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馬うま牧場ライフ

馬の雑誌 The Horse や EQUUS から
「雑訳」してお届けします。
※米国ケンタッキーで発行の雑誌

飼葉・・・ビートパルプ:本当に良い物なのか???

2007年05月22日 | 飼葉
牛のエサにはよく使われているビートパルプ。甜菜(てんさい):砂糖大根ともいい、サトウキビに次ぐ砂糖の原料になる大根です。北海道で主に生産されます。

この甜菜から砂糖を作った時に、できるカス。それがビートパルプです。

カスとは言え、糖分は8%くらい含まれています。(甜菜の糖分は17%)

最近、馬にもビートパルプが使われるようになってきました。
カロリーはえん麦の8掛。繊維が豊富で、腹痛防止にもなるのではと期待されたりもしています。

与えられ方は、ふやかされるのが一般的です。牛の牧場では、どなたかのブログを見た限りですが、やっぱりふやかしているようです。前にいた牧場でも、ふやかしていて、大雑把にいうと、「ビートパルプのペレット1つかみに、水1リットル」でした。朝に夕飼分をふやかし、夜に朝飼分をふやかしていました。ふやかすと、こんなにも膨らむのか、というぐらいに膨らみます。

なので、乾燥した状態で与えたら・・・・お腹の中で膨張し、それこそ疝痛の元になりかねないでしょう。また喉詰まりの原因にもなります。

成分は、というと、割と高めのカロリー、高繊維、をよく注目されますが、他にも、高カルシウムでもあります。

便通が良くなる事を期待して、「じゃあ、ふすまやめて、ビートパルプにするか」と交換して与える人がいますが、実は、ふすまとビートでは、リン:カルシウムの比率がほぼ正反対。「ふすまやめて、ビートにする」=「リンやめて、カルシウム与える」に等しい位の事が起こります。リンとカルシウムの比率が大幅に変わる事を知っておいた方が良いです。→その後の調べで、ふすまのリンはあまり体に吸収されない、という事もあるようです。しかし、よくリン過剰の症状である、「頭が肥大する病気」(Big head)が、ふすま主体の飼葉を与えられていた馬に見られています。

ビートパルプは、ペレット状のもの、そして粉砕されたタイプのものとあります。
粉砕されたものは、そのまま与えても大丈夫・・・かのように売られているのでしょうか?。しかし私は非常に疑っています。粉砕タイプのものも、ふやかしてみると、すごく膨張します。これじゃぁペレットと変わんないじゃん!!!って思います。
粉砕タイプのビートパルプを販売されている方、実のところどうなのでしょうか?そのまま与えるものなのでしょうか?

ひょっとして、と思うのは、例えば、現役の競走馬が、この粉砕ビートパルプをそのまま与えられていたとして、でも、競走馬の飼葉って、他にも色んなものが入っていて、飼葉自体に水分が多かったとしたら、ふやかしたような状態になる事を想定しているとか・・・。

そして、もう一つ懐疑的なのは、最近、炭水化物が良くない・・・つまりえん麦が良くない、という流れになりつつあり、ビートパルプならいいんじゃないか、と言われてもしますが・・・

ビートだって、糖分があって、炭水化物なんじゃないの?って思うんです。

炭水化物によって、体内のインスリンが反応して、それが良くない、と言われ、だったら、ビートパルプの糖分はどうなのか?と思うんです。実際、ふやかすと、甘い匂いが漂います。灰色のビートパルプをふやかすと、やや黒っぽい砂糖汁に、カスがある状態。

ふやかす→汁を捨てる→ふやかす・・・を何回か繰り返すと、灰色だったビートパルプは、どんどん白くなっていきます。そして甘い匂いもなくなっていく。まるで切干大根の如く。ああ、これが繊維か~と。

良質の繊維を摂取できる。。。というならば、その絞りきったカスを使うか、はたまた、乾草をふんだんに与える、でも良いと思うんですよね。

という事で、私は、あまりビートパルプは好きではありません。

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