両親と無理心中（論告）

平成２７年（わ）第１８０９号　

波方 敦子 　

殺人、自殺幇助（裁判員裁判）

【概要】
両親の介護に疲れた被告人が、父親から心中を持ちかけられた事が切っ掛けで、平成２７年１１月２１日、家族３人で入水自殺を図った事件です。

【論告】
非常に危険な犯行態様であるとして、懲役８年を求刑しました。
死を選ぶ以外にも行政の支援を仰ぐ等の道はあったと指摘。（←田舎ではそう言う思考は出来ないのですよ）

【弁論】
執行猶予が相応しいとの意見です。

【私感】
将来の展望が閉塞した状況において、家族のうちの誰一人として残しては行けないという家族の強い結びつきが生んだ悲劇であると感じました。

証言台へと移動する際にキチンと椅子の位置を戻す被告人の様子から、几帳面な性格が伺えます。その性格故に思い詰めたのではないかとも思えました。

被告人の爪の垢をナマポスロットの岡本茂に飲ませる必要を感じます。
事件の数日前に行政が提案した生活保護の受給に一家は消極的だったと言います。

被告人の最終意見陳述が私的事情の耳鳴り（常に高音域が聞こえなくなりつつあります）で良く聞き取れませんでした。
何となく、周囲の人たちへの謝罪の言葉だった様ですが聞き取れずに残念です。