一夜明けて日曜日の朝。今回のホテルは上層階に大浴場がついていて、気持ちの良い朝風呂。ただ外はすこし寒そうだ。
すこしゆっくり目にチェックアウト。9時過ぎの列車に乗る。駅に向かう途中、踏切の跡があった。警報器は黒い布でぐるぐる巻きに。
線路ははがされずに残っている。
警報器の足下にはこんな看板。そうか、同和鉱業小坂線・花岡線の跡なんだ。鉱山鉄道として、小坂鉱山から金銀を、花岡鉱山から亜鉛や鉛を運んでいて、末期には硫酸輸送を行っていたそうだ。
駅前通りの街路樹も色づいている。日差しもあるし、今日は期待できそう。
大館は秋田犬のふるさとでもあるらしく、ハチ公は大館出身なのだとか。
名物駅弁「鶏めし」を買い込んで、改札を抜けて、
ホームにはこんなものがあった。
そして、今日の最初の列車はこの2両編成。がらがらだった。
駅弁を陳列。
大館から十和田南の間は、高校生の時に周遊券であちこち回っているときに乗った記憶がある。かつては急行に乗ったのだが、今は各駅停車のみ、しかも盛岡の手前の東北本線は第三セクターになって別料金。
大館の市街地を抜けると米代川を渡る。
周辺の稲刈りも終了。
途中駅も無人化が進んでいる。行き違い列車の車掌さんたちが発車時刻待ち。大館行きは女性の車掌さんで、指導役と思われる先輩社員が同乗していた。
十和田南駅で方向が変わる。ほとんど誰も乗ってこない。十和田湖への入口だったはずなのにと思って調べると、JRバスの十和田南線どころか、秋北バスの路線も廃止されてしまい、この駅から十和田湖へはバスで行けなくなってしまっていたのだった。
ここからは初めての区間。山に入っていくので、紅葉が期待できる。以下車窓から。固定窓なので、写り込みがあるのはご容赦いただきたい。
この景色を見ながら、ブランチに鶏めし。
しっかり味のついたごはんの上に、ゆで卵のそぼろとこれまたしっかり味のついた鶏肉。いや、美味しい。
ローカル列車の旅を満喫していると、遠くに岩手山が見えてきた。
好摩駅からは旧東北本線に入り、ディーゼルカーはスイスイととばしていく。国鉄時代の車両と違って、エンジンが強力なようだ。
渋民駅といえば啄木、厨川駅といえば厨川の戦い。そして新しくできた青山駅の出口案内をぼけっと眺めていると、「前九年方面出口」とあった。昨日は後三年の「駅」を通過したのだが、前九年はこっちだったか。盛岡市内に「前九年」という町名があるとのこと。
日本史で大学受験したのだが、もはや忘却の彼方。そんなことを考えているうちに終点盛岡駅に到着した。これで花輪線を高校生の時以来37年ぶりに全線乗車。
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