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東京、ライブ、ロックンロール

ライブの記録等。フライングアップルです。

一般社会人がイベント主催者として企画ライブを開催するための手順※最終加筆2021/9/30

2021-09-30 14:00:00 | ライブ


まず手順を簡単に書けば

・会場と日程決定

・アーティスト出演交渉・決定

・タイムテーブル決める

・チケット販売、宣伝

・本番

・打ち上げ

です。


次に開催のために大切なことを書くと「好きなアーティストの多さ」「ライブハウスやアーティストとの信頼関係」「お金」の3つだと思います。


ここで自己紹介を簡単にすると、タイトルからわかるように僕自身は一般企業の会社員で仕事は音楽とはまったく関係ありません。
ただ趣味でライブに行くことが好きでコロナ禍前は年間150本以上ライブを見ていました。そんな中で自分でもライブを企画してみたいという気持ちが強くなり2016年から年1,2回のペースでライブ企画をするようになりました。

ですので以下はあくまでも僕の手順です。これが絶対ではないと思います。







まず想定の規模感としてはフルの収容人数100人から200人のライブハウス、出演アーティストはインディーアーティストです。
東京のライブハウスで東京のアーティストにオファーして企画することを仮定して書きます。

はじめての企画なら半年前くらいから動き始めた方が良いと思います。早すぎて困ることはないでしょう。




①会場選定

まずは会場を決めましょう。基本的にどのライブハウスも素人イベンターの自主企画ライブに門戸を開いています。ライブハウスに連絡しましょう。会場使用料が書いてあるライブのHPもあるので参考になるかと思います。だいたい

平日夜→10万円前後
休日夜→15万円前後

を上限に考えて良いと思います。ここを上限にしてこれよりもだいぶ高い場合はいったん持ち帰って考えても良いかもしれません。

また料金はライブハウスの裁量で決まるところが大きいため上記より割安で借りれる場合もあります。そしてぼくの経験として休日昼間は平日よりも格安で借りれる場合が多かったです。

一度連絡を取ったら直接店長さんと会って、具体的なシステムを聞きましょう。またイベント当日に台風が直撃して中止になった場合等のもしものときの対応も念のため聞いておいた方が良いでしょう。


ライブハウス側からは、この時どのようなイベントを考えているのか必ず聞かれますので、答えられるようにしておきましょう。とはいってもオファー予定アーティストや何組呼ぶ予定か、いつ頃の開催予定かくらいで良いと思います。

ちなみにぼくの場合、この時店長さんに名刺を渡しました。


―――――――――――――――――――――――
ここまでが形式的な話です。以下は実際は…って話です。


上記のことをする前に懇意のライブハウスを作っておいた方が良いと思います。
具体的には、そのライブハウスのライブに3、4回とか通って店長さん等と多少なりとも話しておく。その方がその後なにかと得でしょう。

というのも、仲良くしておけば多少なりとも会場代を割引いてくれたり、困ったときに普通以上に助けてくれる可能性が上がります。

逆に店長さんの立場で考えればわかると思いますが、全く話したこともない知らない人に1日会場を貸すのは不安です。

「ちゃんとアーティストを集めれるのか」「しっかりお金を払ってくれるのか」「連絡のやり取りはきちんとできるか」など。実際に予約はしたけどアーティストブッキングがうまくいかなくて連絡がつかなくなってしまう人も少ないながらもいるようです。

そこで事前に話しておいて、自分が音楽が好きなこと、ちゃんと働いていること、しっかりコミュニケーションが取れることを伝えておくことは互いにプラスになると思います。


僕の場合は狙って仲良くしたわけではなく、企画の準備をはじめる段階ですでにライブハウスの店長さんとは仲良くできていただけですが…。

―――――――――――――――――――――――




②日程を決める

日程候補を決めてライブハウス側に打診しましょう。
最初は1組も出演が決まっていない状態での日程決定になるので、会場の仮予約ということになると思います。仮予約というのがだいたいどのライブハウスもできます。

アーティストが1組決まれば、本予約になります。また本予約後の予約取消はキャンセル料がかかることが多いので、確認しておきましょう。


日程決定以降のライブハウス側との連絡は、出演アーティスト決定や開場開演の時間、チケット料金等決まった都度になります。

出演アーティスト(一部でも)と開催日時、チケット料金と販売方法が決まれば、告知可能なのでライブハウス側と告知解禁日を決めましょう。

またチケット料金が決まった際は、予約方法の相談をしましょう。「プレイガイドは使うのか」「ライブハウス取置きの有無」など。

ここらへんの細かいところは、ライブハウス側になんでも相談しましょう。ググってもだいたい出てこないのでその時は聞きましょう。「プレイガイドってどうやって使うんですか」「4組出演30分セットなら何時開演にすべきですか」とか聞けば教えてくれるはずです。



