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世界副文化遺産 World Subcultural Heritage

つれづれなるままにゲーム・アニメ感想ブログ

マリア様がみてる 4thシーズン 第11話 「ハートの鍵穴」

2009-03-15 01:26:55 | 日記
マリみて11話の出来がとてもよかったので、感想ブログを始めてしまいました。
初めてご覧になった方はよろしくお願いしますね。

さて、すでに終盤のマリア様がみてる4thシーズンですが、ここに来てなかなか盛り上がってきた感じです。
祐巳のスールの申し出を断り、生徒会選挙に立候補してわざと負けた瞳子ですが、ようやく彼女の家庭の事情=出生の秘密が明らかになります。

瞳子は自分が松平の実の娘ではない、ということから深刻なコンプレックスを抱えているようです。そのため、いくら他人から求められても、自分を肯定できないのでしょうね。だから無償の愛を今の親から注がれても、ギブ&テイクといって、有償のものでなければならないと思っている。自分の夢を犠牲にして恩返ししなければならないと思っている。子どもの幸福を願わない親などいないというのに。まあ、子どもにはそれがなかなか分からないというのが大昔からの倣いではありますが。

そんな家庭事情もあいまって、揺れ動く瞳子の心。祐巳のことが心にあるので、演劇部の部長からスールにと求められても受け入れることが出来ませんし、さりとて祐巳への気持ちを完全に断ち切ることもできないでいます。そして、柏木が彼女をドライブに連れ出しますが、瞳子への感情移入のあまり、文字通り「暴走」してしまいます(笑)

ってか、マジで危ないですから。

そして瞳子の衝撃の台詞、「お兄様、おしっこ!」

原作でも話題をさらった台詞ですが、実際にアニメで、釘宮さんの声で聞くとインパクトがあります。まあ別にいやらしい台詞ではないのですが、やっぱりちょっと恥ずかしいかも(笑)
声優さんもなかなか大変です。

そして、バレンタイン企画に瞳子は逡巡しつつ、祐巳を初めて見たときのことを思い出します。そしたら玄関で祐巳にばったり。気まずい瞳子の様子もなんのその、祐巳は明るく一緒の下校に誘います。そして、お互い触れたくないはずのクリスマスの話を祐巳の方から持ち出します。スールを断られたことは吹っ切れているようですね。瞳子はそれが癇に障る、というか、「どうしてあれだけ手ひどく振った私のことを嫌ってくれないの?」とばかりに反撥します。そうしたら、未練もなく祐巳のことを諦められるのに、というわけでしょうか。

「なぜ自分を拒絶した後輩にそこまで構うのか」との問いに、祐巳は静かに、本当に静かに「分からないの?」と問い返す。この台詞がなかなかいい感じです。「私が瞳子のことを好きになったからだよ」「瞳子には好きになるだけのいいところがいっぱいあると分かってほしい」そういう想いが込められているように感じられます。前述の理由から、瞳子は自己肯定する方向には取れないわけですが。

そして、ついには何気ない祐巳の台詞から「自分の出生の秘密を知った祐巳が同情から、スールに選んでくれたんだ」と完全に後ろ向きの回答を出してしまいます。ここでもの凄く強い怒りを瞳子が示すのは、「祐巳の自分への好意には裏がある」という結論を出してしまったからで、裏を返せば、「祐巳には、心の底から自分のことを好きになってほしい」という気持ちがあって、それを裏切られたと感じているからですよね。祐巳はそうなんだよ、とずっとメッセージ発信を続けているのですが、その結論はない、と瞳子は思いこんでいるので、どうにも上手くいきません。両思いなのに実に切ないです。

「その場で100数えなさい。数え終わるまで動いちゃダメよ」
冷静になりなさい、と祐巳がお姉様の貫禄たっぷりの表情で瞳子を諭し、退場。祐巳の成長が実感できるいい表情と台詞です。この100数えるというのが後で伏線として効いてくるんですよね。

律儀にきっちり100数えてから、瞳子は祥子さまを校舎裏に呼び出します。新番長として、もうすぐ卒業する前番長を締めてやろうということでしょうか?(違う)

本当は「祥子さまが祐巳さまにアタシの出生の秘密をばらしたのね!!」と問い詰めようとしたのです。しかし祥子もそんな秘密は知らなかったとわかり、すぐに瞳子は謝罪します。この即座の謝罪の仕方の見せ方が上手い。過ちをすぐに認められる瞳子の本質的な素直さと育ちの良さがよく現れている演出ですよね。

とはいえ、謝罪したところで、後の祭り。結局、瞳子の自己否定は、瞳子の良さを認めている祐巳の否定なわけですから、瞳子が誤解をして難詰したとかそういう些末な誤りよりも前に、そこが祥子には許せなかったのでしょう。自ら、周りの人との絆を断ち切って孤独になってしまったことにようやく気づいた瞳子は、よるべを失って泣き崩れます。そこで、唯一頼りにするのは「黙って100数えなさい」という祐巳の言葉。やっぱり瞳子には祐巳が必要なのですよね。

80ちょっとまで数えると、そっと肩に手を置く人物が。
仏像特集のTV特番を見に行ったはずの乃梨子が帰ってきたのです。
「ああ、録画してあるから大丈夫」
いや、そんなだいなしなことは言いません。仏像よりも瞳子です。いい親友だ。校舎裏でよく見つけられたとは思いますが(笑)

っていうか、泣き崩れながら、鬼ごっこの鬼みたいに数字を数えている瞳子を見て乃梨子はどう思ったんだろうか(笑) いいシーンなんですが、端から見てるとちょっと不思議な光景ですよね。

ここで瞳子がようやく乃梨子のことを「さん」付けなしで呼びます。泣きじゃくりながらしがみついて、ようやく親友に対して、心の壁を崩しました。乃梨子はずっと前から瞳子のことを呼び捨てにしていましたから、瞳子の方からようやく乃梨子に歩み寄った、という感じですよね。

そして、瞳子の「マリア様ありがとうございます。乃梨子をお戻しくださって」というのは実にクリスチャンらしい、敬虔な祈りを込めた言葉ですね。素敵です。

次回はバレンタインデー企画がスタートです。原作だと、地図帳の所を探す場面で、乃梨子が瞳子を諭す場面があり、私は結構好きなのですが、尺の関係でどうなっているかちょっとドキドキです。

あと、予告の斎藤千和さんの声が、テンション高くて、ちょっとだけ、かんなぎの貴子部長っぽかったなー。や、あちらは早水リサさんで別人なんですが。