日本の高速道路は通行料金を徴収されますが、例外として、東京に国内唯一の無料高速道路が存在します。
京橋から数寄屋橋を経て新橋まで、銀座のビルの間を走る全長約1・5キロメートルほどの「東京高速道路」で、首都高速都心環状線や一般道と接続しています。
ふつうの高速道路は、借金によって建設され、通行料でその借金を返済していくという方法が採られています。
借金の返済が完了すれば、アメリカやドイツのように高速道路が無料化されるのですが、それまでは利用時に通行料を払わなければなりません。
ところが、東京高速道路は、道路の下がショッピング街となっているため、そのテナント料によって建設されたという経緯をもちます。
工事区域ごとにテナントを募集し、賃料を一部前払いしてもらって、まったく借金せずに建設費用を捻出したのです。
銀座という土地ならではの方法ですね。
約10万平方メートルのスペースに、およそ400軒の店舗やオフィス、駐車場などがおさまり、そのテナント収入は、数十億円になるようです。
これだけ大きな収入があればこそ、維持管理費や修繕費、都に払う地代などの経費を支出しても、黒字経営を続けられるということでしょう。