
韓国ドラマ「プレーヤー」(連載75)
☆主なキャスト&登場人物
○ソン・スンホン➡(カン・ハリ(チェ・スヒョク))
○クリスタル➡(チャ・アリョン)
○イ・シオン➡(イム・ビョンミン)
○テ・ウォンソク➡(ト・ジヌン)
○キム・ウォネ➡(チャン・インギュ)
○アン・セホ➡(メン・ジフン 係長)
○ユ・イェビン➡(チュ・ヨニ)
プレーヤー」第6話→(俺たちの妹)⑤
★★★
アリョンはヨンジを車に乗せて逃走する。
車を飛ばすアリョンに向かってヨンジは言った。
「姉御、ごめん…私の話を聞いて。じつは…」
「後にして」
逃げるためにハンドルを握るアリョンの前に、見覚えのあるトラックが走ってきて止まった。
走って来た方に向かおうとするとさらに一台が走って来て止まった。
前方を塞がれた格好になった。
アリョンは窓から顔を出して叫んだ。
「どきなさいよ!」
「アリョンさん」
もう一台の車を運転していたのは施設の院長だった。
ヨンジは後ろを見て言った。
「連中が追いかけてきたよ」
「ここにいて」
アリョンは車の外に出た。施設の院長のところに走り寄った。
「車にヨンジがいます。連れて逃げてください。お願いしますよ」
ヨンジを院長に託してアリョンは単独で逃げる。
「ヨンジが?」
ペク・ソンはヨンジの乗っている車に歩いて行った。
歩いてきた相手を見てヨンジの顔は強張った。キム裁判官といた時よりも恐怖で引きつった顔になった。
一方、アリョンも追手たちに取り囲まれてしまった。逃れようと奮闘していると、後ろでヨンジの悲鳴が聞こえた。
彼女に気を取られた瞬間、アリョンも追手の一撃を食らった。
意識の消える直前、アリョンはヨンジの必死に抵抗する声を耳に刻んだ。
「姉御~っ! 放してよ…助けて~…話してよ~…」
★★★
ビョンミンはペク・ソンについて2人に説明を行った。
「ペク・ソンが頭角を現したのは8年前だ」
「…」
「その名の聞こえたハンターだったらしい―パク社長に出あってから貸金業を始めてる…今はチョン会長の座を狙い、組織を広げて来ている」
「専門は?」とハリ。
「専門は麻薬、資金洗浄、貸金、殺人などと手広い。金のためなら何でもやる雑食だ」
ビョンミンはジヌンを指さした。
「金を返さなかったらお前みたいに潰すんだ」
ジヌンはハリを見た。
「チョン会長以上のクズだな」
ハリは顔を顰めてジヌンと目を合わせた。
「実情はもっとひどいんだろうな―モンタージュを見せてくれ」
「なぜか…、それだけが見つからない」
「…」
「表には出てこないタイプみたいだ」
「見つける手がかりは?」
「それだが…ルームサロン火災事件の時に片腕を火傷したという噂はある」
ハリは腕組みをほぐし、床に立った。モニタに目をやった。
「ところで…アリョンはどこへ消えちまったんだ?」
「電話もないのか?」とジヌン。
「かけても出ないよ」
ハリは一味の車を追走したどさくさ紛れの中でアリョンの乗った車が走り抜けて行ったのを思い起こした。どう考えても一味に関わっていたとしか思えない。
ハリは言った。
「ペク・ソン一味の逃走経路の防犯カメラ映像を見せてくれ」
ビョンミンはマウスを動かした。
「ここが事故現場で、ここを抜けていって~そのあとの動きは分からない」
ハリはビョンミンの説明を人差し指で追った。
「最後の場所がここなら~、こことここの間のどこかということになる」
「…ん? 待てよ~」
ビョンミンは首を突き出した。
「ここにあったのか~、”ヨンソン児童養護施設”は…」
「知ってるのか?」とハリ。
「昨日、アリョンが知り合いを捜してほしいって電話を寄こしたんだ。確か、ヨンジだかヨンジャンだかいう子がここで育ったと言ってた」
ビョンミンはハリを見た。
「調べたらここの出身だった」
「なるほど」
ハリの表情は和らぎを見せた。遠くを見る目になった。
「一丁、鎌をかけてみるか~」

建物の外では子供たちが楽しそうに走り回っている。
ハリは当該の施設を訪問した。
子供たちの画いた絵が額縁に収められ、所せましと貼られたり飾られたりしている。
それらを眺めながら待っていると、施設の院長が姿を見せた。
「年に4回、写生大会をやってるんです…」
ハリは振り返った。
「子供たちが一番好きな日です。どうぞ、おかけください」
頭を下げ、ハリはソファに腰をおろす。
さっそく訊ねた。
「ここで育った子は全員、覚えてますか?」
「もちろんです」院長は当然のごとく答える。「実の子も同然ですからね」
笑みを見せた。
ハリは頷く。
「そしたらこの子も―」
ポケットから携帯を取り出す。中に収めた画像を携帯ごと見せた。
☆主なキャスト&登場人物
○ソン・スンホン➡(カン・ハリ(チェ・スヒョク))
○クリスタル➡(チャ・アリョン)
○イ・シオン➡(イム・ビョンミン)
○テ・ウォンソク➡(ト・ジヌン)
○キム・ウォネ➡(チャン・インギュ)
○アン・セホ➡(メン・ジフン 係長)
○ユ・イェビン➡(チュ・ヨニ)
プレーヤー」第6話→(俺たちの妹)⑤
★★★
アリョンはヨンジを車に乗せて逃走する。
車を飛ばすアリョンに向かってヨンジは言った。
「姉御、ごめん…私の話を聞いて。じつは…」
「後にして」
