本を読む。
黙々と本を読む。
すると次第に本の世界に引き込まれる。
まるであたかも自分がその世界の住人であるかのように。
まるであたかもその本の主人公であるかのように。
気付くとこっちの世界とあっちの世界がくっついちゃっている。
本の中の僕が世界を旅している。
読み終えるとその余韻は心を満たし、何かをやり遂げた気持ちになる。
旅を終えた充実感が心に広がり、じわーっと感動と興奮が残る。
今、僕は宮部みゆきのブレイヴ・ストーリーを読み終わったところなのだが、
僕自身がワタルになって幻想の世界を旅したような錯覚に襲われている。
押し寄せてくる感動と暖かい気持ち。
なんかちょっと強くなれた気がする。
これは勇気のおすそわけってやつ?
そういう気持ちにさせてくれる本って素晴らしいと思う。
このブレイブ・ストーリーに限らず宮部みゆきさんの本は、引き込まれやすくて読んだあと暖かくなる。
次に何を読もうと思い、ブックオフに行った。
だけど、特に買おうと気にならなかった。
まだ読んだ本の世界に浸りたいから、まだ読んだ後の余韻を味わいたいから。
そんな気分を少しでも残したいと思い、近くのマンガ喫茶に流れ込む。
言葉・文章に表しておきたいと思った。
『ブレイヴ・ストーリー』※ここからちょっとネタバレ。
タイトルの通り、勇気の話。
目の前の現実や自分に都合の悪いモノや汚いモノ、そして辛いことから目を背けるんじゃなく、それらをしっかり受け止めていこう。
大事なのは、それらをしっかり受け止めようとする勇気。
旅を通じてそのことを学んだ主人公のワタル君は強くなった。
最初、自分の世界を変えたいと思い、旅をすること。
でも旅をする中で違うことに気付いていく。
変えるべきものはこの世界ではなく、自分自身なのだ、と。
世界の仕組みだけを変えるのではいつまでも同じ事の繰り返しをするだろう。
なんでも自分の思うようには行かないと、
うまくいかないごとにリセット。リセット。リセット・・・。
そんなことばかりしてたらキリがない。
自分が変わることで世界は変われる。
そう、勇気を持って・・・。