雨の記号(rain symbol)

ときわ荘のぼんくら談義⑮

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  KARAの解散⑮



「お腹をあっためるにはつぶあんのお汁粉がいいが、酒を飲んだ後ならこしあんのこいつに限るよ。アルコールの分解を早めてくれるしね」
「それでおやつなら小倉パンと来るんだろう?…正月前は小豆缶と切り餅をしっかり買い込んでたが、好きだねぇ、貴殿も…」
「はっははは~俺は若い頃、酒もたばこもやらなかった。もっぱら甘党で通してた。酒は付き合いで少しずつ覚えていったが、ビールや酒が美味しいと
感じるようになったのは30歳過ぎてからだ」
「…」
「この年まで泥酔を経験しなかったのも甘党が続いてきたのもそのせいだろうな。仲間と飲んだ後はコンビニに立ち寄り、アンパン齧りながら駅からの帰り道を歩いたものだ。はっははは、それでたまにはな」
「…ああ」
「アンパン食べながら酒の集まりに出かけて行く時もあるんだ。最近でもね、会社の飲み会」
「ちょっと待て」
 ボンタが目を上げるとクラヤはしかめっ面になっている。
「何?」
「何じゃない。どっちが大刀かは知らんが、貴殿の両刀使いはよく分かった。だけど話はどうなってる? このまま車庫に入り出してるんじゃないよね」
「車庫?」
「ああ。話が不安定過ぎるよ。どこかに淀みなく進んでるから脱線とも言いがたいが、目的地がわからずじまいで、結局は操車場に引き込まれていく電車に乗せられてる気分だ。関心をもって真剣に耳を傾けてるんだから、目的の駅にしっかり連れてってくれないと…。酒飲んで酔っ払った帰りに、貴殿がアンパン齧るのはちゃんと家に帰り着くためなんだろう?」
「ああ。そうだろな。間違って隣の家に帰っちまう可能性もあるからそうしてるんだろうな」
「草餅のアルコール分解はまだ始まってないようだな。大丈夫か? そろそろお開きにして話の続きは次の週末にしてはどうだ? さっきから知った風に話してるが、じつはKARAやハラについてきちんと説明できるほどの情報持ってないんじゃないのか?」
「それは心外だ」
 ボンタは顔を上げ、憎らしげにクラヤを見た。一瞬、彼の顔が二重になったが、目を凝らすと一つに重なった。少しは酔ってると感じた。
 だが、今話さないとクラヤは自分が大した情報持ってるわけでないと信じ込むかもしれなかった。それはプライドが許さない。
「持ってるのか? 俺はちゃんと整理したやつを聞きたいんだがな」
「もちろんちゃんとしたのを持ってるよ。それを今話せないようでは価値もない。じゃあ、ハラの話に移ろう」
「そうしてくれ」
「その前に草餅をくれ。まだ食い足りない。確かもうワンパック買ってきてもらってるんだったよな?」  
 クラヤは笑いながら立ち上がった。





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