goo blog サービス終了のお知らせ 

雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ ファンタスティック・カップル 第10話(12)





 携帯が鳴った。カンジャからだった。
「どうしたの?」
「お姉さん、今どこ?」
「人に会って帰る途中よ。悪いけど今は誰かと話す気分じゃないの」
 携帯を切ったら、近くで”お姉さん”と呼ぶ声がする。
 後ろからだ。振り返るとカンジャが海べりから道路に上がってくる。
 アンナのそばに走り寄ってきた。
「次はお姉さんが私にかけて」
「隣にいるのにどうして?」
「私には電話が一本も来ないの。雪も降らないし電話もない。寂しいのよ」
「・・・」
 アンナは携帯を取り出した。カンジャにかけた。
 カンジャの携帯が音楽を奏でた。
「あの曲ね」とアンナ。
 音楽をしばらく聴いてからカンジャは携帯に出る。
「こんにちは。久しぶりですね」
「電話したわよ」
 アンナは携帯を閉じて歩き出した。
「ええ、よく知ってます。何度か父と行きました」
 携帯に話しかけながらカンジャはアンナについて歩く。

 二人は岩場で休憩を取った。
「・・・行けません。はい・・・」
 カンジャは携帯を相手にまだしゃべっている。
 アンナはカンジャに話しかけた。」
「・・・母親はどうして”ジャージャー麺が嫌いだ”と言ったと思う?」
「私の母さんは好きよ」
 カンジャは携帯に答えている。
「そうね。母親はジャージャー麺が好きでも・・・時には嘘をつくの。”それが愛と犠牲なんだ”って。チャン・チョルスがそう言ってた」
「そうなの? お姉さんはジャージャー麺が嫌いなの?」
「ええ。これからは・・・嫌いだと言うわ」

 アンナはチョルスに携帯を届け終わった。
「これを渡しに来たのか?」
「そうよ。私が電話するから置いていったの?」
 チョルスは笑った。
「ああ、そうだよ」
「そうだと思った・・・チャン・チョルス。私、お酒が飲みたい」
「何だ?」
「ジャージャー麺とマッコリよ」
 チョルスは苦笑した。
「その二つは合わないぞ」
「別にいいでしょ」アンナは言った。「今日は好きな物を食べたいの」
「それなら、ジャージャー麺とマッコリは今日と明日で分けよう」
「ダメ」アンナはムキになった。「どうしても今日食べたいの」
 チョルスは酒場に入り、そこからジャージャー麺を出前させた。
「向こうに」
 店員が出前持ちに言った。
 金を払いながらチョルスはレジ場の店主に言った。
「今日だけは勘弁して」
 二人はジャージャー麺でマッコリを飲んだ。
「サンシリーッ。こんなに妙な組み合わせは初めてだ。だけど、たまにはいいかもな」
「当然よ。私の好物だもの」
「好きな物が二つ並んでてお前も嬉しいだろ」
「違うよ。三つよ」
「・・・?」
 チョルスはアンナを見た。アンナは言った。
「あんたもいるもの」
 照れくささを隠してチョルスは返した。
「それは光栄だな。好物にくわえてもらって」
「勘違いしないで。おごってくれるから好きなのよ」
 チョルスは嬉しそうにした。
「わかった。またおごってやるよ。たくさん食ってくれ」
 アンナはジャージャー麺をパクつくチョルスを目に焼き付けた。それからゆっくりマッコリを飲んだ。



script type="text/javascript" src="//translate.google.com/translate_a/element.js?2db9cb=googleTranslateElementInit"></script>  google-site-verification: google3493cdb
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「韓国ドラマ「ファンタスティックカップル」」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事