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ここまで形式的な話。以下実際には、という話

●日程決めのコツ

インディーアーティストが出る、もしくは出たがっているフェスやサーキットの日やその前後は避けましょう。

空いていても多分断られます。もしくは返事が遅くなります。
例えばバンドならミナミホイールの前後やTOKYO CALLINGの前後。

アイドルならTIFや@JAMの前後、シンガーソングライターならハグロック。という具合です。

また集客という観点からも、大型フェスやサーキットがある週は避けた方が良いと思います。ロックインジャパンの週など。
ロッキンで言えば出演依頼するバンドが出演オーディションに応募しているかもしれません。




③ブッキング(出演依頼)

出演してもらいたいアーティストに出演オファーをしましょう。ライブを観に行ったときに直接言っても良いですし、メールやTwitter DMでおこなっても良いと思います。

例えば4組出演予定なら4組まとめておこなっても良いし、1組決まったらまたその次という形でも良いと思います。


オファーの際の記載事項は主に以下の形でしょう。

1公演名
2公演日時
3会場
4チケット料金
5チケット予約方法
6出演確定アーティスト・オファー予定アーティスト
7出演の尺時間(30分セット等)
8出演料(ギャラの提示)
9回答期限
10自身の名前・連絡先


すべての内容が完全に決まる前にオファーしても良いですが、自身の名前と連絡先・日時・会場・オファー予定アーティスト・ギャラの提示は最低限しましょう。

他は(予定)とかでもOKです。

アーティストから出演オッケーが出たら、情報解禁日を決定して、アーティストからの情報発信をお願いしましょう。

またアーティストでチケットの取置きをお願いすることになると思いますが、上限枚数を決めましょう。1アーティストでチケット200枚売っちゃったら、他のアーティストのファンは見にこれなくなっちゃいますからね。

これ以降は出演アーティストの追加など他の事項が決まる都度にアーティストに連絡しましょう。


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以下は実際の話。

●出演者数を揃えるために一番重要なこと

好きなアーティストの多さです。あるアーティストに出演断られても断られても、次の呼びたいアーティスト浮かぶかが大事です。

ぼくの初回の企画も4組揃えるのに10組以上には声をかけました。(最初の方はメジャーアーティストにも声かけてたのでそもそも断られて当たり前だったのですが…)。
初回の企画は特にオファーした半分以上は断られると想定した方が良いでしょう。

断られ続けたら呼びたいアーティストいなくなっちゃう人は企画できないと思います。

個人的な考えとしてはオファー候補アーティストは出演アーティストの3倍(4組対バンなら12組)は考えておいたほうが良いと思います。



●オファーを受けてもらえるかについて
(1)アーティスト側との信頼関係値
(2)対バン相手の魅力
(3)出演料の高さ

この3つのかけ算だと思います。


(1)一般人が企画するので、アーティストとしても知らない人に呼ばれるのは不安です。

ファンとしてライブに積極的に通って、物販でCDを買ったりして知り合いになっていれば、不安もやわらぐはずです。「この人は僕たちのことが好きだから呼んでくれてるんだ」とわかってもらうことが大事です。



(2)これは想像以上にかなり大事です。バンドにとってもライブというのは収益源であるのと同時に新規ファンを獲得するチャンスなので、そういったチャンスになり得るかを気にしています。

また「その企画に出て単純に楽しそうか」も大事です。

極端な例だと、「いくら出演料もらっても対バンが悪ければ出ない」ってこともあり得ます。

実際ぼくの初回の企画も「~さんが出演するなら、私達も出たいです」とオファーを快諾してもらったことが複数回ありました。

過去に共演したアーティストや、そのアーティストが気になっているアーティストも多少は調査した方が良いと思います。YouTubeの関連動画に出てくるアーティストなんていうのも相性が悪くないバンドだと個人的には思っています。




●出演料に関して

出し方は2通りあって、1つは「出演料:○万円」と固定でギャランティを払う方法。
もう1つはチケットバックです。「Aさん目当てのお客さんが1人来る度に、1000円お支払します」など。

どちらが一般的かはわかりませんが、実績がない一般人がやる場合は前者の方が良いのかなって思います。

たとえば有名な音楽プロデューサーが企画するライブなら「気に入られればメジャーデビューできるかも」というお金以外の出演メリットがありますが、一般人がやるライブはそういうのないので、メインのメリットは出演料になってきます。

でも「出演料は固定のギャラで」は僕の見解なのでなんともいえません。



またギャラの相場に関してはバンドの規模によってまちまちなのでなんとも言えません。知り合いでイベントやったことある人やライブハウスの店長さんに聞くというのもありでしょう。

ちなみに僕の場合、企画経験者の知り合いに他のバンドの相場を聞いて、そこから予想して提示しました。


遠征アーティストがいる場合交通費を一定程度ギャラに上乗せするのが一般的かと思います。






●「バンドマンは連絡を返さない」という噂

そんな話を聞きますが経験上そんなことはなかったです。

仮に連絡を返してこないことがあっても、回答期限を設けることで、そこを解消しましょう。

どんなに出演してほしいアーティストでも期限までに返信してこない場合は、そんなに乗り気ではないはずです。割り切って諦めましょう。




⑤出演時間・リハーサル時間の決定(全出演者確定後の調整)

