この頃思うこと

私も時流に遅れまいとブログを書くことにしました。

430MHzバンド用小型ループアンテナ製作

2020-01-16 17:00:45 | その他のアンテナ

最近雑誌でよく見られるようになってきたマグネチックループアンテナの記事を見ながらこんなアンテナを考えてみました。

アンテナはマグネチックループのメインループの輻射効率について書かれていたデータを参考にして作り始めてみました。

 

設計

HF帯域ではありましたが、AND社が販売するANDマイクロループアンテナのバンド毎の寸法データがHAM World 誌の2019年11月号に出ていましたのでこれを参考にしました。そのデータがこれ

HAM World 11月号p66より

これらからメインループの円周を求めるために各バンドの円周比*を求めました。

*波長円周比=メインループの円周長/中心周波数での波長

これから円周比を平均値から4.7812とし、5m、2m、 0.7mの各バンドでのメインループの大きさを推定してみました。使用した円周比は4.7812で他と少し値の外れている15mバンドを除くと4.8729となりますが、文献によると電波の放射効率は円周比で5より小さくなると90%以上が期待できることが書いてありましたので。今回の試作は430MHzバンドで円周長を15cmとしてどんなアンテナなのかを見ることにしました。

ここでは円周比4.7812を用いて計算した。

 

アルミのフラットバーで試作した直径約50mmの空芯コイルのインダクタンスを測定してみましたが約0.074μH(100kHzにて)だったので435MHzあたりで同調させるには1.8pFのコンデンサが必要なことがわかりました。これを実現するのにアクリル板を何枚か重ねながらアルミ板で挟んで大きさを検討したところ20mm幅では数ミリの重なりがあれば足りることがわかったので手持ちの3mm厚のアクリル板を切って2枚重ねでコンデンサの媒質としました。

 

材料と加工

 

今回、準備した主な材料はほとんど手持ちのこのような材料を用いて製作しました。

実際のVer. 2では、写真の25mm角座とは違い18mmの角座のものを使用しました。

 

長いバーは、メインループを形成するためのアルミレールで、10 x 150 x 2tです。両端に3mm径の穴をあけておきます。

メインループは5cm径のスプレー缶に沿わせて円形に曲げてあとは目分量で大まかな円形にしました。最終的には同調点を探るために少しずつ曲げたり伸ばしたりしながらスミスチャートで追いかけていきました。

アクリル板は3mmと厚手ですがドリルの回転を抑えてゆっくりと削ったほうがきれいに行くようです。

 

これらを組み立てた写真を次に示ましした。これは少し改良したVol. 2です

写真でL型のレールがあるのはライブ側とグランド側の電極を抑える板で、最初平板で制作したらこの方がそりが少なく、信頼性が高そうなので用いました、変更した組み立て後の写真を参照してください。

Ver. 2ではこの締め付けバーをL型のバーに変更してより強く締め付けられるようにした。さらにVer.1で得られた情報からアクリル板とライブ側のコンデンサ電極版の大きさを小型にした。

 

これがVer. 2の出来上がりです。銅線は1.5mm径のものを使用しています。より線の使用も検討しましたがかなり太いものでないと使用中に曲がったりしてアンテナ特性には大きく影響しますのでできれば真鍮の線などを使って製作後に少々の外力で動かなくする方が安定するかも知れません。この部分もアンテナのコイルの一部だと考えてください。

 

調整

 

アンテナ政策のほとんどはこの調整段階で決まるような気がします。調整にはAA-600を使ってアンテナをじかに接続して水平を保ちながら机の上で行いました。

調整箇所は、コンデンサ部分の重なり量の調整と、ループの大きさ調整です。心線部分の方向や曲げ伸ばしでも最終の微調整には有効でした。

 

このアンテナのSWR特性は、

で全バンド範囲でSWR1.5以下を達成できました。この測定はインピーダンス50Ωで測定していますのでこのままでも十分使用することができます。

さらに詳しく見るために近傍付近のスミスチャートもとってみました。

この測定では全範囲でSWR1.2以下になっています。

周囲の状況によってSWRに測定値は若干変動がありますのでできるだけアンテナ構成が動かなくすることが重要となります。

 

また、指向性については室内での測定で

 

このようになりました。多分給電部でのワイヤーの引き出し方向によって指向性パターンは変化しそうです。ただ興味深いのは全体にわたってほぼ虫構成といえるほど極性がないという事でした。

 

測定は室内でFCZの電界強度計のキットを組み立てたものに1/2λダイポールを垂直に立て、床から約1.5m高さで、約5m離れたところに同じ高さになるように設置して測定しました。あまり精度が高いデータとは言えないが傾向は見て取れると思います。

直線距離52km離れた那須郡那須町の旅館の客室と自宅の2階シャックとの間で0.5Wで59/59で交信できました。

今後、より正確な特性を見るために天気の良い日にでも指向性特性を広場で取ってみようと思っています。また利得の判明しているアンテナとの比較で利得も測定してみようと思っています。



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