田舎暮らしも20年が過ぎて・・・。 田歌舎代表ふじわらほまるのつぶやきブログ

一途な思いで突っ走ってきた時を経て、すっかり中年のおっさんになってしまったよ。そんな中年のあつい思いをたまには文章に

ジャガイモ話

2017-09-12 23:57:13 | 日記

数か月前にニュースかSNSかで見かけた話。
緑に日焼けしたジャガイモをスーパーで売っていたそうで、そのスーパーの店員の無知さや管理体制を嘆くような言葉があり、毒物を売っているかのようにジャガイモの毒に関してえらく大げさに煽っていた言葉にやや違和感を感じた。
スーパーに売っている毒のあるものって、実はいろいろあるんだよね。里芋なんて強い毒だし、ワラビだってホウレンソウだって微毒がある。
果実なんかでいえばキウイなんかも早熟だと結構渋み、刺激が強いので何らかの毒素があるのかな?他にはスーパーには並ばないだろうけど
まあ何が言いたいのかというと、
あまりに食品の衛生管理が行き過ぎることでかえって国民が食物(自分たちが口にするもの)に関して無知になっていきやしないかってこと。農業にほとんどの人が触れない中、きれいに磨かれた野菜だけを手にしていれば、いつの間にか土のついた野菜が管理不足だと嫌悪感を抱いたり、ジャガイモの芽に毒があることを知らずに食して気持ち悪くなってスーパーに怒鳴り込むようない人が現れやしないかってこと。

だからこの話って2面性があって、日焼けしたジャガイモを売るなってお店の人に伝えたお客さんが正しい知識を持っていて真っ当にお店にアドバイスをしたっていう美談と、緑のジャガイモでもどうしても必要だから緑の部分を削り落として使うよって人がいるならば、それはそれでいいんじゃないかってことの相反する両面があるんだ。

田歌舎の営みに関して言えばお肉の生食について最近考えるんだ。
田歌舎では正に自己責任において鹿刺しや鶏刺しを時々楽しむんだけど、保健所さらには厚生労働省的には生食を禁止にする方向性に突き進んでいる。
例えば牛の生レバの問題って実はレバーそのものの危険性というより流通の問題だったりするんじゃないかなと思うんだよね。いくつもの業者に渡りながら履歴が分からないようなお肉は不安だけど、この牧場で育てて、いつどこで捌かれたものですよってわかっていれば危険はないんじゃないかな。実際に知り合いのとある酪農家は食肉販売部門も自社で立ち上げてそういう形の販売に取り組んでいる。
 そんな生産者と消費者の信頼があってその食べ物のことをよく考えて知って、そのうえでどう食べるかを自分たちで判断する。
 そういう感じが一番しっくりくるんだけどな。

だけど、最近体験のなかで鶏の解体をしてほんの少し生食をしてもらったんだけど、何人かにカンピロバクターの食中毒がでたんだよね。そうならないように丁寧に段取りを踏んだつもりだったんだけど・・。
 新しければ安全ってことはないんだなと痛感したよ。だから確かに油断してはいけないことはあるのは事実。そして保健所の人とも話しながら自分の認識が甘かったカンピロさんの生態による危険も確かにあったんだ。
 まあ参加者の人たちに大事はなくて穏便に済んだんだけど、油断してはいけないな~と反省する今日この頃。

だけど美味しいものは幸せだし、人生を豊かにするうえで実は重大なことなんだな。だからこそ美味しく食べるためにもちゃんと食べ物について知識をもつことがとても大事なんだと思うし、またそのことをあきらめようとする世の中の流れがは残念だなとも思う。

ジャガイモ話。
その相反しそうな2面性の双方ともに実は大切な視点であるということ。そんなつぶやき。