goo blog サービス終了のお知らせ 

Re:-石魂のポツリ言-(=゜ω゜)ノシ

石魂が運営するサッカー(浦和中心)とサブカル全般を扱うごった煮blogです。

映画感想「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(原題GUARDIANS OF THE GALAXY) 

2014-10-04 23:29:34 | 映画感想(多分にネタバレ含む)
同作品は何も考えずに見ても最高な作品であることになんら変わりはありませんが、ディテールに触れることでより楽しめる作品でもあります。
ネタバレしてもほぼ大丈夫な作品だと感じますが、どうしてもネタバレは避けたい!という方は映画鑑賞後にご一読頂ければ幸いですm(_ _)m

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」


映画概要
全員が犯罪歴をもつお尋ね者たちがチームを組み、銀河滅亡の危機を阻止する戦いに巻き込まれていく姿を描いたマーベルコミックの映画化作。自らを「スター・ロード」と名乗り、いい加減な性格でプレイボーイなトレジャーハンターのピーター・クイルは、ある日、惑星モラグの廃墟で謎の球体「オーブ」を見つけ、盗み出すことに成功する。しかし、そのオーブは銀河を滅亡させるほどの力を宿したパワーストーンで、暗躍する「闇の存在」が探し求めていたものだった。オーブを狙う者たちに追われ、凶悪犯だけが収容されるという銀河一危険な収容所に入れられてしまったピーターは、そこで一緒になったロケット、グルート、ガモーラ、ドラックスと協力して脱獄。たまたま利害関係が一致しただけで信頼関係もない5人は、内輪もめを繰り返しながら逃亡を続けるが、そんな彼らに「闇の存在」の魔の手が迫る。(以上、映画.comより抜粋)

スタッフ

監督 ジェームズ・ガン
製作 ケビン・フェイグ
製作総指揮ルイス・デスポジート
     アラン・ファイン
     ビクトリア・アロンソ

キャスト
クリス・プラット ピーター・ジェイソン・クイル(スター・ロード)役
ゾーイ・サルダナ ガモーラ役
デビッド・バウティスタ ドラックス役
ビン・ディーゼル グルート役(声)
ブラッドリー・クーパー ロケット役(声)
リー・ペイス ロナン役
マイケル・ルーカー ヨンドゥ役
カレン・ギラン ネビュラ役
ジャイモン・フンスー コラス役
ジョン・C・ライリー ローマン役
グレン・クローズ イラニ・ラエル役
ベニチオ・デル・トロ コレクター役
ジョシュ・ブローリン サノス役

予告編はこちら↓(日本版予告はイマイチなので、アメリカ版です)


細けぇことはいい。
本年度最高傑作です!

・・・で終わってもいいですが、やはり大好きな作品はディテールを語りたくなるジャナイデスカ・・・。

とはいえ、先ほど宇多丸師匠が「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」内にて我々のようにこの映画にヤられてしまった連中の言いたいことをほぼ全て語ってくださったので、是非ともpodcastで、同評論を聴いて頂きたい所です。

それでも、なお語り足りない!或いは宇多丸師匠が触れきれなかった部分もありましたので、今回は個人的にグッときたシーンを中心に、レビューしていこうかな、という感じです。

・・・その前に非常に個人的な前置き。
ワタクシ、東映の特撮シリーズ、特に「スーパー戦隊シリーズ」が非常に好きでして。
大体東映特撮の場合、仮面ライダー派スーパー戦隊派に分かれる所ですが(メタルヒーロー派の方すみません)、僕は圧倒的にスーパー戦隊が好きなのです。
とはいえ、近年の東映特撮の方針としては、「仮面ライダー=大人も楽しめる作品」「スーパー戦隊=子供向け作品」という住み分けが露骨に為されている感じがして、非常に不満。。

そんな住み分けの「きっかけとなった」と呼ばれる作品に非常に思い入れがありまして。。
それが「未来戦隊タイムレンジャー」なのです。
新番組時の予告はこちら(キャプチャー画面がちょっと怖い)↓


この作品、同時期放映作品として平成ライダーシリーズの1作目にして傑作「仮面ライダークウガ」がありまして、マニア的には特撮史上でも最高の1年と呼ばれていたりします。

この「未来戦隊タイムレンジャー」お話は非常にシリアスでありながら、ドラマティックでして、大人の視聴に耐えうる傑作だと感じていますが、いかんせん、なんですか、要するにおもちゃが売れませんでして・・・。

次の作品「百獣戦隊ガオレンジャー」が色んな意味で大ヒット(当時ちゆ12歳とかでネタにされてましたね・・・。)した事もあり、以降東映はシリーズの住み分けをなんとなく行うようになりました。

