ニャンこ先輩 第1回の記事 2010年12月23日
次の日、学校に行くと朝から教室前の廊下で先生達が話し合いをしている。
とりあえず席に着いたが、外が気になって仕方ない。
すると、また今日も呼ばれた。
「おい、吉田」
「にゃんこ先輩が、呼んでたぜ」
「あぁ、ありがとう」
「直ぐ、行ってくるよ」
(やっぱり、昨日の事は伝えないとなぁ……)
「そうは言ってもなぁ~」
階段を登りながら、つぶやいた時に後ろから声がした。
「おい、お前」
「えっ、あっ!?」
「こいつを預けた」
(有無言わせぬ勢いで、僕に渡すと直ぐに階段から立ち去ってしまった)
無言で受け入れるしか無かった訳だが、不思議と異論は無かった。
茶色い小袋は、何か細かくて軽い物質が入っている事だけは想像がついた。
僕は落とさない様に、学ランの内ポケットに入れた。
そして、急いで教室へ戻った。
昼休みには、その袋を預かった事を忘れかけていた。
そして帰宅すると、完全に頭の中から袋の事は忘れてしまっていた。
正確には、今は思い出しながらこれを書いている。
そう、あの出来事が起こるまで……。
僕は、思い出す事は無かったんだ。
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