雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「30だけど17です」(連載128)




「30だけど17です」第15話(音楽祭の舞台へ)④


☆主なキャスト&登場人物

○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
 
★★★

 ソリたちの事情を知らない所長は仕事をあと回しで休憩を入れ、ソリを前に息子の売り込みを始めた。
「息子は韓方医だが、女性と会う暇がなくてね。かくかくしかじかで江南にマンションも持っている…」
 離れた場所で2人を眺めることになったウジンは所長の話にライバル心を燃やし、ぶつぶつ言った。
「マンションより住むには一戸建ての方が快適で暮らしやすい…」
 傍に立つ製作所のスタッフはウジンを見て怪訝そうにする。
 ウジンの焼きもちを知らない所長は構わず続ける。
「…背も高くて183㎝ある。写真を見せよう。わしに似ず男前なんだ」
 ポケットから携帯を取り出す。
 ウジンは対抗して肩を怒らせ、背筋をのばした。
「あ、いえ〜、私は別に…」
 困っているソリに気づかず、携帯を弄り回す。
「えっと〜、写真はどこだったっけ…どれどれ、早く出てこい」
 ソリは顔をそむけて小さな声でぼやく。
「写真は別に見せなくても」
「出てこないなあ…?」
 その時、所長の携帯が鳴った。
「誰だ? コンデザイナー?」
「どこに行ったんだ?」
 携帯を握って話すウジンの声が目の前でする。
「ああ、ここにいましたか?」
 ウジンは所長を見て語りかける。
 所長は目の前に立つウジンを見上げて言う。
「ずっとここにいたのになぜ電話を?」

★★★


「今までと違うスタイルで柱をセットしたい」
 仕事に戻ったウジンは製作所のスタッフに細かな指示をだす。 
「幅を少し…」
 その時、後ろで誰かに声がかかった。
 ウジンがスタッフに指示を出しているのを見てソリが手を挙げた
「私です」
 ソリの声にウジンは背後を振り返る。
 駆け寄っていったソリは悲鳴とともにしゃがみこんだ。
 ブロック塀がソリの上にのしかかろうとしている。
 あたりの物を蹴り散らかして、ウジンは倒れる壁の下へ走りこんだ。
 寸前でブロック塀は静止した。身体を丸めていたソリのそばでウジンが訊ねた。
「大丈夫ですか?」
 ブロック塀を支えた作業員が言った。
「これは発泡スチロールです」
 ソリは顔を上げた。身体の下にいれた両手を出した。広げて動かしてから胸をなでおろす。


 ウジンたちは作業場の近くで休息を取った。飲み物を買ってウジンがベンチに戻ってくる。
 飲み物を渡してウジンは訊ねた。
「膝を打ったでしょう?」
 ソリは笑って答えた。
「手が無事なら膝のケガなど平気です」
「…」
「私はやりたいみたいです…いえ、やりたいです」
「シム先生の提案ですか?」
「はい」
 返事してからソリはウジンを見上げる。驚いている。
「どうしてそれを?」
「提案を断ったと委員長に聞いたんです」
 ウジンはベンチに腰をおろした。
「君が黙っているのに口を出すべきじゃないから、知らない振りをしてたんです」
 少し間があってソリは言った。
「さっき気付いたんです。演奏したいからとっさに手を庇ったと」
「…」
「ブランクが長すぎて〜資格はないと思ったけど、諦めたくありません」
 ソリはウジンを見た。
「舞台に立ちたいんです」
「…」
「頑張って練習して資格がある人になりたいんです―フェスティバルに出ても構いませんか?」
「ダメです」
 ウジンの言葉にソリはうな垂れた。
「ですよね〜仕事に支障が出ますよね」
「絶対にダメです」
 ソリはウジンを見た。
「悩むのは」
「…」
「”人生、何があるか分からない”だから”やってみるのが大事”なんだ」
 ソリの沈んだ表情に笑顔が戻ってくる。
「そろそろ終わりそうだね、インターミッションも」
 ソリは明るく頷いた。


 一緒に戻りながらソリは言った。
「靴とズボンがペンキで汚れましたね」
「こんなの膝を打ったのに比べたら何でもない。それに」
 ウジンは足を止めた。
「平気だなんて言わないで」
「…」
「怪我したのに平気なわけない」
「…」
「だから我慢しないで」
 ウジンは歩いて車のアシストグリップに手をかけた。軽く引いたらドアが開かない。ムキになってガチャガチャ引いていたら、ソリが遠慮がちに声をかけた。
「リモコンを押してないみたいです…」
 ウジンは耳を赤らめた。
「そ、そうみたいだね」
 ソリは小さく笑った。


 ソリはさっそくカン代表に”フェスティバルに出演”の件を相談した。
 ヒスはしばし考え込んだ風だったが、快活な声でOKした。
「クラシックの会議は―ソリさんの練習がない日に一緒にやりましょう」
 ソリはホッとする。
「頑張って演奏を成功させてね」
 ソリは元気よく頷いた。


 バスからおりたユ・チャンに声がかかった。
「私が分かるかい?」
 チャンは恐縮しながら頭を下げた。
「こんにちは」


 貰った名刺は”ソンム市役所 ボート部 監督”となっている。
 食堂に落ち着いたところでドクスが言った。
「有名なプロチームからスカウトとはね。大したもんだ」
「どうする? 行くの?」とヘボム。
「行かないよ」
 口をもぐもぐさせながら、チャンはドクスの手から名刺を取り返す。そして立ち上がる。
「ジムに行くから」
「なあ、今日くらい休んだらどうだ」
 口をもぐもぐさせながら言った。
「チョン・ジヌンに勝つためだ。行くよ」
 チャンはさっと背を向ける。
 ヘボムは嘆息した。
「根性のある奴だ」
「まったくだ」とドクス。「羨ましい限りだ。大会の度、メダルを取るからスカウトが殺到する」
 ドクスは頭を掻きむしった。
「俺もひとつくらいとっときゃよかった」
「だから3人で同じ色のメダルを取ろうじゃないの」
「そうだな…俺たちももう高3だ」
 ドクスはヘボムの肩に腕を回した。
「考えたら一緒にボートを漕ぐのも残り少ないかもな」
「ああ、進路はまだ未定だし、チャンがプロ入りしたら少ないってことだな」
 2人は嘆息してがっくりうな垂れた。


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