矢島慎の詩

詩作をお楽しみください。

幸せ華(ばな)

2005-08-17 00:10:30 | Weblog
幸せの華(はな)をかきたるキャンバスに
紅(あか)の絵の具の足らざりし
涙のガラスを通しても
澄んだ朝日に照らしても
愛のかけらは影おとし
華に命の宿らぬを

心乱れて散りじりに
オブジェの華を手でもぎり
足らざる紅に塗り込めん
鮮やか色の香しき
幸せ華を描けども
足らざるは筆の運命(さだめ)と知るよしか

床に散りたる草花を
両手で包み見るにつけ
紅を塗り込み かきたる事を
華に命と願うなら
息吹を与える意思あらば
わが心 赤く燃ゆる意思あらば
  
足らざるは華を育ての試練にて
育むを尽きぬ想いで貫かん