さて、タイムレンジャーのどこが魅力的かというと、「元々チームとしてまとめられたわけではない連中⇒それぞれが個人的なドラマや事情を抱えている事が明らかに⇒お互いが痛みを分かち合いながらチームとして結束していく」というグッとくる展開を丁寧に描いている部分にあります(意外とここに重点を置いているスーパー戦隊作品は少ないのです)。

また、第1話で、主人公がなんとなく発した言葉が、最後まであるキャラクターにとっては重要な言葉になっていたり。
元いた時代への執着を人一倍見せていたキャラクターが、最終回では最も現時代への執着を見せるようになったり

とにかく細かい伏線の設定、回収が素敵な名作なのです(脚本・シリーズ構成の小林靖子さん、マジリスペクト!)

もしお時間ある方は、現在ようやくDVDスルーもされましたので(それでも手に入りづらいのですが)、是非チェックして頂ければという所です。

文脈と関係なくタイムピンク(ユウリ)役の勝村美香さんを貼る。
美しいなぁ(ボンクラな感想)。。


・・・前置き長くなりましたが。。
なぜこの話をわざわざ書いたのかというと、僕が「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」にグッときた理由の一つとして、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー=俺の見たいスーパー戦隊」だったからにほかならないからなのです。

①「ボンクラたちの結束が素晴らしい!」

よく「戦隊ものは5人で一人の怪人をボコボコにするけど、それってどうよ?」なんてことを言う人がおります。
しかしながら根本として、「一人だと到底立ち向かえない強敵に、チームとして協力し立ち向かう」のがスーパー戦隊なので、物語の根本的な要素を理解していない批判だと感じます(とはいえ、そう言わせてしまうような作品が戦隊の中にもあるのが、問題なのでしょうが)。

ガーディアンズのメンバーたる5人も、一人一人の戦力としては微妙なところがあります。

主人公ピーターは、戦闘能力のアベレージは高いですが、どちらかというとガジェットを駆使しながら、機転を利かせて戦う小兵タイプ。
紅一点ガモーラは近接格闘技のスキルは秀でていますが、兵器などの操作は今ひとつ。
皆大好きロケット様(アライグマ型宇宙人)は兵器に関してはエキスパートですが、もちろん近接格闘技は不得手。
肉体面で最も優れているドラックス。格闘能力はメンバー随一ですが、頭がちょっとアレなので、小回りは利きません。
優しき木の怪人グルートは、戦闘能力は秀でていますが、思考が読めないのと、動きがスローなのが欠点。

そんな彼らがチームになるとき、お互いの欠点を補完しあう最良のバランスが生まれるのです。

今回のボスキャラであるロナンは元々身体面、戦闘面でも優れたキャラクターでありながら、石の力を手に入れ、もはや「無敵の存在」となってガーディアンズに立ちはだかります。
観客である我々にも、「ロナンとドラックスの一騎打ち⇒ドラックスボロ負け」の流れを直接的に見せることで「こりゃ、一人じゃ到底かなわないぞ・・・」ということを理解させ、それが「チームでなければロナンを倒せないのだ」という理屈に自然と結びつけていきます

ジェームズ・ガン監督、上手い!

また、戦闘面だけでなく、彼ら一人一人がドラマを背負って生きてきたことを散りばめて描くことで、結束していく様をドラマティックに見せる事に成功してるのも白眉です。
ドラックス、ロナンにボロ負けでショボーン(´・ω・`)⇒ロケット、ドラックスに説教「妻と娘が殺された、ウワ~ン?誰だって大切な人を失って生きてるんだ!お前だけが不幸みたいな面してんじゃねぇ!」の流れとか最高でしたね~。

このセリフ一つで、ロケットの過去も間接的に表現してみせているわけで。
↓このアライグマ、漢だぜ・・・。


スーパー戦隊が1年かけて見せるドラマを、121分で表現しきる監督の手腕。素晴らしい!

そして、一悶着あってようやく結束した5人が、図らずとも同じユニフォームに袖を通す(正確には4人ですが)シーンはホント号泣もの。。

思わず「これや!これが俺の見たかったスーパー戦隊なんや!」と(脳内で)叫んでおりました。

↓ラヴェジャーズのユニフォームのクリムゾンレッドが、また最高にカッコイイ!
このシーンだけで5億点ですわな。


②何度も見返す事でわかる人間関係の奥深さが素晴らしい!

