ダイタンステキ

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ギア比とは、最終減速比とは?

2006-01-15 22:08:06 | Weblog
減速比
  アイドリングで1000回転だとか、
  運行時に5000回転だとかで回っているエンジン回転を
  どれだけ減速するか、の比率です。
  単純計算では減速させればさせるほど力強くなります。
  具体的にはエンジン回転がタイヤの回転に伝わるまでどこ
  まで減速されるか、ということです。
  
  減速比「2」というと、回転数を2分の1にすること。
  つまり倍力強くなります。
  0.5というと、回転数を2倍に上げること。力強さは半減し
  ますが、スピードは上がります。

ギア比(一次減速比)(変速比)
  各ギアでどの程度減速するかです。
  1速のギア比は高く、2,3,4速としだいに低くなり
  (減速させなくなり)5速ミッション車であれば通常一番
  上の5速では逆に増速します(だからオーバートップとか、
  オーバードライブなどという)。
     
  たとえば1速のギア比が「3」なら3分の1まで回転を落とし、
  5速が0.9なら0.9分の1、つまり約1.1倍まで回転
  を上げる、ということです。
  5速ミッションの4速(上から2番目のギア)はギア比1の
  場合が多いようです。
  つまり、エンジン回転を何も変えないということです。
  
  しかし実際には後述のような最終減速比というものがあります。

最終減速比(2次減速比)
  ミッションのギアに関係なくその車体で固定の減速比
  のことです。
  例えば1速のの減速比が3あたりだと仮定しましょう。
ところが、実際に運用するには1速では減速比18くらい
じゃないと実用的なトルクが出ないとしましょう。
  その場合1速での減速比3と最終的な減速比18の
  間を調整するための減速比を2次減速比、最終減速比、
  あるいはファイナルとよんだりします。
  この例では最終減速比は6と設定されるはずです。

  トップギアの4速でのギア比は1の場合が多く、
  これは回転数を変えない、という意味ですが変速比が1
  でもファイナルが6であれば4速での実際のタイヤの
  回転はエンジン回転数の6分の1ということになります。

  最終減速比はその車で固定のものです。
  ギア比(各ギアで異なる)x最終減速比(固定)が 
  総合の減速比になります。
   
  ミッションのギア比は主につながりを重視して設定され、
  どのギアでどの程度の速度域をカバーするか、などを
  考慮して決定されます。

  例えば1速と2速のギア比は離れていても良いが、
  3速と4速の間は離れていては困るであるとか、全体に
  離れると困るので1速増やして6速ミッションにしよう、
  などというように使用されます。    

  ギアで調整する幅はそのままに全体をもう少し高速型
  にしたいだとか低速に振りたいなどの時にファイナルを
  変えます。

  実際のギア比の設計時には4速のギア比を1と決定し、
  トップギアとしての実用的なトルクと速度を出せる減速比
  にするためにファイナルを調整し、そこから順次3速、
  2速、1速(やオーバートップの5速)などのギア比を決める、
  というような決め方をされているのではないでしょうか。
  実際には違うかもしれませんがイメージとしてはファイナルは
  そういう風に使われていると思います。
  
  イメージがわかないかも知れないので参考までに
日産フェアレディZのギア比と最終減速比を書いておきます。
  変速比    6速マニュアル  5速オートマ
     第1速  3.794       3.540
     第2速  2.324       2.264
     第3速  1.624       1.471
     第4速  1.271       1.000
     第5速  1.000       0.834
     第6速  0.794       -
     後 退  3.446       2.370
    
  最終減速比  3.538

  なんとバックギアはローギアよりスピードが出てむしろ
  2速並みなんですね。
1速での減速比は3.794x3.538(ファイナル)=約13.42
  13.42分の1(約7%強)まで減速されます。

  ギア比13.42というと13.42分の1という考え方でも良いですし、
  要するに13.42で割ればよいのでエンジン回転が5000回転の
  時には5000回転÷13.42、ということになります。
     (5000x(1/13.42))

  
ギア比とエンジン回転数とタイヤ外周サイズと速度
  上述で求めた1次と2次の減速比の積xエンジン回転数により
  エンジンが何回転と時に1分間にタイヤが何回転するかが
  わかります。(回転数はRPM、revolutions per minute
  日本語にすると分あたり回転数なので)

  それにタイヤ外周サイズをかければ1分間に進む距離がわかり、
  それを60倍すれば一時間あたりに進む距離、つまり時速
  が計算できます。