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Collectable Headphones

Collectable Headphones:1960~80年代に製造されたヘッドホンを紹介するページです

PIONEER MONITOR10

2009-05-16 16:00:02 | 古いヘッドホンのレビュー

デザイン  ★★★★☆
造りのよさ ★★★☆☆
装着感   ★★☆☆☆
音質     ★★★☆☆
音の魅力  ★★★★★
入手難易度 ★★☆☆☆



このブログの最初にご紹介したいのは
PIONEERが1975年に販売したMONITOR10です
スペックはこんな感じです*

   ■価格 10,000
   ■型式 密閉ダイナミック型
   ■振動板 57㎜コーン型(ポリエステル系)
   ■インピーダンス 8Ω
   ■再生周波数帯域 20-20,000Hz
   ■許容入力 700mW
   ■感度 100dB/mW
   ■コード 5m4芯カールコード
   ■重量 530g(コード含まず)
   ■発売 1975年
   ■販売終了 1980年頃


重量530gです、重いです、重すぎです
パッドは柔らかくていい感じなのですが、
ハウジングが縦に長くて硬く、││という感じで
\ /という感じになっておらず、
耳の下までうまくカバーしてくれません><
でもこのヘッドホンは今のヘッドホンにはない良さがあります
それは独特の音です
定位がしっかりしている上に、音場が広大です!


●デザイン・造りについて

黒とmetalシルバーのデザインは非常に格好いいです
でも黒の部分は革っぽいのですが、すべて合皮です
ビニールに型押しです
ちょっとぶつけると剥がれます
metalの部分もハウジングとパッドの間の
銀色の線の部分はプラスチックに薄い銀膜で、
これもぶつけたりすると簡単に剥がれてしまいます
見た目より造りはあまりよくないです><


●装着感について

この重さでしかも側圧がゆるいので、
どうしても頭のてっぺんにズシンときます
ヘッドホンの長さは横の金属製のネジで固定できます
パッドは柔らかく布っぽい感触のビニールですが、
状態が悪く乾燥すると表面がぼろぼろになるので注意が必要です
またパッドが左右対称の楕円形でないことに注意してください
耳の根本の部分に耳載せ型、耳の先の部分は耳覆い型という珍しい形です
この形も後で書く広い音場に役立っていると思います
しかし、私の耳の大きさのためか、縦の長さは不十分で
耳たぶにパッドが当たってしまいます
またこのパッドの厚みのために蒸れやすいです
コードは左片出しのカールコードで、コードの根元は回転しますが
固定できず、クルクル回転するためにコードは肩に当たりやすいです
このケーブルがまた重いため、
これも装着感にはマイナスポイントです


●音について

モニター用ヘッドホンらしい密閉型のヘッドホンになります
かといってモニターヘッドホンによくある硬い音ではないです
ひろい音場、きちんとした定位、
適度な音の柔らかさから大編成のクラシックや
洋楽POPS、JPOPSのライブにあいます
ただ低音は少し苦手でハイ上がりです
側圧がゆるいので、手でハウジングを押さえて
耳にドライバーを近づけてやらないと低音は出ません
そうしてもコントラバスの低音はまったく出ません
古いヘッドホンですし、そこまでの低音はご勘弁です><
この間ヘッドホンの好きな友人に聞かせたところ
「頭の後ろのとおーーくから、こんなところから音が鳴ってるよおお
とビックリされました
常に頭の後ろに音が定位する独特の感じがします
でも不自然に作った、いじった音場という感じはしないです
非常に自然で、なおかつ定位もきちんとしています
音が遠くから聞こえてきて、
ホールの一番後ろでステージを眺めているようです
それはこのヘッドホンの最大の魅力だと思います


●その他

コネクタも当時としては珍しい専用プラグです
でもやっぱり合皮です
ケーブルは左片出しのカールコードで、
カールした状態では実寸で1m20cmほどです
前にも書きましたとおり重いケーブルです
アンプは低インピーダンス用ヘッドホンアンプでも
高インピーダンス用ヘッドホンアンプでもどちらでも合うと思います
ポータブルプレーヤーでも鳴ります

購入のポイントとしては優先順位の高いほうから
・パッドの状態のいいもの
・パッドの中のスポンジの状態のいいもの
・パッドを覆う黒のプラスチック部分に欠けがないもの
・金属部分に深いサビのないもの
・カールコードが延びきっていないもの
・合皮部分に破れがないもの
をチェックするといいと思います

お手入れのポイントとしては
・合皮部分は雑巾で丁寧に水ぶき
・金属部分、コネクタは歯ブラシに磨き粉をつけて丁寧に
 (特にハウジングの細い銀色の線の部分ははがさないように)
・パッドは水ぶきせずに革用のミンクオイルなどで手入れ
・パッドを覆う黒のプラスチック部に傷がある場合はコンパウンドで磨く
・合皮部分にハガレがある場合は黒の靴墨などで補修


そんな感じです!


*ヘッドホンのスペックにつきましては
 ヘッドフォン近代博物館管理人さまのご好意を得て転載させて頂きました




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