逃げるためにハンドルを握るアリョンの前に、見覚えのあるトラックが走ってきて止まった。
走って来た方に向かおうとするとさらに一台が走って来て止まった。
前方を塞がれた格好になった。
アリョンは窓から顔を出して叫んだ。
「どきなさいよ!」
「アリョンさん」
もう一台の車を運転していたのは施設の院長だった。
ヨンジは後ろを見て言った。
「連中が追いかけてきたよ」
「ここにいて」
アリョンは車の外に出た。施設の院長のところに走り寄った。
「車にヨンジがいます。連れて逃げてください。お願いしますよ」
ヨンジを院長に託してアリョンは単独で逃げる。
「ヨンジが?」
ペク・ソンはヨンジの乗っている車に歩いて行った。
歩いてきた相手を見てヨンジの顔は強張った。キム裁判官といた時よりも恐怖で引きつった顔になった。
一方、アリョンも追手たちに取り囲まれてしまった。逃れようと奮闘していると、後ろでヨンジの悲鳴が聞こえた。
彼女に気を取られた瞬間、アリョンも追手の一撃を食らった。
意識の消える直前、アリョンはヨンジの必死に抵抗する声を耳に刻んだ。
「姉御~っ! 放してよ…助けて~…話してよ~…」
★★★
ビョンミンはペク・ソンについて2人に説明を行った。
「ペク・ソンが頭角を現したのは8年前だ」
「…」
「その名の聞こえたハンターだったらしい―パク社長に出あってから貸金業を始めてる…今はチョン会長の座を狙い、組織を広げて来ている」
「専門は?」とハリ。
「専門は麻薬、資金洗浄、貸金、殺人などと手広い。金のためなら何でもやる雑食だ」
ビョンミンはジヌンを指さした。
「金を返さなかったらお前みたいに潰すんだ」
ジヌンはハリを見た。
「チョン会長以上のクズだな」
ハリは顔を顰めてジヌンと目を合わせた。
「実情はもっとひどいんだろうな―モンタージュを見せてくれ」
「なぜか…、それだけが見つからない」
「…」
「表には出てこないタイプみたいだ」
「見つける手がかりは?」
「それだが…ルームサロン火災事件の時に片腕を火傷したという噂はある」
ハリは腕組みをほぐし、床に立った。モニタに目をやった。
「ところで…アリョンはどこへ消えちまったんだ?」
「電話もないのか?」とジヌン。
「かけても出ないよ」
ハリは一味の車を追走したどさくさ紛れの中でアリョンの乗った車が走り抜けて行ったのを思い起こした。どう考えても一味に関わっていたとしか思えない。
ハリは言った。
「ペク・ソン一味の逃走経路の防犯カメラ映像を見せてくれ」
ビョンミンはマウスを動かした。
「ここが事故現場で、ここを抜けていって~そのあとの動きは分からない」
ハリはビョンミンの説明を人差し指で追った。
「最後の場所がここなら~、こことここの間のどこかということになる」
「…ん? 待てよ~」
ビョンミンは首を突き出した。
「ここにあったのか~、”ヨンソン児童養護施設”は…」
「知ってるのか?」とハリ。
「昨日、アリョンが知り合いを捜してほしいって電話を寄こしたんだ。確か、ヨンジだかヨンジャンだかいう子がここで育ったと言ってた」
ビョンミンはハリを見た。
「調べたらここの出身だった」
「なるほど」
ハリの表情は和らぎを見せた。遠くを見る目になった。
「一丁、鎌をかけてみるか~」

建物の外では子供たちが楽しそうに走り回っている。
ハリは当該の施設を訪問した。
子供たちの画いた絵が額縁に収められ、所せましと貼られたり飾られたりしている。
それらを眺めながら待っていると、施設の院長が姿を見せた。
「年に4回、写生大会をやってるんです…」
ハリは振り返った。
「子供たちが一番好きな日です。どうぞ、おかけください」
頭を下げ、ハリはソファに腰をおろす。
さっそく訊ねた。
「ここで育った子は全員、覚えてますか?」
「もちろんです」院長は当然のごとく答える。「実の子も同然ですからね」
笑みを見せた。
ハリは頷く。
「そしたらこの子も―」
ポケットから携帯を取り出す。中に収めた画像を携帯ごと見せた。
見せたのはアリョンの写真だった。
院長の表情は瞬間揺れたようだった。それをハリは見逃さなかった。
ハリは出された飲み物を口にした。ひと口飲み終わっても返事はない。
ハリは切り出した。
「ヤクザとつるんでいるようで、捜しているんです」
「さあ~、初めて見ますが…」
「そうですか」
「…」
「当直の先生は”昨日来た”とおっしゃってましたが」
「…」
「勘違いですかね」
「待ってください」
院長は携帯画像を見直す。
顔を上げた。
「写真と実物はだいぶ違ってみえますね。チャ・アリョンですよね」
「…」
「ただ挨拶に来ただけです」
携帯が返される。
「そうですか」
「…」
「何か、おかしな点はなかったですか? 例えば事故に遭ったとか同乗者がいたとか」
「車は見たんですが、そこまでは…」
「車ですか? バイクのはずなんだけどな」
院長はハリを見た。
ハリは彼の視線を堂々と受けた。
院長の口が重くなったところでハリは話を切り上げた。
「ご協力、ありがとうございました」
ハリは疑念を深めながら施設の建屋を出た。
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