最近、食育という言葉をよく耳にします。食育とは、食を通して心身を育むことで、食についての知識を習得し、心身によい食を賢く上手に選択する判断力を育てる取組みのことをいいます。
2005年に成立した食育基本法では、「食育を、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けるとともに、様々な経験を通じて食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育を推進することが求められている」としています。
不登校の子どもと食事の関係も指摘され始めています。不登校や引きこもりになる子どもは、脳に良くないものを食べているという専門家もいます。
脳はエネルギーを多く使うため、栄養を多く必要とします。特にストレスを受けることで、通常の4、5倍のエネルギーを使います。不登校や引きこもりになる子どもは、過度のストレスを感じています。ストレスが多いときは、ビタミンのB群は大切だと言われています。ところが精製した小麦粉、白い砂糖、精製した油で作られた食品はB群が少なくなっています。
脳に悪い食生活を改善して、脳に良い食生活を続けていると、子ども達は元気になって活動を始めます。
では、悪い食生活とは、なんでしょうか。それは、糖分の取り過ぎです。甘い飲み物やお菓子は、低血糖症を引き起こす可能性があります。低血糖症とは、血糖値の調節を行う「すい臓」の、インスリンを分泌する機能が正常でなくなってしまった代謝異常の状態です。 血糖値は通常80mg/dl程度に保たれていますが、人の身体は血糖値が低くなることには非常に敏感なので、血糖値が上がったり下がったり、低いままで留まってしまったときには、精神症状があらわれたり、心身にも様々な症状が起こります。
したがって、砂糖入り食品やアルコール、清涼飲料水、炭酸飲料、コーヒー、高脂肪食などの摂取は控え、粗食を心がけて糖分の少ない食べ物を採るようにすることがよいと言われています。
しかし、不登校や引きこもりの子どもに正しい食生活をさせることは、昼夜逆転の生活を改善させるのと同様に簡単なことではありません。私の不登校の中学1年生の息子も好き嫌いが激しく、家内は食事をさせるのに苦労しています。
私の家庭で気を付けていることは、次の3つです。
① 息子が食べられるように料理を工夫する。薬膳料理などは、味付けによっては食べてもらえる場合がある。
② 足りない栄養素をサプリメントで補う。
③ ファストフードや糖分の取り過ぎに注意する。
食育を取り入れることで、必ず子どもは改善に向かいます。