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韓国ドラマ「30だけど17です」(連載161)





韓国ドラマ「30だけど17です」(連載161)




「30だけど17です」第19話(愛の告白)①


☆主なキャスト&登場人物


○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★

 ウジンは前を向き直った。遠くに目をやった。
「好きです」
「私も…」とソリ。
 ウジンはソリを見た。
 2人は見つめ合った。
 引かれあうように顔を近づけ合った。
 唇が触れ合う瞬間、2人は目をつぶった。そしてキスし合った。
 2人はそっと顔を離した。
 再び見つめ合った。
 我に返ったソリは思わずたじろぐ。後ずさりする。
「どうしたの?」とウジン。「なぜ逃げるの?」
「心臓が」とソリ。「ドキドキする音が―おじさんに聞こえてしまいそうで…」
 ソリは横を向いた。
 ウジンは吹きだした。
 腰を上げてソリの前に立った。
「大丈夫だよ。気にしないで」
「だって私は」
 下を見たままソリは答える。
「こういうの初めてだから」
 はにかんでウジンの顔を見ることができない。
「それは僕もだ」
 ウジンは答えた。
 ソリは顔を上げる。驚く。
「えっ! 私はさておいて、おじさんはその年でキスのひとつも」
 呆れた顔になる。
「そんな…今まで、何してたんですか?」
 もどかしいような言い回しをする。
 ウジンは額に手をやり、困った顔でソリを見た。
「確かにそうかも…」
 ウジンは似顔絵を手にし、一方の手をソリに伸ばした。
「行こう」
 ソリは自分の手をウジンに預けて立ち上がった。
 ウジンについて歩きながらソリは言った。
「あの〜、さっきのあれをもう一度…」
「わかった」
 ウジンはすぐソリにキスをする。
「じゃなくて、もう一度…」
「もっと? いいよ」
 すぐまたキスをする。
 きょとんとしてソリは言う。
「そうじゃなくて…さっきの絵を、もう一度見せて、と言おうとして…点・点・点…」
 ウジンはソリから手を放した。
 バツが悪そうに言った。
「その、もう一度、だったのか…点・点・点…」
 ソリは可笑しそうに笑いだす。口を押えて言った。
「おじさんって、スゴク、カワイイ〜」
 そう言って、ふざけ笑いを続ける。
「その笑い方、人をからかうのはよくないよ」
 ひとりで先に歩き出す。
 しかし、ソリはなおも笑い続けた。笑いながらウジンの後を追った。
「初心でおバカなおじさん、一緒に行きましょうよ」
 コン・ウジンは向き直って手を差し出す。
 ソリはその手をしっかり握って一緒に歩き出した。

★★★


 事務所に集合した時、ウ・ソリは代表のカン・ヒス始め、チン・ヒョンらに挨拶した。
「お世話かけました。ありがとうございました」
「何がです?」とチン・ヒョン。
「音楽祭が終わったので…」
 自分の役目も終わったとの思いもあった。
 ソリに笑みを向けた後、カン・ヒスはテーブルの上に名刺をずらずらと並べた。
「見て―現場で名刺交換した企業のよ」
 そしてソリを見上げた。
「クラシック公演以来、依頼が殺到してるの」
 チン・ヒョンは口笛を鳴らした。
「ここで仕事を続けてくれない?」
 カン・ヒスは切り出した。
「クラシック音楽に疎い私を助けてほしいの。正社員として給料も払う」
 朝から沈みがちだったウジンもうんうんと頷く。
「私を助けてくれない」
「ほんとですか!」
 ソリは身を乗り出すようにする。
「ぜひ、正社員にしてください」
「そうそう」
 ヒスはバッグから携帯を取り出す。
「これは会社で契約した携帯よ。経費で払うから遠慮なく使って」
 ソリは握った携帯を胸に当てた。
「ありがとうございます」
 ウジンはチン・ヒョンに顔を寄せる。聞こえよがしに囁く。
「今日の代表は最高だな」
 チン・ヒョンは吹きだす。
「では、ソリさんの正社員昇格を祝して拍手」
「拍手だ」
 ウジンは立ち上がった。豪快に手を叩いた。
 ウジンを見上げ、苦笑しながらヒスも手を叩いた。
「じゃあ、ゆっくり休んで、来週に会いましょう」
 立ったままでウジンとソリは笑みを交わし合った。


 業務用の携帯を手にしたのがソリは嬉しかった。
 ウジンと手をつないで歩きながら声は弾んだ。
「仕事用の携帯もらってこれで私も正社員ね」
 ソリの話を聞きながら、ウジンも自分のことのように嬉しい。
「これで私も立派な30歳の大人ね」
「…」
「ルンルンルン…大人だわ、大人」
「ほんと、嬉しそうだな…」
「あらっ!」
 ウジンから手を放し、ソリは小走りになる。
「おばあさん…」
 長椅子に腰をおろしていたのは、バイオリンの練習をいつも聴いてくれていた女性だった。
「今日はいい音色の楽器を持ってきてないの?」
「あれは弦が切れちゃって今は弾けないんです」
「そうなの」
 女性はちらとウジンを見た。ウジンはすかさず頭を下げる。
「ステキな旦那さんね」
「旦那さん?」
 ソリはびっくりする。
「じゃあ、また今度ね」
 女性はステッキを手にした立ち上がる。
 ウジンは丁重に頭を下げた。
「ほめていただき、ありがとうございました」
 礼を返して女性は立ち去った。
「旦那さんじゃないのに…」
 気にするソリにウジンは言った。
「訂正するのも失礼だし、それに…いずれ、そうなる」
 にんまりする。
「えっ?」
「えっ?」
 2人は目を合わす。
 ウジンはソリの手を握った。
「行こう」
 とぼけて言った。


 手をつないで歩きながらソリはさっきの女性の話をした。
「そうだったのか…練習を聴いてくれた人だったのか」
 歩いてきてウジンは足を止めた。
 手を引かれてソリはウジンを振り返った。
「どうしたの?」
「やるだけ、やってみないか?」
 ウジンは傍らの広告板を指さした。
「これね〜」
 ソリは苦笑した。
「やってもムダですよ」
「でも、運がよければ叔父さん夫婦の知り合いが目にするかもしれない。やってみる価値はあると思うよ」
 ソリは目を落とした。ウジンはソリの暗い表情を覗き込んだ。
「”人生、何があるか分からない””やってみるのが大事”だろ」
 ウジンの意気込みにソリは笑顔になった。
 
 2人はさっそく役所に出向いた。担当の人に話を通した。
「2007年までは連絡も?」
「はい」とソリ。「11年前に転居してますが、連絡の途絶えた時期は分かりません」
 担当の人は頷いた。
「幕は順番待ちなので、チラシを作って配る人も多いです。やってみますか?」
 ウジンは頷いた。
「チラシの方もお願いします」


「聞いてもいい?」
 広告依頼をすませての帰り道でウジンは切り出した。
「長い間、入院してた理由なんだけど…」
「交通事故です」
 ソリはすんなり答えた。そろそろ詳しく話してもいいと思っていた。 
「こう、交通事故?」 
 ウジンの驚きにソリは慌てて手を横に振った。
「小さな事故だったのに運が悪かったみたい」
「…」
「じつはあの日、気になることがありました」
「気になること?」
「叔父さんの姿を見たんです。私と叔母には出張だと言ってたのに、車を運転して走ってるのを」
「…」
「そのウソと叔父夫婦が姿を消した理由に―何か関係があるのかどうか…今も気になってるんです」
「…」


 ウジンは部屋でパソコンを立ち上げ、ソリの叔父夫婦の追跡を本格的に開始した。





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