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前立腺がん、転移・再発からの生還を探る

2021-09-30 13:59:46 | 健康・病気
 前回のブログ「去勢抵抗型前立腺癌の怖さ」に予想以上のアクセスがあり、この癌に対する関心の深さをあらためて実感した。 そして僕が今いちばん気がかりなのは、前立腺がんの最先端治療・「PSMA」を受けるためオーストラリア・シドニーに滞在中の西郷輝彦氏からの「近況報告」が途絶えていること。 氏は4月から8月までに計3回の治療を予定し、2回目で癌が消えたことをCT映像で確認し大喜びしている。 ところがそれも束の間、癌の指標「PSA」が800まで上昇して下がらない。 これに対しオーストラリアの医師からは、「治療を中断して日本で調べたほうがいい」と、日本での検査を勧められている。 

またオーストラリアでの治療に関わったと思われる日本の医師からは、「癌は消えている、あとはあなた次第」と、今後の治療については自主判断を促された。 どちらの発言も「癌は消えている、それ以外の症状についての責任はない」と主張してるようにも受け取れる。 これに対し多額の治療費と経費をかけている西郷氏が納得するはずがなく、「PSMA治療を中断して日本に帰るなどとんでもない、こちらで調べて検査し、必ず3回目の治療をやってもらう」と現地での治療継続を強く要求している。 その後の状況についてはレポートが無いので分からないが、僕の推測では3回目の治療を終えて経過観察中ではないかと思う。 そして中間報告がないのは、結果が思わしくないのかもしれない。

こうした海外での治療にはトラブルやリスクが常に付きまとう、にもかかわらず日本からの渡航者が絶えない。 それは万策尽きて死を待つだけの恐怖心から、藁にも縋る思いで可能性に賭けているのだろう。 しかし最後まで諦めない人が勝つ、近代医療に頼らず独自の方法で末期癌から生還した人も多く存在するからだ。 例えば、「余命半年・激痛が襲う末期のがんをいかに克服したか」の著者で郡山市在住の故「松井 清」氏。 ドイツ生まれのアメリカ合衆国医師「マックス・ゲルソン」の考案した「ゲルソン療法」をベースにした独自の治療法で末期の前立腺癌から生還している。(後に心臓発作で死去) 僕もホルモン療法に耐性が生じ、PSAの上昇に怯えていた頃、松井氏のアドヴァイスを受け、救われたことを思い出す。
 
また当時、郡山市まで来て松井氏の指導を受けていたのが、豊橋ハートセンターの院長で我が国循環器内科の大御所・鈴木孝彦氏。 PSAの数値が、常識では考えられない万単位まで上昇していたが、松井氏の教えを忠実に実行し、見事に完治している。 そんな実例もあるので,西郷氏も諦めることなくあらゆる可能性に賭けてみて欲しい。  なお併せて小生の著書「前立腺癌・根治を諦めない人のために」もご一読いただければ、きっとお役に立つはず。 それにしても最近、医師や著名人の前立腺がん発症や転移が多い。 そしていずれも手遅れの状態で見つけているのが不思議でならない。 この癌は例外があるものの、転移してからの完治は極めて難しいからだ。

一例をあげると、「妻の病気の9割は夫が作る」の著者で「夫源病」の命名者、自転車で発電する「日本原始力発電所」などの設立者で知られる、ユニークな心療内科医・石蔵文信氏。 昨年2月、だるくて食欲がなくなり体重が7㎏減った。 検査の結果「前立腺がん」と判明、全身の骨にもがんが転移しているので、手術も放射線治療もできない。 ともかくホルモン療法となり、その結果癌は小さくなったのも束の間、PSAが再び上昇を始め、抗がん剤や遺伝子治療の段階に入ってきた。 しかし当人は「死ぬときはがんが最適、認知症になって人格崩壊の姿は見せたくない」と強気。 遺品整理リストを作ったり,今診ている患者さんの紹介状も書き始めているが、年に1度のPSA検査を何故受けなかったのか?一度聞いてみたいと思っている。