とりあえず、この映画今のところ3回見ておりまして(2D字幕2回 3DIMAX1回)。
あと2回くらいは見に行く予定なのですが、それはさておき

繰り返し見ることで、人間関係が変化して見えるようになるのは、良い作品の典型だと思うのですが。

特に強調したいのは、ピーターと、その育ての親たるヨンドゥの関係性。

↓青い顔したイカツイおじさん。噛めば噛むほど味のある良いキャラクターに。


物語開始数分で9歳のピーターを宇宙船で誘拐したのが、このヨンドゥなのですが、このふたりの独特な関係性が良い。

物語序盤、ピーターは物語のキーとなる秘宝を盗み出す事に成功するわけですが、これは実はヨンドゥを筆頭とするならず者軍団「ラヴェジャーズ」の仕事であり、ピーターはその一員でありながら、ボスであるヨンドゥを出し抜いて、秘宝を売り捌こうと画策します。

当然怒り心頭のヨンドゥ。
仲間に「やつに賞金をかけろ」「生け捕りにしたら、俺が直接殺す」なんて物騒なことを言い出します。

事情や背景を知らずに見ているとコワー(゜д゜lll)と思うだけですが、二人の関係を頭に入れてから見直すと、また違うシーンにも見えてくるのです。

ドタバタの末、ラヴェジャーズの船に捕まってしまうピーター。
ピーターがロナンに秘宝を奪われた事を知ると、ヨンドゥは自身の武器「ヤカ(槍のような武器を口笛で操る)」でピーターを殺そうとします。
そんな緊急事態にピーターは「待ってくれ!実は秘宝を取り戻す術を俺は知っている」「彼女(ガモーラ)はロナンの船の弱点も知ってるんだ」「秘宝を取り戻して、売りさばいて、また皆で楽しく稼ごうぜ!」などと口八丁で乗り切ろうと試みます。

そのピーターの言葉に「ニヤリ」とするヨンドゥ。
初見では「そんな口八丁で誤魔化されるなんて、ちょっとオメデタイ人なのか?」などと思ってしまいますが、2度目に見たときには、ピーターが「何か言い訳をするのを待っていた⇒反応があったので嬉しくてニヤけた」という風に見えます。

そもそも、気弱ながらも正義感はあった少年ピーターを、機転の利くトレジャーハンターに育て上げたのは、ヨンドゥなわけで。

この一連の言動や反応だけで、ピーターがサバイヴしてきた環境と、ピーターとヨンドゥの関係性をも浮かび上がらせることに成功しているのです。

そしてラストシーン(ここは重要なネタバレです。映画未見の方は読み飛ばしてください。)

~~~~~~~~~ネタバレ~~~~~~~~~~~~
苦戦の末、ロナンから取り返した秘宝を渡せと迫るヨンドゥ。
ピーターは躊躇しながらも、仕方なく秘宝をしまってあるポットを手渡します。
「ヨンドゥ、絶対それを開けるなよ?開けたらどうなるかわかっているだろ?」と言い含めて。
それを聞いて、ニヤリとするヨンドゥ。

宇宙船に乗り飛び立つ際に、部下と会話します。
「あいつ(ピーター)も立派に成長してくれたと父親もきっと喜んでいますぜ」
「あぁ、あいつのオヤジは大馬鹿野郎に違いないぜ」

飛び立った宇宙船を見ながら、ガモーラと会話するピーター。
「ギリギリでニセモノとすり替えたのバレてないかしら」
「あぁ、なんとか上手くいったな」

なんと、ヨンドゥに手渡した秘宝は、あらかじめ用意していたニセモノだったのです。
ピーターやるぅ!('∇^d) という感じですが、エンドロールでヨンドゥはポットを平然と開けてしまいます。
そして中からは、身代わりのトロール人形が登場⇒またまたニヤリと笑うヨンドゥ。

初見では「してやられたぜ」というニヤリ顔とも思えましたが、二人の関係性を知って見ると、ヨンドゥはポッドを手渡された時点でニセモノだと気づいていたようにも思えます。

そうしてみると、飛び立つ際に言ったセリフ「あぁ、あいつのオヤジは大馬鹿野郎に違いないぜ」というのは、自分の事を指した自虐セリフなのでは、とも思えるのです。(俺ってピーターに甘いよねぇ的な)

更に中盤で、ヨンドゥが自身の操縦席に、「可愛い小物を置くのが趣味」という意外な事実も明らかになりますが、ピーターは当然それを知ったうえでトロール人形を仕込んだとも考えられるわけです。

口では罵り合いながらも、実は強く結びついている絆というのは、ガーディアンズの関係性とも同じで、この映画の軸となる要素でもあります。

ジェームズ・ガン監督 上手い!(本日2度目)
~~~~~~~~~ネタバレおしまい~~~~~~~~~~~~

そんなわけで、人間関係の描き方だけで、ヨンドゥがピーターを殺さない理由、すなわち「なぜ本来の依頼者にピーターを渡さなかったのか?」という事実が次回作への大事なブリッジになっていることも匂わせているのです。
2017年が待ち遠しいぜ(マジで)。

③音楽が素晴らしい!

