【海外事件簿】 昨年6月に急逝した米人気歌手、マイケル?ジャクソンさんの過失致死事件をめぐり、ジャクソン家の反撃が始まった。母親のキャサリンさんが今月15日、昨年の「This Is It」ロンドン公演を企画していた米音楽会社AEGライブを相手取り、病弱な身体にもかかわらずリハーサルを強要したとして、損害賠償を求める裁判を起こした。訴状では、新たな疑惑が明らかに。マイケルさんは死ぬ直前、AEG側から「リハーサルに出なければこの公演から手を引く」と脅しをかけられていたのだという。万全な身体でコンサートに臨めないことを悟ったマイケルさんは、家族に「殺されるかもしれない」とさえ訴えていた。(佐々木正明) 訴状は、マイケルさんに麻酔薬「プロポフォール」を投与したコンラッド?マーレー元専属医の刑事裁判が行われているロサンゼルス郡地裁に提出された。1年前から綿密に準備され、弁護団らが直接、公演関係者らから証言を集めて、検察当局が刑事責任を問わなかったAEG側の過失を追及する内容となった。 米メディアによると、AEGライブはマーレー医師を1カ月15万ドル(約1270万円)の報酬で雇用し、マイケルさんがちゃんと公演に臨める体調を維持できるようコントロールしていた。今回のコンサートツアーは、マイケルさんが観客の前でパフォーマンスを披露する最後の機会とも目され、AEGは計50回の公演を企画。昨年3月に記者会見を行い、その後販売された計110万枚分のチケットは即完売になった。 マイケルさんは7月のコンサート初日に向け、リハーサル漬けとなっていた。しかし、無理がたたり、体調は悪くなる一方だった。極度の疲労を抱え、寝付けなくなっていた。家族に、「予定通り最後までコンサートを終わらせることはできないかもしれない」と弱音を吐いていた。 死亡する1週間前の6月18日、AEGの幹部数人がマイケルさんの自宅を訪れた。マイケルさんは直前のリハーサルを休んでいた。コンサートの興行を気にするAEGは、マイケルさんに「愛のムチ」と称してリハーサルに出るよう促し、「もし、今後休むのであれば、われわれは公演から手を引く」と迫った。さらに、マーレー医師には、マイケルさんがリハーサルにちゃんと出るための治療を行うよう指示を出した。 米誌ピープルは、AEG側が「リハーサルに出なければ、多額の損害賠償訴訟さえ起こす」ときつく叱ったとも伝えている。 その夜、マイケルさんは舞台に姿を見せたが、明らかに素振りがおかしかったという。訴状には、舞台関係者からの証言とみられるそのときのマイケルさんの様子が記されている。「マイケルさんは目に見えるほどに震えがとまらず、落ち着かない様子だった」 リハーサル後、帰宅したマイケルさんを眠らせるために、マーレー医師はプロポフォールを含む多量の薬を投与した。 ジャクソン家側は、マイケルさんはコンサートを完遂しなければ新たな負債を抱えかねない精神的なプレッシャーと体調不良を抱えながらも、リハーサルに臨み続けたと主張している。 リハーサル中のマイケルさんの言動は異常で、ろれつが回らなかったり、情緒不安定だったり、意識さえもうろうとすることもあったのだという。熱気に包まれた舞台の上で、マイケルさんは「寒い」と訴え、厚手のコートをはおり、その下に何枚ものシャツを着ていた。そばには、ヒーターさえ用意されていた。 そして、その強行軍の最中、自宅のベッドでマイケルさんは「眠れない」と何度も訴え、それに応じたマーレー医師が睡眠薬などを過剰投与し、6月25日に亡くなった。 ジャクソン家は、「体調悪化から回復させるために、マイケルさんのリハーサルスケジュールを緩める必要があったのに、AEG側は厳しいスケジュールを組み、すべてのリハーサルに出るよう主張した」と訴えている。 ピープル誌は「巨額の投資と望める多額の利益を守るために、AEGライブはマイケルさんを死に追いやった。マーレー医師の診療も粗末だった」と伝えている。 裁判所の認定はまだ当分先にしても、この訴えによると、マイケルさんが「King of Pops(ポップスの王様)」の称号を取り戻そうとしたロンドン公演は、まさにハイリスク?ハイリターンの企画であったことが浮かび上がってくる。 AEG側のスポークスマンは「不正確で、裏付けを欠いており、何の得もない。マーレー医師はマイケルさんの長年にわたる専属医であり、われわれが彼を選んだり、雇用したり、監督していたものではない」との声明を出し、争う構えを見せている。 一方、マーレー医師の過失致死事件の裁判については、8月24日にロサンゼルス郡地裁で開かれ、来年1月4日に、検察側、弁護側双方が証拠を開示する予備審理を行うことを決定。ロイター通信によると、予備審理は2?3週間かかる見通しで、判事はこれをうけて、正式な公判を開くだけの十分な証拠があるかを判断するのだという。また、マーレー医師については、マイケルさんの父親のジョーさんが今年6月に、損害賠償を求める訴えを起こしている。【関連記事】AKB前田が倒れる、公演後に救護室へ 【サブカルちゃんねる】東京ゲームショウ2010 飛び出て!動いて!ド迫力! 倖田來未、ガールズアワードで熱唱ライブ 少女時代、美脚&ホットパンツで悩殺ダンス! “大人カワイイ”キアーナ、アルバムPR 子供を傷つける親たちの心の奥底には何が…
引用元:Final Fantasy XIV|14 総合情報サイト