建築士だからわかる〇〇教えます

ウッドショックについて-あくまで私感です

みなさんウッドショックということばを知っていますか?
この数か月、建築業界では聞かない日がないくらい毎日、ウッドショックの情報が飛び交っています。

ウッドショックとは、2020年の夏ごろからアメリカの木材の需要拡大を受けて輸入木材が入手困難になり、輸入木材だけでなく国産材の木材の価格が高騰していることを指すようです。
海外の木材がアメリカに集中してしまい、日本への木材供給が極端に減ってしまっているようです。
コロナ禍の影響もあるでしょう。日本国内でもテレワークにより住居に対して改めて見直す動きが出てきたこと、都心から離れた場所への移住の動きも拍車をかけているようです。

しかし日本国内の森林からの供給可能な木材の量をご存じでしょうか??約9000万㎥と言われています。これは一時的な話ではなく、毎年9000万㎥の供給が可能という木材の量です。

また日本で使われる木材需要はどのくらいかと言いますと同じく約9000万㎥と言われています。
ですので日本は本来、木材の需要と供給のバランスがとれた国といえます。

きちんと再生可能な形で森林の手入れなどをすれば問題なく国産材だけでまわるはずなのですが、あまりにも日本は森林にお金をかけてこなかったために日本の森は荒れ、後継者は不足している状況です。

表面だけの問題に右往左往するのではなく、根本的な視点でものごとをみてみる必要があるのではないでしょうか。

例えで恐縮ですが、いままでは傷口ができても瘡蓋ができたら、もう痛くない、治った、とその傷口に見向きもしなくなるような政策が多かったように思います。

しかし瘡蓋は今回のようにアメリカ需要の拡大などを受けて、簡単に破れ、また傷口が開いてしまいます。


日本は木材があるにも関わらず、アメリカの需要拡大、コロナ禍での輸入木材の供給量が減少することにより、日本の国産材の価格が2倍になってしまうというのが現状です。

代替療法ではなく、根治治療的な視点で日本の森林のことを考えれば答えは出てくると思うのです。

たぶん今この時期、日本の木材業界はきっとこの機会を逃すまいと考えていらっしゃる方もおられるでしょう。また工務店さんや大工さんは木材を手に入れるために大変な苦労をされていることと思います。


本当に日本の林業の将来のことを考えた際にどのようにしたらよいかきっとみなさんは答えがみえていることでしょう。きっとご自身の胸のなかに答えはあると思います。

しばらくしますと輸入木材も以前の通りに戻り、国産材の価格も元に戻るでしょう。

日本の林業にも代替療法ではなく、根治治療を、と私は思っています。

ひと・すまい・くらし
 新井 伸宏


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