みなさん、こんにちは。
今日はきのうの読解問題の解説です。
問題を再掲します。
【問】
次の文章を読んで、2つの空欄に補充すべき語句をあとのア~コから選び、
記号で答えよ。
3歳と1歳の姉弟を放置して餓死させたとして、殺人罪に問われた25歳の母
親の控訴審で、大阪高裁は大阪地裁の懲役30年の判決を支持した。一審の裁
判員裁判の審理を尊重したものだろうが、著しくバランスを欠いた判決だと
思う。児童虐待死の裁判を見ていると、懲役10年前後くらいまでの判決が多
いようだ。その3倍の刑なのだ。
犯行当時22、23歳の未熟で愚かな母に有期刑最高の30年の刑を科して何の
意味があるのか。仮に刑期満了前に仮出所しても、新たに家庭を持つこと
は困難だろう。「一生罪を背負って生きていけ」ということか。あまりにも
哀れである。
この判決は裁判員裁判の悪い一面を表していると思う。弱い立場にある被
告を、世論に迎合して正義の名のもとに一方的に弾劾した「( )裁判」
「( )裁判」ではないだろうか。
私は裁判員裁判では、加害者にも心を配った「温かい判決」を期待したい。
(朝日新聞2012年12月19日声欄 酒井 丈夫 75歳)
ア.厳罰・冤罪 イ.いじめ・みせしめ
ウ.温情・民主的 エ.すりより・きりすて
オ.魔女狩り・犯人探し カ.つめたい・ふしぎな
キ.冷酷・哀愁 ク.うえから・こんらん
ケ.少数者無視・裁判員 コ.ただしい・おろかな
選択肢ごとにみていきましょう。
ア:「厳罰」については正しい。しかし、筆者は有罪であることについては争っておらず、
「冤罪」ではない。
イ:(正解肢)
ウ:「温情」については、筆者の主張と正反対である。「民主」的は、解説されるのであれば
正しいとする余地がある。
エ:「すりより」は世論への迎合を示していると考えられなくもないが、「すりより裁判」
だけだと対象が分かりにくい。「きりすて」は課題文に合うとしても可。
オ:今回の事件は犯人ははっきりしているのであり、「魔女狩り」「犯人探し」ともに不可。
カ:「つめたい」は課題文に適合的だが、「ふしぎな」は直前部分と合わない。
キ:「冷酷」は適合的としてよい。「哀愁」は言葉の用法としておかしい。
ク:「うえから」は適合するとしてよい。「こんらん」はむしろしていない。
ケ:「少数者無視」は適合的。「裁判員」は「」つきで名づけるようなものではない。
コ:「ただしい」「おろかな」は、説明を詳しくしないと意味が取れない。
それでは、きょうはこれで筆を置きます。
阿部 卓行
ご質問・ご相談はコメント欄か下記アドレスまでお願いします。
tekisei-shiken@mail.goo.ne.jp
今日はきのうの読解問題の解説です。
問題を再掲します。
【問】
次の文章を読んで、2つの空欄に補充すべき語句をあとのア~コから選び、
記号で答えよ。
3歳と1歳の姉弟を放置して餓死させたとして、殺人罪に問われた25歳の母
親の控訴審で、大阪高裁は大阪地裁の懲役30年の判決を支持した。一審の裁
判員裁判の審理を尊重したものだろうが、著しくバランスを欠いた判決だと
思う。児童虐待死の裁判を見ていると、懲役10年前後くらいまでの判決が多
いようだ。その3倍の刑なのだ。
犯行当時22、23歳の未熟で愚かな母に有期刑最高の30年の刑を科して何の
意味があるのか。仮に刑期満了前に仮出所しても、新たに家庭を持つこと
は困難だろう。「一生罪を背負って生きていけ」ということか。あまりにも
哀れである。
この判決は裁判員裁判の悪い一面を表していると思う。弱い立場にある被
告を、世論に迎合して正義の名のもとに一方的に弾劾した「( )裁判」
「( )裁判」ではないだろうか。
私は裁判員裁判では、加害者にも心を配った「温かい判決」を期待したい。
(朝日新聞2012年12月19日声欄 酒井 丈夫 75歳)
ア.厳罰・冤罪 イ.いじめ・みせしめ
ウ.温情・民主的 エ.すりより・きりすて
オ.魔女狩り・犯人探し カ.つめたい・ふしぎな
キ.冷酷・哀愁 ク.うえから・こんらん
ケ.少数者無視・裁判員 コ.ただしい・おろかな
選択肢ごとにみていきましょう。
ア:「厳罰」については正しい。しかし、筆者は有罪であることについては争っておらず、
「冤罪」ではない。
イ:(正解肢)
ウ:「温情」については、筆者の主張と正反対である。「民主」的は、解説されるのであれば
正しいとする余地がある。
エ:「すりより」は世論への迎合を示していると考えられなくもないが、「すりより裁判」
だけだと対象が分かりにくい。「きりすて」は課題文に合うとしても可。
オ:今回の事件は犯人ははっきりしているのであり、「魔女狩り」「犯人探し」ともに不可。
カ:「つめたい」は課題文に適合的だが、「ふしぎな」は直前部分と合わない。
キ:「冷酷」は適合的としてよい。「哀愁」は言葉の用法としておかしい。
ク:「うえから」は適合するとしてよい。「こんらん」はむしろしていない。
ケ:「少数者無視」は適合的。「裁判員」は「」つきで名づけるようなものではない。
コ:「ただしい」「おろかな」は、説明を詳しくしないと意味が取れない。
それでは、きょうはこれで筆を置きます。
阿部 卓行
ご質問・ご相談はコメント欄か下記アドレスまでお願いします。
tekisei-shiken@mail.goo.ne.jp