緊張性頸反射は、上部頸椎関節の固有受容器の興奮により誘発され、頸部の伸張度に応じて四肢伸筋の緊張を変化させる。非対称性緊張性頸反射、対称性緊張性頸反射に分けられるが、いずれも原始反射で、生後4週間から8週間に最も顕著に見られる。新生児を背臥位にし、頭部を一方に向けると、顔を向けられた側の上下肢は伸展し、後頭側の上下肢は屈曲する。これを非対称性緊張性頸反射 asymmetrical tonic neck reflex という。一方、腹位で水平にし、もしくは座位にして頸を背屈させた場合には上肢が伸展、背部の筋が緊張し、頸を前屈させた場合には上肢は屈曲し、体幹のトーヌス(骨格筋が常に保持する一定の緊張度)は減弱する。これを対称性緊張性頸反射 symmetrical tonic neck reflex という。
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