消化器内科といえば、人間のもつ臓器の全てが対象となる診察科だ。
そして、そこで働く看護師に必要な能力は主に2つである。
1つ目は、幅広い知識。消化器内科を訪れる患者でよくある症状が胃痛や食欲不振、便秘である。一見、簡単に処置できそうな症状ばかりだが、実は患っている臓器以外の疾患から症状を引き起こしていることも多いのだ。そのため、消化器内科以外の知識を持っておくと、スムーズに他の診察科との連携が取れるのである。
特に消化器外科との連携は不可欠であるため、消化器内科に務める看護師は消化器外科に関する知識も深めていることが多いのだ。その点では、総合病院であれば、大抵消化器内科、外科が併設されているので、両者の知識を効率よく身に付けられる最適な職場といえるのである。
2つ目は、内科特有の処置。具体的には、内視鏡やストーマ、胃婁が代表的だろう。特に内視鏡を使用した検査は、かなり頻度が多いため処置に慣れておく必要がある。ただ、一言に内視鏡といっても種類が多く検査方法がそれぞれ異なるので一つ一つ正しく身に付けなくてはならない。
例えば、上部消化管内視鏡検査では、検査する部位によって、内視鏡を口から挿入するのか、鼻から挿入するのかが変わるのだ。また、内視鏡検査をするだけでも入院を要するケースもあり、ひとりひとりの症状について見極めていく必要がある。
検査前日の食事制限や事前の検査についての説明も看護師が担う場合もあるため、丁寧に説明する能力も求められるだろう。