建築士だからわかる〇〇教えます

どのような家づくりが理想か

もう10年以上も前の話です。

 
自分たちがつくる健康住宅を求めてくださる方の年齢層や家族構成はどのような方か?
いままでご相談いただいたお客さまの年齢層や家族構成を参考に、想定して、健康住宅云々は一度白紙に戻して、どのようなおうちの提案が一番理想的だろうか?を改めて議論したことがあります。
 
年収やお子さんの年齢も鑑み、またいままでの経験からの土地代、建物代などを算出するとともに、周辺のマンション販売価格なども調査した上で議論しました。
 
議論に参加したのはハウスメーカーの研究開発をしてきた方からマンションのディベロッパー、建築士や宅建士、広告やまちづくりをしてきた方まで総勢10数名がいたと思います
 
都心部は土地価格が大きな割合をしめてしまうことをあり、ほとんどの方が、郊外に30坪程度の土地を購入して化学物質や電磁波の影響のない健康住宅を建てることが理想ではないか?という意見でまとまりました。当時はまだ、化学物質や電磁波がカラダに与える影響が、いまほど論文などで危険性を指摘される前の話です。
我々は化学物質過敏症の方や電磁波過敏症の方に直接相談を受け、素材を試行錯誤しながら、人工的な化学物質の影響のない家づくりを模索していたころの話です。実際に化学物質過敏症の方や電磁波過敏症の方と出会うことができたために、やはり「健康住宅」がよいという結論に至りました。化学物質過敏症の方や電磁波過敏症の方が違和感をもつ素材、空間ということは、発症していないひと、子どもにとりましても影響がある素材、空間なのではないか?という結論に至ったのです。

人工的な化学物質や電磁波の影響のない家づくりという結論は同じでしたが、郊外に戸建てを建てるだけでなく、ある先生はマンション建設に対し、こうすれば室数を増やせるのでマンション価格をもう少し安く設定できるのではないか?ならば都心部に自然素材のマンションを建設して提案してはどうか?などという意見もでました。
 
私はその議論の中でも都心部の駅近の中古マンションを購入して、自然素材でリフォームして生活するというというのはどうか?と提案したことがありました。
都心部の中古マンションであれば価格も比較的低廉で購入ができ、リフォーム費用は当時で800万円程度で可能でしたので、まずは子どもが生まれたばかりの若い世代でも購入できるような仕組みが大切ではないか?と提案したことがありました。
そして将来的にお子さんが大きくなりましたら、そのマンションを売却したり、賃貸として貸し出し、その売買費用や賃貸収入をあわせて土地を購入し新築のお家の建設するというステップアップはどうでしょう?と提案したことがありました。しかしマンションのリフォームの場合は、下階への音の問題もあり、どうしても人工的な建材を使わざるを得ない場合もありますので、その点は注意が必要です。
 
もういまから10年以上も前のお話です。
お家づくりには正解はありません。どのようなお家づくりがよいか、家族構成などによっても違ってくるでしょう。
しかし最近の論文では、農薬や人工的な化学物質が子どもの脳に与える影響が示唆されております。まずは小さなお子さんやこれから子育てをしようとしている若い世代の方たちがまずは人工的な化学物質や電磁波の影響のない空間で生活することがとても大切です。いまあるお家を健康住宅にリフォームすることも一案でしょう。マンションのリフォームも可能です。もちろん新築や建替えであれば、人工的な化学物質の影響のない家づくりはできます。
どのような家づくりがよいか、まずはご家族みなさんで相談してみてはいかがでしょう。
 
ひと・すまい・くらし
 新井 伸宏

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