全出演者が確定したら出演時間とリハーサル時間を決めましょう。リハーサルはどのアーティストさんもだいたい20分~30分ほど。

たとえば18時開場19時開演で4組対バンならこんな感じ。

15:45~16:15→四番手出演アーティスト
16:00~16:30→三番手出演アーティスト
16:45~17:15→二番手出演アーティスト
17:00~17:30→一番手出演アーティスト
18時開場
19時開演
19:00~19:30→一番手出演アーティスト
19:45~20:15→二番手出演アーティスト
20:30~21:00→三番手出演アーティスト
21:15~21:45→四番手出演アーティスト
終了


リハはこのように出演順とは逆で行うことが多いです。「逆リハ」と言います。
最初のアーティストがリハを終えた楽器の状態のまま本番をおこなえるためです。
※最近は1番手アーティスト以外の拘束時間を平等にするためリハを二番手→三番手→四番手→一番手という順番でやることも多いです。

タイムテーブルができたらまずはライブハウスにこれで良いか確認を取りましょう。オッケーが出たら各出演者に送りましょう。

これは開催の3週間前くらいにおこなえるのが理想かと思います。

またこのタイミングでライブハウスから「出演者にこんな質問して、回答を送ってくれ」と言われたりもします。

内容は、楽器配置図やセットリストなどです。当日スムーズに転換を行ったり、照明さんやPAさんが事前に予習するためです。


⑤宣伝

自身でも企画ライブの宣伝をしましょう。方策はたくさんあるので自分にあったやり方で。

SNS、HP作成、フライヤー配り、ナタリーに掲載依頼、友達を誘う etc...



――――――――――――
◎ライブ当日開演前まで

⑥会場入り・あいさつ

リハーサルが始まる前に会場に入り、ライブハウスの人にあいさつをしましょう。

この時に主催者取置き分のリストの記載を行います。また会場客席に椅子を置くかなども聞かれたりします。


⑦出演バンド到着

あいさつをしましょう。バンドは僕らよりライブに慣れてるので自分たちでやるべきことをほとんどやってくれます。



⑧リハーサル開始

見守るだけです。楽しいです。この場で新曲聴けることもあります。



⑨出演者・ライブハウススタッフ顔合わせ

リハーサルが終わってから開場前の間で、楽屋等に集まり顔合わせ(あいさつ)が行われることが多いです。

意気込みを簡単に主催者として話しましょう。
またライブハウスの方から会場での諸注意をはなしてもらうことを忘れずに。



⑩開場~本番中
基本的にやることないです。モギリ等々すべてライブハウス側でやってくれます。



⑪出演料支払い(終演後~ライブハウスからお客さんの退場まで)

この時間を使って、アーティストにその日の出演料を払いましょう。

そのアーティストのリーダーに見える人を呼んで、人目のつかないところで渡しましょう。

その時その日の感想とか雑談する流れになります。



⑫箱打ち(ライブハウスからお客さんが出た後)

ライブハウス内で簡単な打ち上げを行います。ライブハウスのお酒を一杯二杯飲むくらいです。

行う前にアーティストにここでやりまーすと声をかけましょう。

本当に家が遠いアーティストなどはここに出ないで帰ることもあります。



⑬主催者とライブハウス間の精算

箱打ちの最中に行うのがスムーズかと思います。
チケットの売り上げからライブハウス場所代が差し引かれたものがもらえます。

精算の仕方は場所によるので、そこのやり方に従いましょう。



⑭解散

箱打ちが終わったらライブハウススタッフや出演者にあいさつをして解散です




⑮居酒屋での打ち上げ

来たい人だけ参加するのでお店とかは事前におさえないほうが良いかなと思います。

主催者は参加しましょうね。








長くなりましたが以上です。
不足があるなど質問あれば、答えて、この文章にも追記します。

お読みいただきありがとうございました。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (society)
2020-02-05 11:10:17
丁寧なご説明ありがとうございます。
かなりの素人で本当に何もわからなかったのですが、
この記事をみて、裏側を知る事ができました!
私もライブの企画をする事が夢でありながら、
何もわからずただ夢を抱いていただけでした。
不安しかないですが、少し前向きに行動を起こそうと思えました!
ありがとうございます!
1つご質問よろしいでしょうか?
キャパ100人程度のライブハウスで3組程バンドを呼びたいとなると、
ライブハウス代、出演料など、全て込みで大体どれくらいの金額を用意しておけばいいんでしょうか?
返信する
Unknown (ingura)
2020-02-05 19:07:10
>societyさん

ご覧いただきありがとうございます。企画開催のモチベーションになれたのなら嬉しいです。値段ですが、正直平日か土日か、アーティストの人気度によりかなり異なります。たださっくりいえば初期費用はすごく多くて20万円だと思います(一方10万円程度で済むこともあります)。その初期費用に対してチケット売れた分だけ返ってくるという考えでそんなに大きく間違いはないと思います。
返信する
Unknown (Unknown)
2020-02-08 19:03:45
ご返信ありがとうございます!
本当に参考になりました!
もし夢が叶った時にはまた報告のコメントさせてください!
ありがとうございました!
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