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雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「30だけど17です」(連載148)




韓国ドラマ「30だけど17です」(連載148)




「30だけど17です」第17話(おじさんが正しい)⑤


☆主なキャスト&登場人物

○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★

 リン・キムから詳しい話を聞かされ、ソリは両こぶしを握り涙目になりながら帰路についた。
 リン・キムは話の後に付け加えた。

― 話題性で選ばれたとしても、ソリさんにとっては願ってもない機会でしょ?

― 音楽祭の舞台に立たないで。

 ウジンがどうしてあんな言葉を吐いたのか…。

― いいから降りるんだ。

 どうして手を振りほどいてまで怒りを表出させていたのか…。

 そんな言葉などがソリの頭の中でグルグル回っていた。


 その頃、ピョン・ギュチョルはソリの件で担当の記者に電話を入れていた。
「チョン記者、例の記事を流してくれ。ああ、音楽祭の前にテレビにも出す。ファンPDも来るだろ? 先に飲んでて。ああ、頼む」
 電話を終えたピョン・ギュチョルの前にウジンが立った。
「お話があります」

★★★


 ピョン・ギュチョルは怪訝そうにウジンを見た。
「わざわざ何の用で? ああ、本部長に言われて?」
  ピョン・ギュチョルは勝手に思い込んで話を続けようとする。
「謝りに来たなら」
 ウジンはすかさず返す。
「その気はありません」 
 ピョン・ギュチョルは険しい顔になる。
「確かに不満気だ。謝りに来た顏じゃないな」
「その計画は、即、中止してください」
 2人は睨み合った。
 ウジンはピョン・ギュチョルの電話での話しぶりを思い起こした。


― だから、哀れな彼女を見たくなるようにだ。もっと刺激的な記事を書くんだ。…演奏の実力? 10年間も寝てたのに上手いわけないだろう。実力なんてどうでもいいんだ。どうせ誰も真剣に聴きはしないんだから。下手だからって、哀れな彼女を誰も責めやしない。しばらく、彼女で稼ごう。実力不足で叩かれるのは自分たちじゃないんだ。テレビに出ればチケットは完売だ。彼女には物語性がある。お涙頂戴で稼いで―世間に飽きられたら捨てるまでだ。


 ウジンはピョン・ギュチョルを見た。
「ソリさんの記事とテレビ出演も中止してください」
「何をムキになってる。彼女はただのバイトなのでは?」
「…」
「ああ〜」ピョン・ギュチョルは合点がいった顔をする。「下心があって彼女をスタッフにしたとか?」
 彼の口調にウジンは怒りをたぎらせた。次の瞬間、シャツの首根っこをつかんでいた。
「あなた、それでも人間か!」
 首根っこをつかまれ、ピョン・ギュチョルも反発する。
「失敬だぞ、君は」
「彼女の辛い過去を利用するのは、断じて許せない。そんな人間だと知ってたら、あんたとは仕事しなかった」
「…」
 ウジンは手を放した。
「もしも記事が出たら舞台は作らない。地べたで公演すればいい」
 そう言い放ってウジンは背を返した。 
 ウジンの頭の中ではソリの言葉がグルグル回っていた。


― 10年以上意識不明でした。何事もなければ、私もステキなドレスを着て舞台に立てたはずなのに…。いつか舞台に立ちたい。


― 頑張って練習して資格がある人になりたい。


― 今日が初練習なんです。行って来ます。


 
 事務所に戻ってウジンは思案に沈んだ。
 自分のとった行動は果たして正しいと言えるのか。ただの理想論じゃないのか…?
「ソリさん、フェスティバルのステージに立たないで」
 自分の毅然とした態度にヒスは叫んだ。
「イカれたの?」
 ソリも自分の手を取って懇願してきた。
「私、仕事で支障を出してません。誰よりも早く出勤して仕事をしてるし」
 自分は彼女のその手を押しのけた。
 ほんとにあれでよかったのか…?


 
 たまたまピョン・ギュチョルとのやりとりを見てしまったソリは考え込んでいるウジンの前に立った。
 ウジンはソリに気付いて席を立った。
 ソリは訊ねた。
「ぜんぶ知ってたんですね」
「…」
「どうして止めるの? どうして? 私が」
「…」
「話題づくりだから?」
「いや、それは…」
「”10年ぶりに目覚めた奇跡のバイオリスト?”? 事実だもの。別にいいじゃない」
「ソリさん…」
「私に感謝されると思ったんですか?」
「…」
「私は利用されてもいいんです」
「いいわけない」
 ウジンは叫んだ。
「いいんです」
 ソリも涙ながらに叫んだ。
「大好きなバイオリンが弾けるから。舞台で演奏できるから。私を捨てた叔父さんも…その姿を見てくれたら、会いに来てくれるかもしれない」
「…」
「だから、利用されてもいい」
「…」
「私が平気なのに、なぜ余計な口を挟むんですか? 私がどうなろうとおじさんに関係ないでしょ」
「イヤなんだ」
 ウジンはストレートに返した。ソリの話を聞いているうち、ほんとの自分の気持ちに突き当たっていた。
「僕の好きな人が…いや、僕の好きな女性が傷つくのは―死ぬほどイヤなんだ」
「…」
「君が傷ついて―大好きな音楽が嫌いになってしまったら、もっと余計に傷つくはず」
「傷つくのも利用されるのもこの私です。バイオリンさえ弾けるなら―たとえ、こんな機会でもありがたいんです。今の私には」
「…」
「聞かなかったことにしてください。何があっても私は舞台の上で演奏します」
 きっぱり言い置いてソリは背を返した。



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