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里見が初防衛に王手をかけた。将棋の「ユニバーサル杯第37期女流名人位戦」5番勝負第2局は30日、千葉・野田市の関根名人記念館で行われ、120手後手の里見香奈女流名人(女流王将、倉敷藤花、18)が120手で清水市代女流六段(42)を破り2連勝。第1局に続く逆転劇で、挑戦者をカド番に追い込んだ。第3局は2月15日に岡山・真庭市の「湯原国際観光ホテル菊之湯」で行われる。
(ニュース記事より)
里見香奈が強い。
第一局の勝利に続いて、千葉・野田市の関根名人記念館で行われた第二局も後手の里見名人が力強い将棋を指して最後は清水市代六段に完勝した。
名人位を奪われ、前期の雪辱に燃えている清水六段は、A級リーグ戦を全勝で勝ち上がってきた。名人位奪還に向けて調子はけして悪くないはずだが、二戦とも攻め味を見せて前半を優位に展開したものの里見の切れ味鋭い反撃に遭うとそのままズルズル寄り切られていってしまう将棋だった。
この将棋を解説した橋本崇載七段は、
「終盤の力が一枚違う感じです」
と里見名人の強さに言及した。
「最新の研究は序盤が主ですけど、私は力強い将棋を指して、悪くても逆転できる大山先生の将棋が理想だと思っています」
彼女が力を入れているのは、振り飛車を得意とした故・大山康晴15世名人の棋譜研究だという。
大山康晴15世名人は、攻め将棋の天才、升田幸三という兄弟子兼ライバルにも恵まれ、的確な受けで相手の攻めをつぶす不敗の将棋を確立したが、彼女は相手の攻めを受けつつそれが同時的に反撃を秘めているという戦術を試行しているかに見える。今回の名人戦の二局はそのような流れを形成していたと感じた。彼女の師匠は大友門下の森鶏二九段だ。「終盤の魔術師」と言われ、鮮やかな攻めを炸裂させてタイトルもいくつか取った名棋士である。
その魔術を彼女も炸裂させている。相手の攻めが緩んだ一瞬の隙を突いて彼女の反撃は始まってしまうのだ。受けと攻めの間合いも絶妙で、橋本七段はしきりにこのあたりの指し回しを誉めていた。
清水六段は何十年ぶりかに無冠となったものの、長い間、女流棋界NO1の座を保ってきた棋士だ。その彼女が二局ともいとも簡単に寄り切られてしまった。
里見香奈の女流タイトル全冠制覇の日はそう遠くないことを感じさせる。
それだけでなくとてつもない連勝記録を達成しそうな予感もある。
天才が出現して、将棋好きの血がまた騒ぎ出してきた。