ひさらのきまぐれ。

多趣味だけどどこかぼんやりな私(ひさら)の気まぐれブログ。
趣味の話、日々の話。

龍岡城

2009年08月20日 | 旅行
恒例の長野で過ごした夏休みですが、毎日仕事でお散歩もままならず
今回は本当に、「カンヅメ」的な生活でした。
まぁ、東京の家にいると、暑いこともあってなんとなくだらけちゃうし。涼しいところで集中するっていうのも、仕事の効率としては悪くはなかったです。
滞在地は昔から作家たちの集まる場所としても知られたところなので、まぁ、それらにあやかったつもりで。

新幹線通勤までして仕事を終えた次の日は、御褒美ということで()一日ドライブに出かけました。

城好きな私としては、前々から気になっていたのです。
写真(google earth)に星型の壕の跡、五稜郭が写っているのが見えるでしょうか。

ちなみに、北海道ではありません。長野県です。

日本に二つだけ作られた五稜郭。北海道は函館の五稜郭は超がつくほど有名ですが、実はもう一つは長野県佐久市にあるのです。
こちらの方が函館より4年ほど遅くに完成していますが、れっきとした江戸時代のお城の跡、その名を「龍岡城」といいます。

この辺りは天領だの、飛び地だのが混じり合っていてどこの城がどの殿様のものか、分かりづらかったりするのですが。
五稜郭というからには、幕末の築城のはず。
それまでここには城がなかったのか?改装というならわざわざ五稜郭にはしないだろう。ということは何故いきなり、そんな江戸時代も押し詰まったころになって新たに城を作らなければならなかったのか?

実際に現地に足を運んでみると、ますます不思議です。
函館の五稜郭は、日米和親条約締結による、函館開港に伴った防衛、軍事力強化のための築城だとわかりますが。
この龍岡にはそんな必要が何にもない!(ちょっと失礼

今でも変わらず田舎ですが(かなり失礼)、当時もやはり中山道という主要幹線の宿場近くではあるものの、外敵の脅威などというものはどこか遠くの話に聞こえてしまいそうな山の中だったはずです。
何せ、皇女和の宮がお嫁入りするのに下って行った街道ですからね。少なくとも黒船からは狙われにくい。

そんなところに何故、あえて洋式の城を作らなくちゃならなかったのか。
一体誰と戦うつもりだったのか。
私にはとっても不思議でした。

今回改めて解説などを読んで、とても勉強になりました。

城というからには殿様の居る場所。その殿様は元々この領地をもってはいたけれど、遠く三河に住んでいたんですね。ここ龍岡にはお城はなかった。
黒船来航以降の危機感迫る中、三河は海に面しているし危ない!ということで、殿様一行は信濃へと移住(いわゆる疎開か?)することを決定。
そこで作られたのが、龍岡城なのだそうです。

この時の殿様が、三河奥殿藩主松平乗謨、後の賞勲局長官大給恒その人だったのです。
殿様時代にそんなことをしていたのか、オギュウってば・・・。

殿様の突然の移住計画に対して、当時の三河の人々は嘆願書を出してまで反対したそうです。(そりゃそうだろう)
結局、この龍岡城は完成を見ないうちに明治維新となってしまいましたし、お殿様は時代の変化とともにすっぱり城とは決別、東京へ出ていってお国の役人になっちゃうわけですから。確かに三河の人々にとっては移住損ですよね。どのくらいの人が移住し、三河に残ったのか、気になります。

現在では濠の内の一部にちょこんと、大給をまつった神社があるほかは大部分が地元の小学校として活用されています。校舎の裏手にあたる部分は、お濠も埋め立てられています。




お濠を渡って中に入ると、小学校の校舎と花壇があって、本丸御殿などがあった(建てようと思っていた)場所はと競争かなんかのための白線が引かれた校庭が広がっていました。
なんだか普通で、のどかで、くすくすと笑ってしまいたくなりました。

体操着姿でジョウロを手にした小学生が、「今日は水やり当番なんだ!」と張り切っていました。
城の中で花を育てているなんて、まじめすぎるほどまじめ一本やりだったオギュウが知ったらなんというかなぁ。案外、和歌なんか詠んじゃったりするかもしれないな。なんて、色々と想像をめぐらしたお城散歩でした。

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2 コメント

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Unknown (うに)
2009-08-26 14:20:57
五稜郭、初めて知りました。
函館だけではないのですね!
星の先端がよく分かって面白いです♪
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Unknown (ひさら)
2009-08-28 00:36:36
うにちゃん、メッセージどうもありがとう(^-^)
一般的に「五稜郭」と言えば、函館のそれを指しますが。実は日本史の上では二か所に存在していたのですよ。結構びっくりでしょ☆

残念ながらこちらは、函館の「タワー」にあたるような「全体を見下ろせる場所」が近くにないので。星形を実際に感じるのは難しいと思います。
でも、グーグルアースで見ればちゃんと星形になってるし。それを頭に思い描きつつお濠を眺めれば、写真のように鋭角に曲がっているところなどがいかにもそれらしくって、ワクワク出来ます。

長野新幹線佐久平駅から車で20分くらいかなぁ。
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