このあたりは映画評論家の町山さんもたまむすびでガッツリ触れられていましたが
町山さんは当時の楽曲を知っていると、より楽しめるとおっしゃられていましたが、ほとんど知らなくても、全然大丈夫!
なぜなら、映画のBGMとして、全ての楽曲がピッタリだからです!
文脈なんて考えずとも、普通にアガる!

映画冒頭ピーター少年が聞いているSONYウォークマンから流れる10ccのI'm NOT IN LOVEからしてハイセンスですし。


ピーター少年宇宙船に誘拐される⇒マーベル社のロゴ出る⇒数年後成長したピーターが無人の惑星にやってくる⇒おもむろにSONYウォークマンを取り出し、イヤホンを耳に挿す↓

BGMが流れると同時に、タイトルバックがドン!


はい、5億点!
ですよ、ホント。

このオープニングのアガりっぷりたるや、ホント素晴らしいです。
特にこのCome And Get Your Loveという曲は、脳にこびり付いて取れなくなるほどの中毒性を秘めておりますイイキョクダナー(´;ω;`)

あと個人的には、ラストシーンの曲のつなぎには号泣もの。
また個人的な話で恐縮ですが、僕の大好きな歌手として、マーヴィン・ゲイとマイケル・ジャクソンがいます。
二人はモータウンの新旧スターであり、文脈的に繋がりもあるわけですが、この二人の代表曲を文字通り繋げて、なおかつ映画内の文脈とも重ね合わせるという巧妙さ

特にED前にかかるAin't No Mountain High Enough↓


は本来ラブソングなのですが、詩がまるっきりガーディアンズの事を歌っているかのよう。

また、この曲を主人公ピーターの母親が愛していたということ=ピータの両親が共にこの曲を聴いていたという事実にもつながるわけでして。

動画内で仲睦まじく歌っているのは、マーヴィン・ゲイとその最良のパートーナーであったタミー・テレルという歌手です。
タミー・テレルは原因不明の脳腫瘍で若くして亡くなり、パートナーを失ったマーヴィン・ゲイはひどく落ち込み、晩年になるまでテレルとのデュエット曲を歌えなくなった程ダメージを受けました。

そのマーヴィン・ゲイ自身も、父親との確執の末のいざこざで、その父親に銃殺されるという、驚くべきハードな生涯を送っており、その悲しい末路を知ってこの曲を聞くと、なんとも切ない気持ちになるのです。

また、この二人が見せた一瞬ですが、至福といえたデュエットの姿は、ピーターの両親の姿にも重ね合わすことが出来、非常にぐっときます。

そして、映画の最後用意されたのは、作中かかる曲の中で最も大物といえる、ジャクソン5の「I Want You Back(戻って欲しいの)」です。


説明不要の名曲ですが、もちろんこれは観衆たる我々の思いを代弁した曲です。
「またガーディアンズに会いたいよ!」
そんな思いに応えるように映画は「ガーディアンズは戻ってくる!」という力強いメッセージと共に終幕を迎えるのです。

またマーヴィン⇒マイケルへ引き継がれたモータウンのスターのバトンは、ピーターの両親⇒ピータへと託されたバトンの比喩とも取れます。

そういう事、当然考慮して作ってるんでしょ?

ジェームズ・ガン監督 上手い!(もういいや)

あぁ、長くなりすぎた。
あとはジェームズ・ガン監督自身の話とか、監督の代表作である「スーパー!」がなぜ素晴らしく、「キックアス」シリーズがなぜ嫌いなのかという個人的な話とか、そういうのも書きたいけど、それは既に「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の感想とは関係なくなるし。
また別枠にしましょう。

点数?
そんなの採点不能ですがな。
10兆点までつけていいなら、10兆点ですけど。
100点満点なら、間違いなく100点
今年の最高傑作ですよ。重ね重ね。

「総評」
ボンクラチームの結束と、素晴らしき音楽に酔いしれる121分。しかし体感速度は10分くらい。劇場でかかっている限り、何度も見に行くべき大傑作!


大人から子供まで、だれでも楽しめる敷居の低い作品なので、迷っている方はとりあえず見てみてください!
オススメです!

最新の画像もっと見る

コメントを投稿