雨の記号(rain symbol)

小林康太郎アマ  VS  伊藤 匠四段




 小林康太郎アマ  VS  伊藤 匠四段


第15回朝日杯将棋オープン戦一次予選から


 第四回Abema将棋トーナメントで藤井二冠や高見七段とチームを組む伊藤 匠四段は、さすが並みの新人(四段)ではない。
 早指し戦のAbema将棋トーナメントで藤井二冠に選ばれたのは伊達じゃないみたいだ。すでにAbema将棋トーナメント名だたる猛者を相手に五分以上の成果を出してチーム藤井の戦いに貢献している。
 今期の成績は7月27日現在、11勝4敗と好調をキープしている。ライバルたちも好調な戦いを進めているので、同期前後の棋士たちによるつばぜり合いや勝率合戦も見ものとなってきているが、彼らの戦いを目にする機会は少ない。


 で、伊藤 匠四段はどんな戦い方をしているのか、と動画を探してみた。
 現在、第15回朝日杯将棋オープン戦一次予選が進行中だ。YouTubeを覗いたら
”小林康太郎アマ VS 伊藤 匠四段”の棋譜動画が出てきた。
 早速2人の対局を観戦した。
 序盤は両者、金銀を玉の上に並べ合って慎重に駒組を進める。角で相手陣を睨み、歩の下に金銀等を配して共に戦いのチャンスを窺う。
 先手の小林アマは守りの銀を9七にくりだして後手伊藤四段の出方を窺う。誘いの隙に見えるがその銀はすぐ9八に戻る。
 先に仕掛けたのは伊藤四段だった。玉頭の歩を切って金を繰り出した後手に対し、先手は2五に出た角を5九に引き上げる。次は飛車を2筋に戻すつもりかと見ていると、5七の銀を4八に引いた。この銀を3七から2六に繰り出し、2筋から攻めて出るつもりらしい。
 この瞬間を狙って伊藤四段は7五歩と仕掛けて出た。4八戻った銀が攻めにも守りにも利かない中途半端な位置と見たようだ。


 ここから伊藤四段の素晴らしい攻めが開始された。桂馬の交換から角が7五に飛び出すと先手は引いた銀を5七に戻して守りを固めるしかなかった。
 後手はその銀と刺し違えるつもりはない。銀を呼んでおいて角を8六に飛び出す。先手は角を逃げるわけにいかない。さりとて金銀で睨みを遮るわけにもいかない。食い千切られて後手の攻めは飛車の睨みもあって勢いがついてしまいそうである。先手はやむなく角交換に応じるが、同飛車と走られてみると先手玉の周りは塀を破られた状況だ。
 守るのは無理と判断した先手は6四歩と突っかけて攻めの拠点をつくる。飛車を追い返し、7五歩と銀の頭を叩いて反撃の足場を築こうとするが、後手の7七歩が先手の守りを弱体化する妙手だった。同銀を誘って4九角打ちが先手にとって激痛となった。
 ここから先手の攻めが水が流れるように先手玉を追い詰めていく。
 後手は取った駒をどんどん打って捨てて先手玉を追い詰めていく。歩以外の駒をきれいに使って先手を投了に追い込んだ。
 先手に勝つチャンスがあったのかなかったのか、縁台将棋の人間にはさっぱりわからないが、伊藤四段の玉の追い詰め方は実にあざやかで見事なものだった。 




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