傍聴絵日記

@さいたま地裁傍聴席

本物の息子が至急395万円を必要としています(戸田、周南市)

2016年06月23日 | 刑事事件
平成28年(わ)第566号等

太田 聖也 (21)

詐欺未遂(新件)

【概要】
氏名不詳者が被害者の親族等になりすましす等して、金銭を詐取する特殊詐欺事案の受け子として逮捕された被告人の事件です。
埼玉県戸田市での未遂事件で起訴された後に山口県周南市での既遂事件が発覚して追起訴された様です。

【経緯】
地元(静岡)で知り合った知人から、週に20〜30万円稼げる「キャッチャー」の仕事があると誘われたと言います。

その後上京して、ラブホテルや漫画喫茶で寝泊まりしていたと言います。その間の生活は共犯者から1日につき一万円の生活費の支給を受けていた言いますから、後述する追起訴分の成功報酬を受け取っていなくとも、全く無償、無報酬という訳では無い様です。

非合法な仕事である事は認識していた様です。
被告人は趣味のラップで「グレーのモノも白になる」と悪びれる事なく、歌にしていた様ですから少なくともグレー(な仕事)だとの認識があったことは間違いありません。

【既遂事件】
山口県の被害者から、ライフサポートを名乗り、株取引に関する金銭名目(具体的に把握出来ませんでした)で400万円を受け取っています。(詐取金は共犯者に全額渡していますが、この件の報酬を受け取る前日に戸田の事件で逮捕されました)
また、本件の被害者は数回に分けて、合計1150万円の詐欺被害に遭っているとの事です。

ですから、被害者にとって被告人は1150万円騙し取った犯人と認識されている筈です。

【被害弁償】
被告人は警察から還付された逮捕時の所持金の中から「5万円」を被害弁償に充てたいと述べました。(!)

【被告人質問】
判事「残り(の被害弁償は)どうするんですか」
聖也「申し訳無いと…」
(中略)
「分割で…」
判事「自分でケツ拭かなきゃ駄目だよ。」
(相変わらず、的を射た判事のツッコミです)

被告人はどう見ても自身の400万円の賠償責任を全うするつもりは無かった様です。

被害回復の有無は量刑に大きく影響しますから、被告人の両親は論告判決までに残り395万円を用意する事をオススメします。(今のままでは被害金額大きい事から確実に…の様な気がしますよ)
受刑しても賠償責任が無くなる訳ではありませんから、刑務所に入るよりもマグロ漁船に乗って稼いだ方がマシじゃないですか。

また、本件の裁判確定後に余罪が発覚するとまた別の裁判が行われる事になりますから、(もし余罪があるならば)今のうちに自ら申告する事をオススメします。

【論告】
被害回復されていないことを量刑上重視すべきとして、懲役4年を求刑しました。

【キャッチャー】
被告人に本件の受け子の仕事を斡旋するにあたり、静岡の知人は「キャッチャー」と説明していました。
詐取金を受け取るからキャッチャーとも聞こえますが、警察にキャッチ(身柄確保)されるからキャッチャーなのかと思うのは、考えすぎでしょうか。

【私感】
成功報酬に賠償責任が発生すると勘違いしている様です。
情状証人の母親は浅はかなことをして、もし訳無い旨述べていましたから他人の財産を騙し取っておきながら、「ごめなさい」だけで済むつもりで居る能天気さは母親譲りの様です。もっとも、自身の離婚を理由に10代半ばの被告人に自活を強いた母親ですから、両人ともに大人の自覚を期待するのが無理な様です。

「オレオレ、母さん400万円用意できないかな。お年寄りからお金を騙し取ったら捕まっちゃって、弁償できないと4年間刑務所に行けとケンサツカンが言っているんだ、共犯のナカムラが捕まったら返せると思うんだ。本当なんだ。」と、親類縁者に電話を掛けまくってみてください。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« もし、 | トップ | 老害運転者のロードバイク追... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。