ひさらのきまぐれ。

多趣味だけどどこかぼんやりな私(ひさら)の気まぐれブログ。
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布引観音

2010年08月12日 | 旅行
長野の善光寺といえば、「牛にひかれて善光寺」のフレーズで有名ですが。
おばあさんが追いかけていたはずの「布」がその後、どうなったか知ってます?(笑

牛にひかれる話。。。

昔、働き者だが強欲で意地悪な老婆が、千曲川で布をさらしていると、どこからか牛が現れ、その布を角にかけて走り出した。老婆が驚いて後を追いかけると、牛は北へ北へと向かいついに善光寺にたどり着いて消えてしまった。この牛が観音様の化身であったことを知った老婆はすっかり改心し、家に帰ると岩山に観音様をお祀りし、朝夕に拝むようになった。



小諸から長野まで、うっかり連れて行かれちゃった老婆もすごいですが(笑)昔話にはよくあることで。
長野では(多分全国的にも)有名なお話です。

で、今回初めて知ったのは、この「布」の行方。
善光寺では、牛は善光寺阿弥陀如来の化身とされていて、不信心を悔いた老婆がその後もたびたび善光寺を参詣し極楽往生した、という話に仕上がっているのですが。
流石は老婆の地元、小諸では老婆は戻ってきて自分のところに観音を祀って拝んだ、ということになっているんですね。
で、気になるのが「白い布」。
牛が消えたら、角に引っ掛けた布はそのまま善光寺に落っこちそうですが、実はそうじゃないんですね。
老婆が気づいたら、地元にあったというのですよ!(まるで青い鳥です)


牛にひかれる話。後日談

ある日、信心深く改心した老婆がふと故郷の布引山を仰ぎ見ると、岩角に「あの布」が吹付けられているのを見つけた。老婆は何とかして取り戻したいと思ったがそこは断崖絶壁。取るすべがない。一心不乱に念じているうち、老婆は布とともに石と化してしまったという。布引山の断崖には今も白く布の形をした岩肌が眺められるという。




その岩です!



うそです。

どこがその岩肌なのか分からなかったので(特に現地では図示していません)、「それっぽく見える岩肌」を撮影してきました。これは千曲川沿いの絶壁です。でもそれっぽいでしょ?
多分、白い岩質がこういう感じで帯状に浮かび上がるような地層なんだと思います。




千曲川沿いの駐車場から、崖をよじ登る…と言えば大げさですが、それでもかなりの急斜面をヒィヒィ言いながら20分ほど登っていくと、京都の清水寺のミニチュアみたいな朱塗りの張り出し舞台が見えてきます。



これが伝説のお婆さんが祀ったという「布引観音」です。

→小諸市観光協会HP http://www.kanko.komoro.org/midokoro/nunobiki.html

崖の上に張り出して作られた舞台、しかも小さな古いお堂なので、敷いた板の隙間から真下の渓谷が見えたりなんかして。かなりスリリングです。



まぁ、伝説の老婆はさておき。
このお寺(布引山釈尊寺)は、神亀元年(724年)に行基によって開かれたという説や、天平二十年(748年)聖武天皇の勅願で行基が一宇を建立し、聖徳太子作の聖観世音菩薩像を安置したのに始まるという説があります。
伽藍は武田信玄の侵攻により焼失したりなんかもしたらしく、現在のものは江戸時代後期に再建されたもの。
肝心の観音堂(観音堂宮殿)は正嘉2年(1258年)造立。重要文化財に指定されています。

上からの眺めは抜群です。
実は、山の裏側から来るまで登れたらしい、というのを知ったのはお堂に上ってからで((^^;;

なかなか良いリハビリになったのでした。

近くに日帰り入浴も出来る布引温泉というところがあって。
塩っ辛くて、濃ゆ~~~いトロリとした泉質が楽しめます。
地元のお年寄りに交じって楽しんできました♪

温泉三昧、いいよね(うふふふ


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