原稿を見て感心している程度の知識の私が訪れたのは、
大阪で唯一手描きの伝統を受け継ぐ堺五月鯉幟「高儀」さん。
(手描きの鯉幟製造は、日本全国でも数軒しかないんだって!)
お店を一歩入ると 勇壮な鯉幟!!
鯉の上にまたがる金太郎が「堺の鯉幟」の特徴だ。
力強さと愛らしさを兼ね備えている。
それにしても、一枚一枚すべて手描きってほんとすごいや。

今日は、鯉幟の絵を描く体験をさせてもらう!
体験用に用意していただいた綿布に、ちゃんと竹刷毛・筆を使って描くのだ。
自慢じゃないが、私の絵は画伯クラス(笑えるという点で・・)
で、で、できるのか?
筆を握るのは久しぶり!
絵筆ではなく、書道の筆の感覚で持つのがポイント。
ひゃあ、緊張する。
まずは筆使いの練習から。
半紙と違って滑りにくい布を相手にするので、なかなか手強い。
でも六代目 高田武史 氏がとても上手にナビゲートして下さるので、
絵画や書道が苦手な方も心配ご無用!

ほんと丁寧に教えて下さる・・しかも誉め上手なんだよねえ。
小学生なんかものびのびと楽しんで描いていくらしい。いや、わかる!
(ちなみに、私は思いっ切りの良さを誉めていただいた。
それって…

でけた!

撮影のために六代目にも鯉を描いていただくことに。

下書きもなく、さっと描き始めたかと思えば、
目の前であっちゅうまに出来あがっていく。
真っ白な布から鯉が生まれた・・お見事!
「早いですね~」と感心しきりの私達に、
「芸術家やないからね。たくさん描いて届けなあかんからね。」
とさらっと笑う。
決して自分を卑下しているのではなく、
そこには、
質の高い作品を作り続けていく、物作りのプロとしての誇りがあるのを感じた。
伝統的な作品はもちろん、積極的に新作を制作しているのもまたすごい。
その発想力、行動力・・。
海外での評価も高いという。納得!
鯉幟に負けず、世界の空を泳いでいく力強さ・・
体験も楽しかったけれど、
そんなプロの姿にすっかり惚れ込んでしまったのだった。
★堺五月鯉幟工房・「高儀」
【住所】堺市浜寺船尾町東3丁413
【TEL】0722-63-2205
【体験料金】3,000円
【注意】1ヶ月前までに予約必要!
通常の業務ももちろんされているため、鯉幟作りが忙しい2~4月は体験等できません。御了承下さいっ!!