、紹介され３人で話す。
しーちゃんは年に50回近く観劇するのだそう。東京にも観劇のため来てるんだって。
五反田のホテルを定宿にしてて（私と同じホテルだった）東京に来たら必ず鳥茂に寄るらしい。
おかみさんと年齢が同じくらいで気心は知れてるようだった。
私達３人には共通点があった。３人とも血液型はAB型。
しーちゃん 「AB型って、偉そうで嫌よねぇ！すぐに人に説教したりして。」
私 「そうですよね
私もそんなところがあって・・・しーちゃんもあるんですか？」
しーちゃん 「私なんて若い頃、しょっちゅうよ。酔っ払ったら、すぐ隣にいる人つかまえてさぁ。それでエライ目にあったことあるわよ。説教した相手がやくざでさぁ、灰皿ぶつけられて前歯がかけたのよ～！」
「え、え～！そうなんですか・・・」
「あなたも気をつけなさいよ！」
「は、はい
ホントに。」なんで、わかるん？一昨日の光景見てたの～！？高橋さんがおとなしい人でよかった。以後注意
「ふーさん、ごめんなさいね。さっきお客さんから少しお酒いただいて、今夜はいい気分なの。ねぇ、３人でカラオケい行こうか。ねぇ、しーちゃん。」と、おかみさん。
えっ・・・３人でカラオケ！？ワ、ワ、私は遠慮させていただきます
心の中でつぶやく。明日ははりきってIFFの見直しに行かないといけないし～。時刻はすでに12時を過ぎていた。
「いいねー
行こう、行こう。」「あなたも行くでしょ？」と、しーちゃん。
「ありがとうございます。行きたいのはやまやまなんですけど、明日朝早くって
」
「何言ってんのよ。あなた、関西人でしょ！しかも私達３人はAB型なのよ。断れるわけないわよね～！それにあなた、私達より若いんだから少々夜更かししたって大丈夫よ！気力で仕事すればいいのよ！」
髪型が田嶋陽子に似てるだけではなく、喋りも気性も似てる・・・そりゃあ私は関西人でAB型。でもそれは関係ないと思うんだけど。
でも、そこまで言われて断るわけにはいきません！そう、私は関西人です。おかみさんとは今夜で２回目だけど、大好きだし。
「行きます！行かせていただきます。」
「そうよ、そうこなくっちゃ！。おかみさんは今日飲みたいのよ。」
おかみさんは最愛のご主人を１年前に亡くされとても寂しいんだって・・・
息子さんにお店の後片付けをまかせ、私達３人は店を出た。
おかみさんもしーちゃんも千鳥足。私が真ん中になり２人の腕をとって歩く。
酔って腕をとられた事は数々あれど、酔った女性２人を、しかもその２人は初対面。なんて初めての経験です。
「大丈夫～？」と大きな声をかけながら見知らぬ町を歩く私はいったい誰？。だけど、せちがらい今の世の中、信用できない人もたくさんいるだろうけど、こんなに素敵なあったかい人もいる。私はその夜に感謝した。
あたたかく、嬉しかった
おかみさんはご主人が好きだった歌を涙して歌った。美空ひばりの歌。しーちゃんはしーちゃんで、心の傷を話してくれた。
人生の先輩二人の姿、話には説得力があった。とくと、学ばせていただきましたよ～！翌日は先輩がおっしゃられた通り、気力でしっかり仕事しました。
私の東京の定宿、決まりました
その夜、カラオケ店を出たのは４時・・・・・・・・・
追記 展示会報告
2007年秋冬の傾向は、ニットワンピー、チュニックセーター、オフタートル
追記 鳥茂
品川区東五反田１－１５－８－９
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